FXを始めたばかりの頃には、
いろいろな失敗を繰り返す方も多いのではないでしょうか。
そして、何が悪かったのか原因がよくわからないままに損を取り戻そうとして、
次のトレードでも失敗したという経験のある方もいるかと思います。
では失敗を防ぐにはどうしたら良いでしょうか。
これには、FXで失敗する人によく見られる8つの傾向を把握し、
それらを改善していけば
自然と自分の勝ちパターンを見つけることができ収支を向上させることができます。
この記事では、以下について解説していきます。
- FXで負ける人にはどんな特徴があるのか
- そのことに対する対処法は?
- リスクリワードの考え方
- 負けた後もその後の対応が大事
ちなみに、
金融先物取引業協会が2018年に実施した調査によれば
取引経験年数が1年以上の人が81.4%いる中、
FXで損をした人の割合は39.7%です。
FX取引経験年数が1年以上の人の中でも
損をした人の割合は約4割!
( https://www.ffaj.or.jp/wp-content/uploads/2018/09/20180927_summary.pdf )
この記事を読めば、
負けないようにするためにはどうすればいいのか
がわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
FXで負ける人に多くみられる8つのパターン
FXのメリットは、少ない資金から始めることができ、レバレッジをかけることで相場状況や手法によっては短期間で資産を増やすことができる事です。
きちんとした知識を身につけ、
損失を自分の資金の許容範囲内に収めながらトレードすれば
安全に運用することができますが、
失敗を繰り返す方がいるのもまた事実
です。
では、どのようなことで失敗するのか、よくある8つのパターンを見ていきます。
- 飛び乗りでエントリー
- 損切りできない
- ハイレバレッジで取引
- 無計画なナンピン
- 指標発表時にギャンブル的に取引
- 損を取り返そうとリベンジトレード
- ポジポジ病
- 感情に振り回される
これから各パターンの詳細と対処法について解説していきます。
飛び乗りでエントリー
相場では、予定外の要人発言などが原因でよく急変動が起こります。
突然急騰したり、突然急落したりと乱高下した時に、
チャンスだと思って飛び乗りでエントリーすると、
そこから反転して損をすることがよくあります。
それは、トレードルールが曖昧だったり、
事前にしっかりと手法が固まっていないために合理的な行動がとれないからです。
【対処法】いつもの手法で淡々とトレード
予想外の動きになった時には
まず自分のトレードルールと比較して、
現状を把握し、保有しているポジションを決済するか、
そのまま保有し続けるかを決断します。
自分のトレードルールと比較
→現状を把握する
→保有ポジションを決済orそのまま保有 を判断
まだポジションを持っていない場合は、エントリーしないほうがベストです。
その後、なぜそのような動きになったのか原因を調べて材料を特定し、
納得してから次の行動を取るべきです。
損切りできない
FXにおいて大きな損失を出してしまうと、
それ以上トレードすることが難しくなるので、
適切な損切りができないと相場で生き残ることができません。
では、なぜ損切りできない人が多いのか。
その理由としては、
- 損をしたくない
- 損を認めたくない
- これだけ急変したのなら、そのうち反転するのではと思ってしまった
- 損切りしようと思ったら手遅れの値段になって、受け入れられなかった
- 「損切りしなきゃよかった」という経験が過去にある
- 取引枚数が多すぎて、メンタル的に受け入れられなかった
などが挙げられます。
実際、金融先物取引業協会の調査によると、
損失原因の85%=損切り関連の失敗
が占めています。
【対処法】損切りルールを決める
損切りの前提は「自分がエントリーした根拠が崩れた」時です。
ポジションを持つときは、
優位性があると判断した時にエントリーしているはずです。
その優位性がなくなれば、ポジションを保有し続ける意味はありません。
「こうなった時にはこのトレードは終わり」という
明確なルールをエントリーする時に決めておくといいでしょう。
トレードで全勝することは不可能です。
間違いを認めて次のトレードにチャレンジし、
トータルで資金を増やしていくのが健全な運用方法です。
ハイレバレッジで取引
FXでトレードしている多くの人は
「収支をアップしたい」「たくさん稼ぎたい」と考えているはずです。
一回のトレードでより多く稼ぐためにロットを増やすと、
ハイレバレッジの取引になって危険です。
利益が上がっているうちはいいですが、
負けが続くと損失が大きくなります。
ロットが大きいことでメンタルに与える影響も大きくなり、
「取引ルールを守れない」「損切りができない」といったデメリットがあります。
【対処法】ロットを減らす
ロットを減らすことで、メンタルが安定して、
手法どおりにトレードができるようになります。
最初はレバレッジ2~3倍で始めて、
スキルが上がったら徐々にレバレッジを上げるようにしましょう。
無計画なナンピン
「損をしたくないから」「いつか戻るだろうから」と、
損切りラインを決めずに無計画にナンピンすると、
口座の余力もなくなり、含み損もどんどん増えていきます。
そして、いざチャンスが訪れた時に資金不足でエントリーできない事態に陥ります。
【対処法】ナンピンするならせめて計画的に
レバレッジをかけて取引するFXでは、
自分のシナリオが崩れた時には損切りするのが鉄則です。
「ここまで下がったんだから、そろそろ反転するだろう」
という根拠のない理由でトレードをすると、
計画性や客観性がないので大損失につながるケースもあります。
ナンピンするなら、せめて計画的にトレードする必要があります。
指標発表時にギャンブル的に取引
指標発表後の相場の反応は、
単純に指標の良し悪しで動くのではなく、
事前の市場予想との乖離で決まります。
また、市場予想よりもいい結果が出たからといってプラスに働くとは限りません。
有名な指標には「米国雇用統計」がありますが、
発表日の為替市場はお祭り騒ぎとなる毎月恒例のビッグイベントです。
雇用統計発表後は一瞬にして1円(100pips)以上動くこともあり、
利益獲得のチャンスと思いエントリーしがちですが、
初心者の方はできる限り避けたほうが無難です。
【対処法】初心者のうちは指標発表時の取引を避ける
経済指標は発表スケジュールも時間もあらかじめ公表されているので、
チャンスをものにするためには欠かせないイベントです。
しかし、初心者のうちはリスク回避も考えなければいけません。
指標発表後の変動の流れに乗って利益を上げるためには、
知識と経験を積み重ね、
しっかりとしたトレードルールを決めなめればいけないので、
一朝一夕でできるものではありません。
大きく相場が動くので
運試しをしたいという気持ちに駆られるかもしれませんが、
あえて取引しないというスタンスで臨むほうがベストです。
損を取り返そうとするリベンジトレード
人は損をすると、どうしても「取り返したい」という気持ちが強くなります。
しかし、その気持ちはトレードルールを無視することになるので危険です。
そのわけは、冷静さを欠いた状態で、
負けた分を取り返すためにいつもより多めのロットで取引するためです。
そして、急場しのぎの臨時のトレードルールのため手法に優位性はなく、
利食いや損切りのルールも曖昧です。
- 冷静さに欠ける
- 負け分を取り返そうと多めのロットで取引
- 臨時トレードルールを使う
- 手法に優位性がない
- 利食いや損切りルールが曖昧
その結果、さらに損失が増えてしまい、
これを繰り返すことで加速度的に損失が膨らむリスクがあります。
【対処法】資金管理を徹底しよう
大切な資産を守るためには、資金管理が重要です。
資金占有率を意識して、一度の取引数量の上限を5%以下に設定したり、
一度のトレードで負けてもいい金額を総資金の2%に抑えるなどです。
収支を短いスパンで考えるのではなく、
短くても1ヶ月で収支を判断するようにしましょう。
ポジポジ病
ポジポジ病とは、
常にポジションを持っていたいという状態であり、そこにはルールがありません。
ポジポジ病とは?
常にポジションを持っていたいという状態
期待値が低い局面でもトレードしてしまうので、
ムダな取引が多くなり取引コストもかさみます。
また、相場が常に気になってしまうので時間効率も悪く、
日常生活にも悪影響が出る可能性もあります。
さらに、ルールではなく気分でトレードしているので決済に合理性がなく、
利小損大につながりやすくなります。
【対処法】トレードルールを確立しよう
FXで勝てる人は、
長い目で見て、短期的な収支は気にしない
ルールに該当した場合だけトレードする
メンタルがぶれない
ことができる人です。
FXは、ルールに沿って同じことを繰り返し冷徹に利益のみを追求する作業です。
ポジポジ病のように
トレードに楽しさやスリル、満足感を求めた感情優先のトレードをすると、
勝てるトレードからは遠ざかります。
取引を分析し、
売買タイミングを決定する自分なりのルールを確立するようにしましょう。
感情に振り回される
取引枚数が多いほど、勝つ金額、負ける金額が大きくなります。
そして、少しでも自分の予想と反対方向に行くとイライラしたり、
気持ちが落ち着かなくなってトレードに影響が出ます。
なぜなら、自分の許容できないロット数で取引すると、
落ち着きを失ってルールどおりにトレードできなくなるからです。
【対処法】ロット過多でメンタルに負荷がかからないようにしよう
各トレーダーごとに
投資資金や総資産、性格、時間的余裕などは違います。
心に余裕があればルールを守って躊躇なく損切りできたり、
積極的に利益を伸ばすこともできます。
自分なりにトレードをしていて、
ドキドキしない取引枚数を見つけることが大切です。
損小利大のトレード方法
FXで勝つためには、売買の勝率だけでなく、
リスクリワードが大切だといわれています。
FXでリスクリワードといえば損失と利益の比率であり、
勝率とリスクリワードの関係性を理解することで
「損小利大」のトレード法を身につけることができます。
勝率だけにとらわれないようにしよう
勝率を上げたいからといって、
利益幅より損失幅が大きいリスクリワードにすると、
損切りにかかる確率が下がるので当然勝率は上がります。
しかし、損大利小のリスクリワードにすると、
損切りにかかった時の損失が大きくなってしまいます。
たとえば、10pipsで利益確定し、
100pipsで損切りの設定をしていて、勝率が90%だったとします。
この場合、10回トレードすると9勝1敗となりますが、
利益は10pips×9回=90pipsなのに対し、
損失は100pips×1回=100pipsとなり、
トータルでは10pipsのマイナスとなります。
コツコツ積み上げた利益を1回の損切りで吹き飛ばしてしまうのです。
つまり、勝率だけにこだわらずに、リスクリワードも考えなければいけないのです。
リスクリワードと勝率の関係を知ろう
リスクリワードが1対1で、
勝率が50%なら、
利益と損失の合計が同じとなり、収支はトントンになります。
利益を出すためのリスクリワード比は、
勝率60%:1対0.67以上
勝率70%:1対0.43以上
となります。
このように、
リスクリワードの設定によって狙うべき勝率も変わってきます。
しかし、相場が思わぬ方向に動いて勝率が50%になった時を想定し、
最低でもリスクリワードは1対1以上にするのがオススメです。
また、予想通りに相場が動いて、まだまだ利益を伸ばせそうな場合には、
利益確定を遅らせると利幅が大きくなります。
このように、リワードを大きくするとトータルの収益が向上します。
損小利大を実現するために
FXは常に勝ち続けることはできません。
相場が想定外の方向に動いた場合には
ためらわずに損切りすることで損失を最小に抑え、
予想通りに動いたら利益を大きく伸ばす戦略を立てることが重要です。
どうしても自分で損切りができない人は、
ポジションを持つと同時に損失限定の逆指値の設定をするなどの工夫も必要です。
負けパターンから目をそらさずに、スキルアップしよう
ここまでFXでの失敗例とその対処法について説明してきましたが、
いかがでしたでしょうか。
- FXで失敗する人によく見られる8つのパターン
- 損切りなど資金管理に関するトレードルールの確立が重要
- メンタルに悪影響を与えないように、許容範囲でトレードすべきである
- 勝率だけにとらわれず、リスクリワードを考えることが大事
自分の勝ちパターンや得意な相場展開は多くの方が記憶に残っているかと思いますが、
大事なのは負けた後です。
なぜ負けたのかを理解し、
自分のトレード手法の強みと弱みを把握することで、
そのデータを分析し、次のトレードに活かすことができます。
負けパターンには、手法によるものやメンタルによるもの、
避けることのできない突発的な事象などさまざまな要因があります。
終わったトレードを振り返り、同じ失敗を繰り返さないためには、
「トレードの記録を残す」ことが重要です。
負けた時のパターンを知り、
データを分析して自分の取引を知ることでスキルアップし、
収益向上を目指しましょう。