FX取引を行なう中で、
ロスカットという言葉になじみのある方は多いですが、
『ゼロカット』という言葉を知らない方は多いのではないでしょうか。
この記事では、
海外FX会社ではロスカットよりも一般的なゼロカットについて、
大手の海外FX会社である「XM Trading」を例にして解説します。
ゼロカットとは?
『ゼロカット』とは、
XM Tradingを始めとして、海外のFX会社の多くが提供するサービスです。
ゼロカットとは?
急激な相場変動によりロスカットの水準を下回った部分の過剰な損失を
トレーダーではなくFX会社側が負担するサービス(海外FX限定)
海外FX会社では、証拠金の金額残高と保有ポジションの含み損が一致すると、
強制ロスカットになりますが、
相場が急激に変動した際、
ロスカットの相場を超えてさらに含み損が発生したとしても、
そのロスカット超過分の損失はトレーダー側で負担することなく、
FX会社側で負担するというサービスのことです。
流れとしては以下のようなものになります。
例)ゼロカット
1万通貨単位のUSD/JPYの買いポジションを
相場:110円、
証拠金:1万円、レバレッジ:100倍で保有。
相場が一気に108円まで急落し、
本来、109円の相場でロスカットが発動すべきところ、
108円で決済されてしまったら・・・
【余分に発生した損失】
(109円ー108円)×1万通貨 =1万円
→1万円の損失
この金額1万円をFX会社側で負担してくれる
XMにおけるゼロカット適用の流れ
ゼロカットが適用される流れについて紹介します。
XM Tradingは、海外FX会社の中でも日本のトレーダーから支持されていて、
しかも日本の国税庁の認可を得ている信頼性の高い海外FX会社です。
日本国内のFX会社では、ゼロカットの運用自体が禁止になっているので、ゼロカットが適用されるのは海外FX会社限定のサービスとなります。
ゼロカットの特徴をしっかりと理解し、メリットがあると判断できたら、
ぜひXMなど海外FX会社で口座開設をしてトレードに挑戦しましょう。
ボーナスとマイナス残高が相殺される
XMでは、クレジットと呼ばれるボーナスがあります。
これは、XMの口座開設を新規で行ったときや、
専用口座に資金を入金したりしたときに付与されるもので、
証拠金として活用することができる数値です。
ただ、ボーナスは出金をすることができません。
ゼロカットが発生した時は、まずこのボーナス部分と損失額が相殺されます。
例)
相場の急変で証拠金の金額より
5万円の損失が超過して発生してしまったら・・・
【ボーナスの残高1万円の場合】
(5万円-1万円)=4万円 ← FX会社側の負担
ボーナス部分の金額が損失と相殺されて4万円となります。
相殺後のマイナス残高に対してゼロカットが適用される
ゼロカット適用時には、ボーナス部分の残高が損失と相殺され、残ったマイナス損失残高に対してゼロカットが適用されることになります。
例)
上記の例で説明すると、
【ボーナスの残高1万円の場合】
(5万円-1万円)=4万円 ← FX会社側の負担
この残りの4万円がゼロカットの対象になります。
ボーナス部分はトレーダーにとってはとてもお得でトレードの際に便利に活用することができる制度ですが、
- 出金することができない
- ゼロカットの際には優先的に消費されてしまう
という点を踏まえて、
ボーナス部分は通常の残高とは区別して計算しないといけません。
XMのゼロカット適用における3つのルール
ここではXM Tradingを例にとり、
実際の海外FXにおけるゼロカット適用の際のルールについて紹介します。
XMでは、ゼロカットが適用されるケースが発生した場合、
3つのルールにのっとって処理がされます。
しっかりと理解をしておかないと、想定とは違う口座管理を強いられる可能性もあります。
- マイナスがゼロになるまでに時間を要する
- 追加入金時、即座にマイナスが解消される
- 他のポジションが残る間は適用されない
十分に説明書などを熟読し、理解したうえでトレードを実践するようにしましょう。
マイナスがゼロになるまでに時間を要する
XMでの取引において、急激な相場変動によりゼロカットが発生した場合、
証拠金及びボーナス分の残高以上の損失金額は、すぐに解消されるわけではありません。
しばらくマイナスの残高として口座残高が表示されることになります。
マイナス残高がゼロになるまでには
、数分から数時間かかることがあります。
ゼロになるまでの時間は、相場の時世によって異なります。
初めてXMでのトレードをして、
ゼロカットが起こったものの残高がマイナスのまま残ってしまっているのを見て、
ゼロカットが実行されていないと慌ててしまう初心者トレーダーの方が多いですが、
問題はありません。
追加入金時、即座にマイナスが解消される
ゼロカットが発生して残高がマイナスと表記され、
ゼロになるまでの間の時間に追加で証拠金を入金するとどうなるでしょうか。
マイナス残高に入金額が吸収されてしまうのではないかと
考えてしまう初心者の方が多いですが、そうではありません。
追加入金をした時点で、
即座にマイナス残高が解消され、入金した証拠金金額が残高として記録されます。
例)
ゼロカットの発生により
マイナス残高が5,000円と表記されている時点で、
8,000円の追加入金を行なった場合、
残高3,000円ではなく
残高8,000円になる
8,000円を追加入金すると・・・
マイナス残高の5,000円→0になる
=口座残高:8,000円
マイナス残高に入金額が相殺され、
残高が3,000円と表記されそうな感じがしますが、
8,000円を入金した時点でマイナス残高の5,000円が即座にゼロとなり、
口座残高は8,000円が記録されます。
追加入金を行なうと、即座にマイナス残高は解消されるので、
安心して追加入金をして次のトレードに臨むことができます。
他のポジションが残る間は適用されない
ゼロカットが起こって、残高がマイナスとなったものの、数日たっても一向にマイナス残高が解消されないことがあります。
様々な要因が感がられますが、
最も多いのが、ボーナスを証拠金として取得したポジションを保有し続けていることが原因になるケースです。
XMでは証拠金限定で使用できるボーナスの制度がとても充実しています。
ボーナスをどんどん活用してトレードを行なうことができますが、
ボーナスを活用して保有するポジションを保有したまま、
他のポジションが要因でゼロカットが発生したとしても、
マイナス残高は解消されることはありません。
一度口座をゼロにしたい場合は、
ボーナス分で保有しているポジションを決済して口座をクリアにする必要があります。
ゼロカットのメリット
XMなど海外FXで導入されているゼロカットの制度にはどんなメリットがあるのでしょうか。
日本のFX会社では法律で禁止されている制度であるため、なじみのないトレーダーの方も少なくありませんが、特に高いレバレッジをかけてスキャルピングなど短期トレードに挑戦する方には、ぜひ知っておいてほしい内容です。
ゼロカットのメリットを最大限に生かして、トレードを進めましょう。
- 追証リスク回避
- 最大損失額を限定できる
- ロスカット対策になる
追証リスク回避
日本国内のFX会社では、
急激な相場によりロスカットが間に合わず、
証拠金以上の損失が発生した場合は、
FX会社からトレーダーに追加の証拠金入金が求められます。
マイナスになった残高は、
追加入金を行なわないと解消されることはなく、
そのまま放置していると口座凍結となり取引をすることができなくなります。
保有ポジションのボリュームと相場の変動の程度によっては、相当大きなマイナスを抱えてしまうことも考えられます。
これに対し、
ゼロカット適用のFX会社なら、どんなに高額のマイナス残高が発生したとしてもゼロカットが適用されてトレーダーの負担はゼロです。
相場の急激な変動により
証拠金以上の損失が発生するケースはそれほど多いわけではありませんが、
高いレバレッジ倍率をかけて少額の証拠金で取引を行なっているトレーダーにとっては、
もし発生したら取り返しのつかない大きな負担となります。
XMなどの海外FX会社なら、
安心して高いレバレッジを活用してリスクを取ったトレードをすることができます。
最大損失額を限定できる
ゼロカットが採用されている海外FX会社を利用することで、最大の損失額を正確に限定することができます。
国内のFX会社でも、ロスカットが実行されるために、
証拠金以上の損失は発生しないのが一般的ですが、
スリッページが発生して証拠金以上の損失が発生する可能性は残されています。
その点、海外FX会社なら、
ゼロカット制度の採用により、証拠金以上の損失はFX会社側が負担してくれるので、
証拠金以上の損失を計上することは絶対にありません。
どんなに大きなレバレッジをかけて取引をしたとしても、
損失額が限定されているので、
リスクを取ったトレードをためらいなく行なうことができます。
ロスカット対策になる
国内FX会社で執行されるロスカットとは、一定の証拠金率に達した時に証拠金が全額回収される制度です。
ロスカットとは?
一定の保証金率を下回り、証拠金がすべて失われてしまうこと
一定の証拠金率は、FX会社によって設定は異なりますが、
50%の設定をしている会社が多いです。
これに対し、
XMの場合は、証拠金の額とポジションの含み損失が同額になり、
口座残高及び証拠金率がゼロになるまでロスカットが起こることはありません。
例えば、
USD/JPYの買いポジションを110円の相場で1万通貨分保有し、
その時の証拠金残高は10万円だったとします。
例)
証拠金:10万円
通貨ペア:USD/JPY
ポジションレート:110円
買いポジションで1万通貨保有
ロスカットの発生条件が50%の証拠金率としている国内FX会社の場合は、
相場が105円となった時点で含み損失が▲5万円となり、
証拠金率が50%となることで、
ロスカットとなり証拠金を失ってしまいます。
これに対し、
XMなら
相場が100円になった時点で含み損失が▲10万円となることから、
ロスカットが実行されて証拠金を失うことになります。
【ロスカット:50%の場合】
相場が105円となった時点で、含み損失▲5万円
→105円でロスカット
【XMの場合】
相場が100円になった時点で、含み損失▲10万円
→100円でロスカット
ゼロカットのデメリット
ゼロカットに、トレーダーにとってのデメリットはないという考えを持つ方もいます。
しかし、初心者の場合はしっかりと内容を理解しておかないと、
大きなリスクを背負ったトレードは危険です。
自分でしっかり口座を管理できる能力がないと、
ゼロカットを採用した海外FX会社を利用することは逆に危険で大きなリスクを抱えているといえます。
- 資金を使い切るリスク
- 取引の透明性が低い場合がある
- スプレッドが広く設定されている会社が多い
資金を使い切るリスク
ゼロカットがあるからといって、
安心して博打的なトレードを繰り返すことはおすすめできません。
確かに証拠金以上の損失が発生することはありませんが、
資金が損なわれていることは事実です。
ゼロカットが採用されているからといって安心するのではなく、
相場分析をしっかりと行なって根拠のあるトレードをする中でゼロカットのメリットを生かすことが重要です。
取引の透明性が低い場合がある
ゼロカットは、トレーダーにとっては証拠金以上の損失を負担することがない安心の制度ですが、その分FX会社側にとっては損失のリスクがあることになります。
それでも収益を確保するためには、
別の手法で利益を確保している可能性があります。
通常、海外FX会社はNDD方式といって、
トレーダーの注文をそのままインターバンクに流す方式を採用していますが、
中には相対取引を用いてトレーダーの注文をインターバンクに流さず、
いわゆる「呑み行為」が行える環境にあるFX会社もあります。
呑み行為とは?
トレーダーから受領した注文を、
インターバンク市場に流さずFX会社側で留めてしまう行為のこと
相対取引自体がトレーダーにとっての損失につながることはありませんが、
FX会社側の処理に透明性が損なわれ、信頼性が下がることになります。
その点、XMなら確実にNDD方式を採用しているので、
透明性が高いトレードを進めることができます。
スプレッドが広く設定されている会社が多い
ゼロカットを採用する海外FX会社の多くが、
買いと売りの相場の差であるスプレッドを広く設定しています。
スプレッドは、実質的にFX会社側が収受できる手数料収入となるため、
ゼロカットで発生する損失をカバーして収益を確保する目的で
スプレッドを広く設定するのです。
ただ、海外FX会社のすべてがスプレッドを広くしているわけではありません。
XMのZERO口座なら、かなり狭いスプレッドが設定されているので、
トレードがしやすくおすすめです。
まとめ
ここまで海外FXにおけるゼロカットについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- ゼロカットはトレーダーの損失幅を限定してくれる
- ゼロカットにはルールがあるのでしっかり把握すべし
- ロスカット発生を遅らせるメリット
- 資金を使い切ってしまうリスクもあり
- 内容を理解して信頼できるFX会社を選ぶことが重要
ゼロカットには、メリットもあればデメリットもあります。
ただ、きちんと内容を理解して、なおかつ信頼できるFX会社を選定することができれば、トレーダーにとってはメリットの方が大きい制度だと考えられます。
海外FXの中でも、日本の国税庁から認可を得ており、スプレッドの設定も比較的狭く、しっかりとゼロカットが機能する海外FX会社を選びましょう。