FXの取引手法の一つに、「ピラミッディング」という手法があります。
大きな利益を狙える注目の手法ですが、初心者が実行するには危険な側面もあり、注意が必要です。
この記事では、ピラミッディング手法のメリットや注意点について紹介をします。
ピラミッディングとは?
数あるFXの手法の中で、『ピラミッディング』とはどんな手法でしょうか。
ピラミッドを連想させる言葉の通り、
積み重ねていくトレード手法になります。
ピラミッディングとは?
ポジションを積み重ねていくトレード手法
減少・定量・増加など、様々な積み重ね方がある
どんなトレード手法にもメリットがあればデメリットもあります。
ピラミッディングにおいても同様に、大きな利益を狙いやすい手法ではありますが注意して活用しないと思わぬ損失を被ってしまう危険もある手法になります。
十分に特徴を理解し、正しく利用できるようにしましょう。
ポジションを上乗せしていく
ピラミッディングとは、
予想した相場変動が発生した時に、さらにポジションを上乗せしていく方式です。
予想した相場変動時にさらにポジションを上乗せ=ピラミッディング
例えば、
相場の上昇を予想して買いポジションを保有し、
予想通り相場が上昇したことを確認したのちに
さらに追加で買いポジションを積み上げます。
下落相場でも同様に
売りポジションを加えていくのもピラミッディング手法と呼びます。
利益が出ている相場の動静を確認してから、
さらに利益を伸ばすためにポジションを増やしていく手法になります。
ポジションの増やし方には様々な特徴があり、
その選択によってその後のリスク許容度や決済の考え方が変わってきます。
代表的なポジションの積み上げ方を以下に3種類紹介します。
- 減少型ピラミッティング
- 定量型ピラミッティング
- 増加型ピラミッティング
それではそれぞれについて解説してきます。
減少型ピラミッティング
減少型ピラミッティングとは、
上乗せして保有するポジションのボリュームを徐々に減らしていく手法です。
減少型ピラミッティングとは?
上乗せして保有するポジションのボリュームを徐々に減らしていく手法
買い増しするポジションを徐々に減らしていく手法、とも言えます。
例えば、
相場が上昇することを予想して、
最初に10ロットの買いポジションを持ったとします。
そのまま予想通りに相場が上昇し、
追加で買いポジションを購入しますが、
その際には5ロットと最初のロット数よりも少なく注文します。
さらに上昇が続き、さらなる上乗せポジションを購入する際には、
2ロットにするといった要領になります。
減少型ピラミッティングでは、
保有する全体のポジションの平均レートが高くなりすぎないようにすることができ、
リスクを高くしすぎず比較的安全なトレードを展開することができます。
定量型ピラミッティング
定量型ピラミッティングは、
最初に保有したポジションのボリュームと同等のポジションを積み上げていく方式になります。
定量型ピラミッティングとは? 最初に保有したポジションのボリュームと同等のポジションを積み上げていく方式
例えば、下落の相場を予想して5ロットの売りポジションを保有したとします。
予想通り相場が下がったところを確認してから、同じく追加で5ロットの売りポジションを保有します。さらに相場が下がったとしたら、さらに5ロットの追加を行なうといった方式です。
単純でわかりやすいですが、
減少型に比べるとリスクがかなり高くなってしまうので、
相場が反転した際には早めに決済を実行するなど初心者には難しい手法といえるかもしれません。
増加型ピラミッティング
増加型ピラミッティングとは、上乗せするポジションのボリュームを大きくしていく方式です。
増加型ピラミッティングとは?
上乗せするポジションのボリュームを大きくしていく方式
例えば、
上昇相場を予想して最初に3ロットの買いポジションを持ったとします。
予想通り相場が上昇したことを確認してから、
5ロットの追加買いポジションを持ちます。
さらに上昇したことが確認出来たら、
7ロットのポジションを追加購入するなど、
どんどんポジションを増やしていく手法になります。
よほど明瞭で力強いトレンドが起こった場合には、非常に高い利回りを獲得できる手法です。
しかし、少しの相場反転で大きな損失を生んでしまいかねない、
大きなリスクをはらんだ難しい手法ですので、
初心者の方には向かないピラミッディングです。
ピラミッディングのメリット
ピラミッディングトレードにはどんなメリットがあるのでしょうか。
まさにハイリスクハイリターンの手法であるピラミッディング手法をメインに実行しているトレーダーの方は、それほど多くありませんが、大きな利益を獲得できた方がいることも事実です。
どんなトレード手法にもメリットとデメリットがあるので、総合的に判断をして自分に合っているトレード手法かどうかをよく考えながら、
FXトレードを継続していけるようにしましょう。
損切り額を減らせる(第一エントリーのボリュームを抑える場合)
それではそれぞれのメリットについて解説していきます。
トレンド相場の時に大きな利益が稼げる
ピラミッディングトレードをトレンド相場の時に採用することができれば、
相当大きな利益を獲得できるチャンスとなります。
強い上昇トレンドが継続するような場面で買いポジションを積み上げていくことができれば、これほど大きな利益を獲得できるケースはありません。
下落相場のトレンドでも同様に売りポジションを積み重ねることで
高い利回りを実現できます。
強い上昇トレンド継続→買いポジションを積み重ねる
下落相場トレンド継続→売りポジションを積み重ねる
ただ、FXの相場は常にトレンド相場であり続けることはあり得ません。
いずれは相場の反転あるいはレンジ相場への切り替わりのタイミングがあります
その辺りを心得ておきましょう。
タイミングを見極める知識と経験がないと大変危険
損切り額を減らせる(第一エントリーのボリュームを抑える場合)
ピラミッディングトレードには、利用方法によっては損切り額を抑える効果があります。
ピラミッディングトレードを実行する考え方は以下になります。
- 最初のエントリー:様子見
- 相場が予想通りの動き:ポジションを積み上げ
- 相場が予想に反する動き:早めに損切り
損切りは早めにして、儲けられるときに大きく儲ける、
いわゆる損小利大の考え方に適合したトレード手法として用いる方も少なくありません。
この考え方の場合は損切り額を少額に抑えられて、
安全なトレードにつなげられるというのは大きなメリットです。
ピラミッディングのデメリット
ピラミッディングトレードのメリットを紹介しましたが、反してデメリットも存在します。
ピラミッディングトレードは初心者の方にはリスクが大きすぎて難しいといわざるを得ません。
相場を読む力がなく、判断を早くできないと一気に大きな損失を計上してしまう危険のあるハイリスクハイリターンの手法です。
急な相場変動で大きな損失を被る可能性
ピラミッディングトレードの手法を活用する際にはデメリットも十分に理解して、それに対応できる自信をつけてから実行することをおすすめします。
まとまった資金が必要になる
ピラミッディングトレードを実行するには、まとまった資金が必要になります。
ポジションを買い増していくことになるので、資金が十分にないと証拠金不足になりポジションを増やしていくことはできません。
特にレバレッジを高く設定することができない日本国内のFX業者の場合は、
ピラミッディングトレードを効率よく実行するためには潤沢な資金が必要不可欠となります。
無理に少ない資金でピラミッディングトレードに臨むと、
少しのレート反転ですぐにロスカットの危険があるので、おすすめできません。
少資金 = すぐにロスカットの危険
日本国内のFX業者でピラミッディングトレードを実践するためには
まとまった資金を用意する必要があります。
急激な相場変動で大きな損失を被る可能性
ピラミッディングトレードは、ポジションをどんどん積み増していくことになるので、
保有ロット数が大きくなってしまいます。
そのため、急激な相場反転の際に大きな損失が発生する危険があります。
FXの外国為替相場は、突然一時的に相場が大きく動くことも珍しくありません。
また、土曜日曜は基本的にトレードはできませんが、
その間に為替相場に影響を与える重大な事件などが起こった時、
翌週月曜日の最初の相場で異常なほど急変することが起こりえます。
その際起こった相場変動により、予想外の大きな損失を抱えてしまう危険があります。
ロスカットだけでなく、場合によっては追加で証拠金投入を強いられる追証の危険もはらんでいることを理解しておく必要があります。
ピラミッディング手法を利用する際の注意点
ピラミッディング手法を利用する際には、
リスクが大いに含まれていることを理解しながらトレードをすることが必要になります。
ポジションをたくさん保有していく手法になるので、
相場が反転して損失が発生する相場局面になった時にどのような対応を取るのかが非常に重要になります。
むしろ、ピラミッディングトレードでうまくいっているときには心配することは少ないですが、相場が反転するタイミングを見極め、うまく切り抜けられるかがポイントになります。
決済のタイミングが難しい
ピラミッディングトレードが初心者には難しいポイントとしては、決済のタイミングがあげられます。
予想通り相場がトレンドに乗っている間は問題ありませんが、いずれトレンドには終わりが来ます。
そのときにいかに素早く判断をしてポジションを決済することができるかポイントです。
利益がどんどん伸びている中、トレンドの転換点を見極めることはとても難しいです。
もっと高額の利益が獲得できるのではないかと欲が出てしまう方も少なくありません。
ピラミッディングトレードで最も難しいのは決済のタイミングです。
トレーリングの採用がおすすめ
ピラミッディングトレードに適した決済方法があります。
『トレーリングス』と呼ばれる方法です。
トレーリングストップとは?
自動決済の注文方法の1つ。
現在のレートから所定の幅でストップ決済レートが変動するもの
FX会社によっては単に『トレール注文』という名称で利用されていることも多いです。
この方法は、全ての業者で利用できる方法ではないため、
利用したい場合は実装している国内業者を選びましょう。
これは、損切りの手法の一種で、
相場の上昇に伴って自動的に損切りのレートも上昇していくというものです。
例)
通貨ペア:USD/JPY
買いポジションを100円で保有。
損切り設定:0.5のトレール
相場が上昇して105円に達した場合・・・
損切りレートが伴って上昇し、
104.50となります。
ピラミッディングトレードにおいて、
自動的に損切りポイントが相場の上昇に応じて変化していくのは、
リスクを最小限に抑える効果があり、大変相性が良いです。
ピラミッディングに海外FXが適している理由
ピラミッディングトレードにはいくつかのデメリットがありますが、海外FX会社を利用することでピラミッディングトレードのデメリットを軽減することができます。
もしピラミッディングトレードをメインにFXトレードを展開していきたいと考えるなら、海外FX業者を利用することを選択肢に入れて考えてみることをおすすめします。
高レバレッジにより少額資金でも対応可能
海外FX会社では、日本のFX会社で適用されているようなレバレッジ規制がないため、
高いレバレッジを生かしたトレードを展開することができます。
このため、ピラミッディングトレードを展開する際にネックとなる潤沢な資金力も、海外FX会社を利用すると解消することができます。
しかも、海外FX会社特有のボーナス制度を活用すれば、少ない自己資金でも十分に高額のFXトレードを展開することができます。
ピラミッディングトレードも、
海外FX会社なら限られた資金でも十分に実践することができます。
ゼロカットシステムにより追証が発生しない
海外FX会社の特徴として、ゼロカットシステムがあげられます。
ゼロカットとは?
急激な相場変動によりロスカットの水準を下回った部分の過剰な損失を
トレーダーではなくFX会社側が負担するサービス(海外FX限定)
ゼロカットシステムは海外FX会社限定のサービスです。
日本国内FX会社との主な違いは以下になります。
急激な相場変動が起こってロスカット以上の損失が発生してしまった際に
追加で証拠金を請求されることがありえる
ロスカット以上の損失はFX業者側の負担となっており、
トレーダー側に追加で証拠金請求が来ることはない
ゼロカットシステムがあれば、
損失金額は証拠金部分のみに限定されるので、
最大限にレバレッジを効かせた思い切ったトレードを展開することも可能です。
まとめ
ここまでピラミッディングについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ピラミッディング手法は、ハイリスクハイリターンで難しい手法ではありますが、
大きな利益を獲得できる可能性を秘めた魅力的なトレード手法です。
海外FX会社を利用することで
ピラミッディングトレードのデメリットの一部を解消できるので、
ピラミッディングトレードを実行する場合は海外FX会社の活用も含めて検討してみてください。