FXトレードは、裁量トレードと自動売買手法の2つに大きく区別することができます。
EAとも呼ばれる自動売買の手法には、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
この記事では、海外FX会社でのEAの活用も含め紹介していきます。
EAとは?
EAとは、「Expert Advisor」(エキスパートアドバイザー)の略です。
FXの外国為替相場の中で、一定の法則にのっとって自動的に売買決済を行なうツールのことをこう呼んでいます。
EA(エキスパートアドバイザー)とは?
FX相場の中で一定の法則に従い
自動的に売買決済を行なうツールのこと
FXトレードは、特に初心者の場合は
売買エントリーや決済のタイミングが難しく、
判断に困ってしまう方も少なくありません。
その点、
EAを活用すれば裁量トレードをすることなくFXトレードの実践が可能です。
EAにはメリットもデメリットもありますが、
上手に使いこなすことで効率的に投資成果を上げていくことが可能です。
MT4専用の自動売買プログラム
EAは、
MT4(MetaTrader4)専用の自動売買プログラムです。
EA=MT4専用の自動売買プログラム
MT4とは、ロシアのシステムメーカーが提供するシステムで、
FX以外の投資商品にも対応していますが、
一般的にはFXトレードにおけるサポートツールとしての印象が強いシステムです。
FXにおけるMT4とは?
→FXトレードのサポートツール
EAは、それぞれの法則を持った専用のソフト言語で記録されたファイルが存在します。
EAファイルをMT4にセットすることで、
一定の法則にのっとって自動的に稼働し、売買が実行されます。
一つのEAごとに1ファイルが存在するため、
異なる性質のシステムを活用したい場合は、
それぞれのEAファイルを入手してMT4に組み込んで運用する必要があります。
各証券会社提供のプログラムとは異なる
EAとよく混同されることが多いものに、
各証券会社が提供するFXトレードプログラムがあります。
各証券会社が提供するプログラムも、
自動売買システムです。
しかし、下記のようなEAとは異なる特徴を持っています。
継続運用に際して手数料がかかる
それぞれに特徴のある自動売買システムなので、
自分に合った方を選択することをおすすめします。
一般的には
EA:様々な種類があり応用的
証券会社提供のシステム:分かりやすく初心者向け
です。
様々試してみてそれぞれの特徴を見ながら判断しましょう。
EAのメリット
EAに限らず、FXトレードの手法にはメリットとデメリットがあります。
しかし、EAには裁量トレードでは経験できない多くのメリットや特徴があります。
同じ外国為替相場を利用したFXトレードでも、裁量トレードか自動売買システムのどちらを選択するかで、考えるべきポイントが大きく変わってきます。
自動売買システムの中でもEAは非常にメリットが多く、効率よく投資が進められます。
- 時間がなくても取引可能
- 選択肢が多い
- 取引コストがスプレッドのみ
- 過去の相場に当てはめたバックテストが可能
- 自分でプログラムも作成可能
それでは、それぞれのメリットについて説明していきます。
時間がなくても取引可能
EAは、裁量トレードのように自分で売買注文を出す必要がないため、基本的に時間をかける必要がありません。
選択したEAを稼働させるかどうかだけの選択をするだけです。
自動稼働させている間は、システムが認識している一定のルールにのっとって、繰り返し自動で新規エントリー及び決済注文を実践します。
FXトレードに割く時間がない方や、投資活動にできるだけ時間をかけたくないと考えている方に非常におすすめです。
選択肢が多い
EAは、無数にEAファイルが存在します。
公開されているファイルだけでも相当な数の種類があるため、
選択肢の幅がとても広いことは大きな特徴でありメリットです。
数あるEAファイルの中から自分に合ったツールを選択する楽しさがあります。
システムごとに運用の方針や売買のルール、傾向が異なります。
様々なEAファイルの中から、自分の好みであるとか、
実際のFX市場において相性よく安定的に収益をあげられるようなシステムを見つけることができれば、あとは自動で利益が積み重なっていくのを見守るのみです。
EAでは非常に選択肢が広いので、
自分に合ったEAファイルを見つけることができる可能性に満ち満ちています。
取引コストがスプレッドのみ
EAの運用にかかるコストは、見た目上は皆無です。
実質的には売りと買いのレート差によるスプレッドが手数料相当の負担となります。
取引コストは売りと買いのレート差によるスプレッドのみ
EA以外の自動売買システムの場合は、
定額の運用手数料が継続的に必要となるものも少なくありません。
特に、各証券会社が提供しているようなわかりやすい自動売買システムの多くは、
継続的に手数料が発生します。
その点、EAは非常にコストが少なくて済み使いやすいシステムツールといえます。
スプレッドが狭いFX業者を選択することで、
実質的に最大限に手数料負担を軽減したFXトレードを展開することにつなげられます。
過去の相場に当てはめたバックテストが可能
EAでは、選択したシステムツールを仮に過去の相場で運用していたとした場合に、
どれくらいの損益実績を計上していたかをチェックする『バックテスト』が可能になっています。
過去に高い利益を上げた実績があるからといって、
将来的に同様の結果をあげられるという保証はありません。
しかし、
直近で大きな利益を上げることができたシステムは、
近い将来においても同様に利益がスムーズに生み出せると考える根拠となります。
他の自動売買システムでは、バックテストに対応していないものも多く、
バックテスト対応はEAの大きな特徴でありメリットとなっています。
自分でプログラムも作成可能
EAでは、公開されている既存のEAファイルを利用するのが一般的ですが、
プログラミングの知識と技術があれば、
自分でEAファイルを作ってプログロムを組み立てることも可能です。
これは上級者向けですが、FXトレードで培った経験を活かし、
自分に最も適したルールを決めて、
それをシステムとして構築してMT4に組み込み運用することも可能です。
自分が作成したプログラムでシステムトレードをするのはとてもやりがいがあり、
プログラムを作成することが好きな方には非常に楽しい対応方法といえます。
自分でプログラムを作る技術と知識がある方は、ぜひ挑戦してみてください。
EAのデメリット
EAのメリットをいくつか紹介してきましたが、EAには同時にデメリットも存在します。
メリットとデメリットを総合的に判断して、EAを利用するかどうかを決めましょう。
FXトレードをするには裁量トレードが原則です。
売買のタイミングを図ったり決済のタイミングや損切り判断などを経験するには
裁量トレードを行なうほかありません。
裁量トレードでFXトレードに関する知識と経験をある程度積んでから
EAなどの自動売買トレードを経験してみるのが一般的な流れになります。
プログラム購入費用がかかるものが多い
EAのファイルは、
無料のものも多く公開されていますが、
有料のものも数多く存在します。
EAシステム自体の運用にかかる費用は無料ですが、
有料のシステムは最初に購入するための費用が掛かってしまいます。
もちろん購入する最初だけ支払えばあとは継続して利用できるので
初期投資費用という感覚ではありますが、費用が掛かることに変わりはありません。
EAを開始してしばらくは無料のEAファイルを選択して、
少ないボリュームの建玉で運用をしてみるのも◎
有料のシステムの方が無料のものよりも優秀であるとも限りませんが、
有料のシステムを利用する候補から外すとかなり選択肢が狭められてしまいます。
売買ロジックは公開されていない
証券会社などが提供している自動売買システムの場合は、
売買の方針などが公開されるケースがほとんどです。
しかし、EAシステムのほとんどは売買ロジックについて公開されていません。
したがって、どんな売買方針を取っているのか、
どんな相場局面でエントリーをして決済をしていくのかを判断するためには、
自分でバックテストを繰り返したり実践で利用していく中で判断していくほかありません。
もちろん、売買ロジックが分からなくても
EAを利用して投資を展開することは可能です。
しかし、仮にうまく利益が獲得できなくなってきた状況で、
売買ロジックが分かっていないとなぜ利益の出るトレードができていないのか、
判断する手掛かりが全くない状態に陥ってしまいます。
バックテストや実践の中で
売買ロジックを読み解くこと自体も、
FXに関する経験と知識が十分にないと不可能なことです。
運用開始までの手続きが面倒
EAを使ってFXトレードの運用をするためには、一定の準備が必要になります。
- MT4が利用できるFX会社を選択して口座開設
- EAファイルを用意(入手or自作)
- EAファイルをMT4に組み込んで運用開始
という流れが一般的です。
しかし、まずどのFX会社を選択したらよいか、
初心者にとっては難しい選択となります。
また、EAファイルの入手にしても要領を得られていない方にとっては
どこなら、どのように入手したらよいかわかりにくい面があります。
さらに、基本的なFXに関する売買トレードのルールや知識がないと苦労します。
システムトレードは簡単そうな印象を受けますが、
運用開始までにかなりの手間と準備が必要になります。
常にネットに接続しておく必要がある
EAが稼働するためには、常にインターネットにつながった端末が存在しないといけません。
そのため、パソコンを利用している方の場合は常にパソコンの電源をオンにしておき、MT4を稼働させておく必要があります。
セキュリティ面でも電気消費量の面でも望ましい状態ではありません。
しかし最近ではVPSと呼ばれる仮想デスクトップの機能が活用できるようになっています。
VPSを活用することで、常にパソコンを起動させておく必要はなくなるので、
EAを本格的に利用する際には活用を検討してみましょう。
EA活用時の注意点
EAは、非常に便利な自動売買ツールですが、もちろん万能というわけではありません。
いかに優秀なシステムを採用したとしても、
常に勝ち続けることは不可能と考えておくべきです。FXの外国為替相場の世界はいつも予想通りに遷移するとは限らず、時に予想外の上下動を見せることもあり得ます。
数回の実績でEAの成果や能力を判断していては上手なEA運用は不可能です。
EA活用時に気を付けておくべき注意点をいくつか紹介するので参考にしてみてください。
長期的なスパンで評価する
あるEAファイルを使って運用を開始した直後、
続けて損失を計上してしまうこともあります。
いかに優秀なシステムといえども常に勝ち続けることは不可能と考えておくべきです。
数回の結果だけでEAシステムの成否を判断するのではなく、
もう少し長い期間継続して使用してみてから判断をすることをおすすめします。
繰り返し使用していく中で、
例えば3か月間トータルで見てプラスになったとしたら、
さらに継続してみる価値はあると判断するべきです。
他のシステムに目移りしてしまう気持ちになることもありますが、
EAシステムに対する評価を早まりすぎることなく、
長期的なスパンで考えてみるようにしましょう。
ロットを増やしすぎない
EAシステムの評価を長期的なスパンで判断するためには、
ある程度余裕を持った資産管理が必要になります。
そのため、運用開始当初から大きなロットで取引をすることはおすすめできません。
繰り返し長期的なスパンでシステムの結果をチェックするためには、
少なめのロットで運用を継続して行ない、
長い期間での結果をチェックする方法が一般的です。
海外FXの中にはEAに適した業者も多い
EAを運用するためには、
国内FX会社だけでなく、
海外FX会社を利用することも可能です。
海外FX会社の中には、EAシステムを利用するのに適した業者もあります。
EAシステムを効率よく運用するためには、
ネット環境の快適性
約定率の高さとそのスピード
が大事になります。
海外FX会社の中には、これらの条件をすべて満たす会社がいくつか存在します。
日本のFX会社も優れていますが、決済におけるスリッページの発生などの面を考えると、海外業者を活用することには一定のアドバンテージがあります。
信頼できる海外FX会社があれば、利用を検討してみることをおすすめします。
まとめ
以上、EAに関する情報を紹介してきました。EAシステムを利用する際にはメリットとデメリットがあるので、総合的に判断して自分に合っているかどうかを決めましょう。
また、EAシステムを利用する際には
海外FX会社を利用することも選択肢に入れて検討してみることをおすすめします。