FXお役立ち情報

海外FX初心者に教えたい損切りの考え方とは?損切りをやらないと危険なの?

FX取引において「損切りはしたほうがいい」という意見が多くありますが、
損切りをしないと本当に危険なのでしょうか。

今回は、損切りをしない場合のリスクや、
スムーズに損切りするための売買注文などを解説しますので、
FX取引時の参考にしてください。

FXで損が発生する仕組みとは

FXにおける損切りの重要性を理解するためには、
まずFX取引の中で損失が発生する仕組みを理解しておくことは大切なことです。

損切りとは?
早めに損失を確定させること

早めに損失を確定させるという『損切り』は、初心者にとっては理解しづらい手法かもしれません。

しかし
FXにおける損失発生リスクを理解すれば、
損切りがいかに重要なのかが理解しやすくなります

FX初心者の多くの方が、
損切りに対して抵抗感を感じがちですので、
まずは損失発生の仕組みを理解してリスクの大きさに対する警戒心を持ちましょう。

ポジションと反対の相場変動が起こると発生

FXにおける損失発生とは、
保有しているポジションと反対方向に相場が変動することが要因になります。

FX取引がはらんでいる大きなリスクがここにあります。

すなわち

反対方向へ際限なく動いて、損失が果てしなく拡大するリスクを持っている

ことになります。

例)
USD/JPYの買いポジション
相場110で1000米ドル分保有

→相場が反対に動き105になった場合
▲5×1000=5,000円で
マイナス5,000円の損失を含みます

→この時点で対処せず、
さらに相場が下がり100になった場合
▲10×1,000=10,000円で
マイナス10,000円の損失となります

つまり、損切りをしない事で
5000円の損失拡大当初より2倍の損失額

このように損切りをせずにポジションを持ち続けていると、
相場の動き次第で損失が際限なく膨らんでいくことになります。

為替相場は予想通りに動かないことが多い

FXを利用するほとんどの方が、チャートや各種分析を用いて将来の相場予想をした上で売買を行いますが、為替相場は予想通りに動かないことが多いのが現実です。

その理由は解明が難しいですが、相場は何かの理由があって動くのではなく、需要と供給のバランスによって動くことも一つの要因です。

例)
「アメリカが政策金利を大きく引き上げた」というニュース報道
通常はドル高の方向に動くはず
※アメリカドルの価値が上がると見込まれるため

しかし同時にアメリカドル売りの膨大な額の取引が起こった場合
逆にドル安の方向に動くことも

為替相場は、予想外の動きをする可能性を十分に持っているということをしっかりと理解しておきましょう。

為替相場は、予想外の動きをする事を忘れずに

FXで損切りをしない場合のデメリット

FX取引において、損切りをしないとどんなデメリットがあるのでしょうか。

特に初心者の方は、
損切りをするのが難しいと感じる方が多いといわれています。

損切をするのが苦手な方は、
損切りをしない場合のデメリットをしっかりと理解しておくことをおすすめします。

こちらでは、含み損失を抱えながらも
損切りをしない場合の代表的なデメリットを4つ解説します。

含み損を抱えてストレスになり他のことが手につかなくなる

含み損を抱えていると、
損失が今後拡大するのか縮小するのかと心配になりストレスとして常に脳裏から離れず、
他のことが手につかず集中することができなくなる事があります。

確定していないとはいえ、
含み損失が拡大するのは誰でも恐怖を感じるためです。

含み損失を放置しておくと、他に集中できなくなってしまう

FXを専業にしている方は少なく、
多くの方が本業を持ちながらその傍らでFXを行なっています。

含み損失を含んだポジションを保有し続けると、
どうしても気になってしまって本業である仕事に集中できなくなってしまいます。

強制ロスカットへの恐怖心

FXにおいて最も恐ろしいのが、強制ロスカットです。
投資資金を証拠金として投入して証拠金取引を行うFXにおいて、一定の保証金率を下回り、証拠金がすべて失われてしまうのがロスカットです。

ロスカットとは?
含み損が一定の証拠金率にまで下がったとき、
強制的にポジション決済されて損失が確定される制度

含み損失を持ったポジションを持ち続けていると、
相場の動きが気になって、ロスカットに達してしまわないかと常に恐怖心に駆られてしまいます。

いずれは相場が好転するだろうと
含み損失を持ったポジションを持ち続けることで、
余計に相場が悪くなってロスカットが近づいてくると、より恐怖心が膨らんできます

ロスカットが発生する危険性を意識しながら生活するのは大きなストレスになります。

次のトレードの機会を失う

FXの最大の特徴である証拠金取引は、
証拠金率が所定の数値を下回っていると
新しい売買トレードをすることができなくなります。

証拠金取引=証拠金率が所定の数値を下回ると新しい売買トレード不可

含み損失は、証拠金率を下げることにつながるので、
含み損失を抱えたままだと、新しい売買注文を出すときの妨げになることが多くなります。

例えば、得意としているテクニカル分析において、
相場が上昇するシグナルを明確に発見できたとします。

利益を生む取引ができる可能性が非常に高いのに、
含み損失を抱えているせいで証拠金率が低くなってしまい、
新しい売買注文ができなくなることがあります。

含み損失を抱えることで、
将来のトレード機会を失ってしまう、機会損失のリスクが考えられます。

含み損を抱えることで、将来のトレード機会を失ってしまうリスクがある

大きな損失確定になりやすい

損切りをしないと、損失を際限なく拡大させてしまうリスクが残ります

相場の変動次第では、
大きな損失を確定せざるを得なくなる事態に陥るリスクをはらんでいることになります。

為替相場に絶対はなく、相場がどんどん予想と反対の方向に動くこともありえます。

際限なく損失が生まれる危険性が否定できないので、

場合によっては
考えられない大きな損失を確定せざるを得ない状況になってしまうリスクがある
ことを理解しましょう。

損切りをしないメリットはある?

FXにおいて、損切りをしないことのメリットはあるのでしょうか。

一見メリットと思える事項はありますが、
俯瞰してみるとデメリットにつながっていることが多いので、
注意が必要です。

FXトレードの考え方は人それぞれで、
損切りに関しても様々な考え方がありますが、
メリットとデメリットを十分に理解して、
リスクを十分に把握したうえで取引を展開するようにしましょう。

口座残高は減らない(含み損が膨らんでいる状態)

FX取引をする際に、
事前に一定の証拠金をFX専用口座に入金する必要があります。

損失が確定すると、
この証拠金として入金している口座残高が減少していくことになりますが、
損切をせず含み損のまま保有している段階では、口座残高は減少しません

FX取引画面でも口座残高は常に表示されていて、
これが減少しないので、心理的な安心感につながるという考え方があります。

しかし含み損が存在していることを忘れてはいけません

含み損は、損失が確定していないので
今後相場が転換して損失が減少あるいは利益に反転する可能性がありますが、
相場が動かない、
あるいはさらに悪い方向に動いて自体が好転しない、
あるいはさらに悪化するリスクを含んでいます。

口座残高が減っていないことだけで安心するのは非常に危険

損失確定ではない安心感(損失確定を先に延ばしている)

FX初心者の多くが、損失を確定させることに抵抗感を感じ、
含み損のあるポジションがあっても決済できずにそのままにしてしまう傾向があります。

しかし、
そのまま含み損が膨らんでしまえば、損失が拡大されていってしまいます

先ほどと同じ事ですが、損失がまだ確定されていない、という状態は
その瞬間は安心できるかもしれませんが、
長い目で見ると

損失確定を先に延ばしている状態=損失拡大の可能性

という事になります。

 

FXで損しやすい人とはどんな人?

FXにかかわらず投資取引を継続して行なうためには投資に適した考えを持つことが必要です。

FXで損を大きな損失を生みやすい方、
成功しづらい方の性質にはいくつかの共通点があります。
投資はギャンブルではなく、
リスクを抑えながら安定的に利益を生んでいくことで長く継続した取引が可能になります。

FXで損しやすい人

客観的に相場を見られない人
「お買い得」が好きな人
負けを認めるのが苦手な人
早めに利益確定をしたがる人
情報に振り回されてしまう人

それぞれについて解説していきます。

安定して投資取引を行ないたいと考えている方は、
投資に向いた考え方を持つようにしましょう。

客観的に相場を見られない人

為替相場は、過去のパターンから将来の予想をすることができますが、
必ずしもパターン通りに動くとは限らず、
想定外の値動きを見せることも少なくありません。

取引当初に考えた予想と反対に相場が動いても、
いずれ予想通りの動きに戻ると過信して、
損失を抱えたままポジションを持ち続ける

為替相場は予想通り動くとは限らず、
客観的に見て予想が外れたら相応の対応をしないといけません。

客観的に為替相場を俯瞰して、
もはや当初に予想した相場に戻ることはないと判断した場合は、
自分の予想は外れたと納得して早めの対処を取れる方が投資に向いています。

「お買い得」が好きな人

為替相場は上下動を繰り返しています。

欲しいポジションが一時的に「お買い得」になった時に
衝動的に売買を行なってしまうケースが初心者に多いです。

しかしこれは損失を計上してしまう危険な取引です。

例えば、どんどん相場が上昇している通貨ペアがあったとします。

ある日、前日の相場よりも一時的に少し相場が下がったところを見て、
安くなったのでチャンスと考え、買いポジションを持ちます。

「押し目買い」という一つの手法ではありますが、
相場の転換点となり相場が下がっていくポイントである可能性が高い状況です。

相場がどんどん下がっていき損失を計上してしまうかもしれません。

「お買い得」だからと衝動的に売買を行うのは、FXにおいて危険

負けを認めるのが苦手な人

自分の予想した相場とは反対の値動きになることは頻繁にあることです。

その時に、自分の予想が外れたと考えたくなく、
そのまま損失を抱えてしまう方がいます。

このような、
負けを認めるのが苦手な人は、FXで大きな損失を被ってしまう危険があると言えます

相場は予想通り動くとは限らず、
損が発生する可能性があることを素直に納得しないといけません。

プロのトレーダーでも、予想を外すことが少なからずあるのがFXの世界です。

プロになればなるほど
自分の予想が外れた時にはすぐにその取引が負けだと認め、早めに損切をします。

自分の負けを認めるのが苦手だと、投資の世界では失敗しやすい

早めに利益確定をしたがる人

ポジションを持っている中で、相場が想定していた方向に動いたとき、
早めに決済をして利益を確定してしまう方が初心者に多いです。

しかし、
早めの利益確定はFX取引においてはチャンスを損失する望ましくない取引とされています。

利益を大きく獲得できるチャンスを損失することになる取引であるためです。

売買を行なったときに想定したとおりに相場が動いたのであれば、
そのあとさらに利益が拡大するのを待つのがおすすめですが
せっかく手に入れた利益を失ってしまうと考え、
少額の利益で確定してしまうのは、大きな機会損失
です。

想定した相場の動きをしたとき、早めに利益確定をするのは望ましくない

情報に振り回される人

FXに関する情報は、
書籍やインターネットなど現在において様々な場所にあふれています。

人気の売買手法などに興味を取られ、
内容を理解しないままいろんな手法を試す方が初心者に多いですが、おすすめできません。

人気のある手法は試してみたくなりますが、

最初に決めた手法をしっかりと理解する
想定したとおりに何度か実践で試してみる

まずは上記2点を守ってトレードをしてみて、
それでもだめだと判断した場合に手法を変えるといった「ぶれない」考え方を取るべきです。

多種の情報に振り回されトレードするのは望ましくない

FXでやってはいけないこと

FXを本業でする方は多くなく、ほとんどの方が副業で実施するケースが多いです。
FXに固執するあまり、日常生活に影響が及ぶのは本末転倒です。
FX投資は長期的に安定してストレスなく実施することが理想的です

安定感のある投資手法としてFXを継続して利用するために、やってはいけないことの代表的なものをあげると下記のようなものがあります。

FXでやってはいけないこと

生活費をつぎ込んでしまう
本業をおろそかにする
キャッシュフローの管理をしない
無理に投資額を増やそうとする
損切・利益確定のポイントが不明確

それぞれについて解説していきます。

生活費をつぎ込んでしまう

FXは、余剰資金で行なうのが原則です。
しかし、大きな利益を求めるため、あるいは損失確定を防ぐために生活に必要な資金をつぎ込んでしまうことは絶対にやってはいけません。

例えば、大きな額のポジションを保有しているときに、含み損がかさんでしまいもう少しでロスカットになる恐れがあるケースを想定します。
証拠金を増やしてロスカットを防ぐために、食費や光熱費など生活に必要な資金を投入してしまうケースがありますが、絶対にやってはいけない取引です。

FXには余剰資金のみを活用し、生活費ときちんと区別して考えましょう

本業をおろそかにする

FXでポジションを持っている際に、相場の値動きが気になって本業が手につかなくなってしまう初心者の方が結構多いです。

本業をしている時間帯はFXのことはいったん頭から離して、
本業をおろそかにしてはいけません

例えば、本業を行なっている最中にFXの取引画面をパソコンで開いて相場チェックや売買注文を出すことは、
本業における就業規則を違反する行為となるケースが多いです。

FX取引のために本業をおろそかにすることは避けましょう

キャッシュフローの管理をしない

FX投資を始める前に、
まずいくらくらいの資金をFX投資に回せる余剰資金とできるか、
家計のキャッシュフローを整理しておきましょう。

FXに利用できる金額を把握しておけば、
資金面で不安なく取引に集中することができます

毎月の収入額に対し、
最低限必要な生活費の額を把握し、余剰で利用できる金額を把握しておきます。

家賃や食費、光熱水費や通信費、貯蓄に回す金額を集計し、
収入から差引きどれくらいの余剰があるのかを把握して、FXにつぎ込みましょう。

家計のキャッシュフローを整理しないままFXをしない

無理に投資額を増やそうとする

FX取引に慣れてきて、利益が獲得できる自信が付いてきたときに、
少しくらい投資額を増やしても大丈夫だろうと判断し、
生活費を切り崩して投資に回してしまうのは危険です。

為替相場は時に予想外の動きをするケースがあります。
自分の判断を過信して、思わぬ損失を被ってしまうことも考えられます。
当初決めた投資に活用できる余剰資金の枠は超えず、無理に投資額を増やさないことをおすすめします。

損切・利益確定のポイントが不明確

ポジションを持った後、そのポジションごとに決済するポイントを最初に決め、それに達したら淡々とルール通りに決済をすることがFXの鉄です。

ポジションごとに決済するポイントを決める
ポイントに達したら決めた通りに決済する

上記のルールを徹底して守ることがFXでの損失拡大防止になります。
利益と損失の範囲を定めておけば、想定以上の損失を被る心配がなく、安心して取引ができます。

例)
通貨ペア:USD/JPY
買いポジション:110 を持っている場合、

105になったら→損切り
113になったら→利確

という風に、最初に決めてしまうのがおすすめ◎

あらかじめ決めておかないと、相場が動いてもずるずるとポジションを持ち続けてしまい、大きな損失を生んでしまうリスクを持ち続けてしまいます。

ポジションを持ったら、決済するポイントを決めておく習慣をつけよう

FXで損切りするときにおすすめの売買注文方法

FXにおける損切りを実践する重要性は理解できたとしても、やはり損を確定するのは抵抗があるものです。
そこでおすすめしたいのが、指値を利用した便利な売買注文方法です。
所定の相場に達したら自動的に決済が実行されるので、抵抗を感じることなく機械的に決済を行うことができるおすすめの方法です。

こちらでは、損切りに適した注文方法を3つ紹介します。

損切りにオススメの売買注文方法
  1. ストップ注文
  2. IFD注文
  3. IFO注文

ストップ注文

ストップ注文とは?
保有しているポジションに対して実行できる決済注文

保有するポジションで発生する損失を限定することができる、
最もシンプルな損切り手法
です。

例えば、
USD/JPYのペアで110のレートで1000通貨のポジションを保有している場合、
108でストップ注文を出しておくことで、
△2×1000=2000円の損切りを設定することで、
それ以上の損失が起こるリスクを回避することができます。

ストップ注文は損切り注文を機械的に行なえるシンプルな注文方法

IFD注文

IFD注文とは?
新規の注文と、それに対する決済注文を同時に出すことができる手法

注文開始時点で新規指値注文と決済注文を同時に出すことができ、
相場を都度チェックする必要がなく便利な手法です。


例えば、
USD/JPYの新規買い注文を指値で110で出しておき、
同時に損切り目的で108のストップ注文を出すことができます。
新規注文を出すと同時に損切り設定ができるので、損切り注文を忘れる心配がなく安心です。

IFD注文で、注文時に損失リスクを限定することができる

IFO注文

IFO注文とは?
保有しているポジションに対する決済注文の手法
複数の指値注文を同時に出すことができる

利確と損切りの設定を同時に行なうことができ、
利益と損失の金額を同時に限定することができる便利な手法です。

例えば、
USD/JPYのペアを110円のレートで買いを1000通貨保有する場合、
利確用に113円、損切り用に108円の注文を同時に設定することができます。

利益額は3000円
損失額は2000円
と利益と損失を同時に制限することができ、リスク軽減に活用できます。

IFO注文を活用して利益と損失を同時に限定しよう

まとめ

ここまで、海外FX初心者に教えたい損切りの考え方に関して説明して来ましたがいかがでしょうか。

FXにおける売買・決済の考え方は人それぞれで、
中には損切りを極力行わないスタンスの方もいるのが事実です。

しかし、FX初心者の場合は、
損切りをしないまま含み損が膨らみ結果、損失が拡大してしまうという危険性が高いです。

まずは損切りの重要性をきちんと理解し、
FXは予想と違うことが起こることを前提としながら、きちんと損切りしましょう。