FXでは、レバレッジの活用によっては非常に高額の資金を扱うことになります。
大きな損益のかかるトレードをしていると、
メンタル崩壊が起こってしまう方も少なくありません。
この記事では、
メンタルを平静に保って、安定したトレードを継続するために重要となる、
損切りを始めとしたルール設定について解説します。
FXのメンタル崩壊の要因とは
FXは数ある投資商品の中でも世界中で利用者の多い人気の投資商品です。
レバレッジを利用した資産効率の良さが人気のポイントになっていますが、
取扱のボリュームが大きくなることにより、
精神的な平静を保つことができず、
メンタル崩壊を起こしてしまう方が数多くいるのも事実です。
そのままFXトレードから退場してしまう方や、
逆に身の丈に合わないハイリスクなトレードに走ってしまう方など、
メンタル崩壊の後には悪い結末しかありません。
FXトレードにおいて
メンタル崩壊を招いてしまう要因とはどんなものがあるのでしょうか。
精神的な強さは人それぞれ異なるので
メンタル崩壊の要因も一人一人違います。
負けトレードが連続する
含み損失が拡大していく
一般的に上記2点はよく見受けられる要因です。
それぞれについて紹介します。
負けトレードが連続する
FXトレードでは、ポジションを保有した後の相場変動により
利益あるいは損失の金額が算出されます。
ならば、無作為にトレードをすれば、
勝ちと負けの割合が同程度になってしかるべきなので、
最低でも5割の勝率は確保できるのではないかと考える方が、
特に初心者に多く見受けられます。
しかし、FXはそう単純に勝率を決められるものではありません。
実際のトレードでは、
負けトレードを連続して経験してしまうことも起こりえます。
予想が外れること(=負け)に精神的耐性がない場合・・・
負けトレードが続くと、
精神的に耐えられずメンタル崩壊を招いてしまう恐れあり
FXでは、どんな予想しやすいと思われる相場局面でも
予想外の動きが起こって負けてしまう可能性があります。
負けることに対する慣れの気持ちを持つことはとても重要です。
含み損失が拡大していく
FXトレードで利用する外国為替相場は、日々刻々と変動します。
状況によっては予想と反対の方向に急激な動きを見せることもあります。
例)
買いポジション保有
予想:相場上昇を期待
実際:相場が急変して一方的に下落
→含み損が急速に拡大
FXトレードでは、
状況によって損切りを使いこなしていく必要があります。
損切りとは?
想定以上の損失を発生させないように、
ポジションを早めに決済して損失額を限定する手法
しかし、損切りを実行せずどんどん相場が悪転していくと、
含み損がどんどん積みあがっていきます。
場合によってはロスカットが実行され、
証拠金を大きく損なってしまう恐れもあります。
このような状況になった時に、
冷静でいられなくなってメンタルが崩壊してしまうケースが多くなります。
メンタルが弱い人のトレード傾向
人によってメンタルの強さには違いがあります。
FXトレードにおいて、同じような状況になったとしても、
メンタルの強い人と弱い人で、トレードの仕方は大きく変わってきます。
FXにおいては、
どんな状況になっても一貫して冷静でいることが重要です。
精神的に揺らいでいてはFXトレードで成功することはできません。
メンタルが弱い人が行ないやすい
トレード上のクセ、傾向について解説をします。
代表例として4つの行動傾向が挙げられます。
- 損切りができない
- 利確が早すぎる
- 周りの情報に影響を受けすぎる
- 負けトレードを取り返すためリスクの高いトレードをする
自分のトレードを振り返って、
同じようなトレードをしていないか反省してみることをおすすめします。
損切りができない
損切りは、FXにおいてリスクを限定的にする非常に有効で重要な手法です。
予想と反対の相場変動を見せた時に、
保有するポジションが損失となっている状態で決済をして、
それ以上の損失の発生を抑えるトレード手法です。
自分の手で損失を確定させることに抵抗を感じ、
なかなか損切りができないというケースも多いです。
特にFX初心者にとっては、
FXトレードを始めて最初に差し掛かる壁ともいわれます。
損を決定しない・・・
時間が経てば相場が好転するのではないかという
根拠のない期待を捨てきない
→ポジションを持ち続けた結果、
含み損が膨らみ大損失を抱えてしまう
含み損を持ち続けることで、
次に起こったトレードチャンスにおいて、
口座の余裕がなくトレードできずにチャンスを逃してしまうというリスクもあります。
損切りをためらわず、早めに実行すれば、
大きすぎる含み損を抱えてメンタルが追い込まれる状態を回避できます。
利確が早すぎる
損切りができない一方で、
逆に含み利益が発生した時には早く利確をしてしまうのも、
メンタルの弱い方に見られる特徴です。
相場が予想の方向に少し動き、
小さな含み利益が生まれたとします。
小さな利益であっても、
その後にもし相場が悪転して逆に含み損失となってしまうのが怖くて、
少額でもいいので利益を確定させる決済注文を行なってしまう処理になります。
FXは、「損は小さく利益は大きく」という原則があります。
負けトレードの時→できるだけ損失を少額に食い止める
という考え方があります。
メンタルが弱い方は、損切りができず利確を早くしすぎるという、
原則と完全に逆のトレードをしてしまいがちです。
周りの情報に影響を受けすぎる
FXに関する情報は、
インターネットを介して簡単に手に入れることができるようになりました。
また、書店でもたくさんの種類のFXトレード解説書が販売されています。
おすすめの分析手法や、
エントリーシグナルの見つけ方などの情報もあらゆる情報源から入手できます。
しかし、メンタルが弱い人は、
このような豊富な情報に影響を受け、
周りがおすすめだと言っているものを検証することなく試したくなります。
新しい分析手法を試すこと自体は悪いことではありませんが、
最初に決めた分析手法を継続して利用し、
結果を検証するといった対応が必要です。
周りに目移りしてしまい、色々試してしまうのは、
FXトレードにおいては良いことではありません。
負けトレードを取り返すためリスクの高いトレードをする
FXトレードは、どんなに経験のあるプロトレーダーでも負けることはあります。
トレード経験者の場合は負けトレードを冷静に受け止め、
次の機会に臨めるところですが、
メンタルの弱い初心者トレーダーの場合は、冷静になれないケースがあります。
次のトレードで被った損失を取り返したい・・・
トレードするポジションの量を増やすなど、
高いリスクのあるトレードをしてしまう
→結果、損失がさらに膨らむことも
FXを安定して行なうためには、
高すぎるレバレッジをかけて一攫千金を狙うのはおすすめできません。
外国為替は予想外の動きをすることも頻繁にありますので、
負けることもあります。
負けたとしても次のトレードで一気に取り返そうとせず、
少しずつ勝率を高めていく根気強さが大事になります。
メンタル崩壊を起こさないためのポイント
メンタルの弱い方がFXによってメンタル崩壊の状態にならないようにするためには、
どうすればいいのでしょうか。
どんなに経験を積んだとしても、損失を被るのはやはり悲しいものです。
しかし、考え方次第で誰でも常に冷静にFXトレードに臨めるようになります。
気持ちの維持の仕方は人それぞれですが、
FXトレードでメンタルを保つためにおすすめできる一般的な考え方を
以下に4項目紹介します。
- トレードにおけるルールを決め順守する
- 勝っても負けても感情的にならない
- デモトレードや少額の資金で経験を積む
- 上手くいかないときはトレードをしない
それではそれぞれについて解説していきます。
トレードにおけるルールを決め順守する
FXトレードに臨む際には、必ずルールを決めましょう。
- エントリー時のルール
- 保有できる最大ポジション数におけるルール
- 損切りのルール
- 利益確定をする際のルール
など、あらゆるポイントで考えられるべきルールがあります。
ただ、いきなりあらゆるポイントにおけるルールを決めるといっても
難しいと感じる方が多いかもしれません。
まずは2つか3つ程度のルールを決め、順守するということを徹底してみましょう。
エントリーはゴールデンクロス・デッドクロスを確認してからにする、
損切りはエントリーから30Pipsの水準にするなど、
エントリーと損切だけでもきちんと決めておけば、トレードが安定してきます。
勝っても負けても感情的にならない
FXトレードをする際には、
常に冷静な心理状態を維持するべきです。
トレードに勝っても負けても一喜一憂しない人=末永くFXと付き合える人
です。
最初に決めたルールに沿って淡々とエントリーと決済を繰り返すのみで、
そこに感情が入り込む余地はない、と考えるようにしましょう。
とはいえ損切りのような自分で損失を確定する処理は
抵抗を感じる方も多いかもしれません。
FXでは、あらかじめ指定したレートに達したら
自動で決済が実行される『逆指値注文』という方法があるので、
自分で損切りをするのが苦手な方は、ぜひ活用しましょう。
負けても影響が少ない余剰資金でトレードする
買っても負けても冷静な状態を維持するためには、
仮に負けたとしても
生活に影響がない余剰資金でトレードをする
ことをおすすめします。
生活を送るために必要な資金をFXに投入していては、
どんな人でも冷静な判断ができるはずがありません。
負けて失ってもそれほど自分の財布とメンタルに影響のない余剰の資金でトレードすることで、勝ち負けに感情がとらわれず、
常に冷静かつ第三者的な視点でトレードに臨めます。
極論ですが、投入資金をゲームに参加するためのメダル程度の感覚で
トレードに臨めれば、冷静な状態を保ちつつFXというゲームを純粋に楽しめるでしょう。
デモトレードや少額の資金で経験を積む
FX初心者の方で、
FXを始めていきなり高額のトレードに挑戦してしまう方も少なくありません。
しかしこれは非常に危険な行為です。
経験を積んで、トレードのどんなところにリスクがあるのか、
しっかりと経験したうえでリスクのあるトレードに臨むべきです。
FXトレードの経験を積む際には・・・
FX会社の多くが提供する『デモトレード』を利用
ごく少額の資金でトレードに挑戦
などの方法がおすすめ◎
デモトレードといえども、
本番と同様のシステムと相場を利用できるので、
本番の感覚を実体験することが可能です。
また、FX会社の中には
数百円程度の資金でトレードに挑戦できるような設定のできるところもあります。
まずはデモトレードや少額の本番トレードで経験を積み、
しっかりとリスク管理ができるようになってから
トレードするポジション数を増やしていきましょう。
上手くいかないときはトレードをしない
外国為替相場は、時に予想外の動きをするものです。
どんなに相場の研究をして優れた分析手法を用いたとしても、
うまくいかないことや負けが続いてしまうこともあります。
何をしてもうまくいかないと感じるときには、
思い切ってトレードをいったん中断してしまうのも
気持ちを落ち着かせる有効な手段です。
プロのトレーダーと違って、
通常の兼業トレーダーは無理にトレードをする必要はありません。
いったん外国為替相場から離れてみると、
冷静に自分の過去のトレードを頭の中で整理できることもあります。
メンタルを平静に保つため、様々な対策を試してみましょう。
まとめ
以上、FXにおいてメンタル崩壊が起こりやすいことと、
損切りをはじめとしたメンタルを平静に保つための方法について紹介をしました。
FXトレードは、常に冷静にメンタルを維持しないと、
思わぬ大きな損失を被ってしまう恐れもあります。
損切りポイントなど、自分の中で決めたトレードルールをしっかりと守り、
リラックスした状態を継続してトレードを行いましょう。