FXにおいて、損切りを実行することはとても重要です。
長期間FXを継続するために、
損失を限定することは大事なことです。
しかし、ただ早目に損切りをしていてはうまくいきません。
この記事では、
損切りの目安をどのように考えたらいいのか、解説をしていきます。
損切りとは?
そもそも損切りとはどんな処理でしょうか。
FX初心者の方々にとっては、
自身で損を確定させる行為に抵抗を感じることが多いといわれています。
損切りの意義とは、
損失を拡大させず、損を限定することにあります。
FXにおいては、相場の動き次第では際限なく損失が拡大していきます。
そのままロスカットの水準に達すると
証拠金が一気に損失として損なわれてしまう
→資金がなくなり、FXトレードを続けられなくなる
継続してFXトレードに取り組めるようにするため、
想定した反対の相場変動が起こった時には、
早目に損切りをして損失の拡大を防ぎ、次のトレードに臨むという姿勢が、
FXにおける基本中の基本とされています。
損切りなしで勝つことは可能?
損切りをせずにFXで一攫千金を果たした、
などという方の情報がインターネット上で公開されていることがあります。
損切りなしでも勝つことは可能なのでしょうか。
FXには絶対はなく、
トレード次第では損切りをしなくても
勝ちを納めたという方もいないというわけではありません。
しかし、それも一時的なものであって、
損切りせずずっと勝ち続けるというのはプロでも普通はあり得ないことです。
偶然うまくいったからと言って、
同じようなやり方でずっとうまくいく保証はありません。
FXに対する取り組み方には様々な考え方がありますが、
まずは基本である損切りの重要性を理解し、
安定感のあるトレードに臨むことをおすすめします。
「損切り貧乏」にならないように注意!
よく『損切り貧乏』という言葉が聞かれます。
損切り貧乏とは?
損切りを頻繁にしすぎて、
利益チャンスの場面でも早めに損切りをしてしまい
なかなか勝ちに結び付けることができない状態のこと
FX初心者の方で、
損切りを覚えた直後に陥りやすい状態です。
大きく損失を被る危険は少ないですが、
肝心の利益を伸ばしていくことができない状態に陥ってしまいます。
トレードを開始した時点で損切りラインを明確に決めて、
そのラインに達するまでは含み損が発生しても静観するという姿勢を持つことが重要で、
早く損切りをしたらいいというわけではありません。
無駄な損切りを減らす方法
損切りは、FXトレードを継続して楽しむ上で欠かせないことを紹介しましたが、
無駄に早すぎる損切りを繰り返していては利益を獲得することはできません。
無駄な損切りを減らして利益を狙いに行くときは
しっかりと狙えるトレードを展開したいところです。
無駄な損切りを減らすために、注意するべきポイントを紹介します。
- 他のトレーダーと同じ水準で設定しない
- 固定のPips数で設定しない
- 意味なく損切りラインを変えない
いずれも非常に実践的な事項となっており、
すぐにでもトレードの中で試せる内容となっています。
普段、損切りをしすぎてなかなか利益を伸ばせていないと感じている方は、
ぜひ試してみてください。
他のトレーダーと同じ水準で設定しない
無駄な損切りを減らすための方法の1つ目は、
他のトレーダーと同じ水準で損切り設定をしないことが挙げられます。
資金を潤沢に持つ大口トレーダーの手法の1つに、
注文がまとまって出されているラインに逆向きの注文を大量に出し、決済をさせるというものがあります。
瞬間的に相場が動くため、
その動きを利用して高額の利益を獲得しようとするトレード手法になります。
他の多くのトレーダーが設定する損切りラインは、
大口トレーダーの手法に狙われやすいポイントになる
→そのラインでの損切り設定を避けた方が良い
他のトレーダーの考えを気にしながら
損切りラインの設定をすることはとても意味があります。
キリのいい数字は注意
FX初心者が損切りラインを設定するときには、
キリのいいポイントで損切り設定をするケースがよくみられます。
自身で損切りのポイントを把握しやすいように、
キリのいい数字を設定するケースがよくみられますが、これはおすすめできません。
キリのいいポイントは、
多くのトレーダーが設定しがちな損切りライン
→大口トレーダーに狙われやすいポイントとなってしまう
キリのいいポイント付近で損切りが実行され、
そのあと再び値動きが戻るという悔しい思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
損切り設定をするときには、
キリのいい数字から少し外側に設定をするというのが一般的なおすすめの考え方です。
固定のPips数で設定しない
無駄な損切りを減らすための方法の2つ目は、
固定のPips数での損切り設定をしないことが挙げられます。
例えば、
エントリーをして保有するポジションのレートから
50Pipsのラインに損切りを設定するといった手法になります。
損切りのPipsを固定するやり方は、
一見リスク管理ができているように見られがちですが、
外国為替相場の傾向を考えると適切ではありません。
相場の状況によって、おすすめの損切りラインというのは変わってきます。
損切りを考えるうえで一般的なチャートパターンに、
レジスタンスラインやサポートラインがありますが、
現状の相場からの各ラインとの乖離は常に変動するもので、
一定のPips数で描かれることはありません。
その場その場の状況に合わせて
損切りラインを調整する方が相場の傾向から考えて理にかなっているといえます。
意味なく損切りラインを変えない
無駄な損切りを減らすための方法の3つ目は、
意味なく損切りラインを変更しないことが挙げられます。
特にFX初心者で見られる傾向ですが、
あらかじめ損切りの注文を入れていたにもかかわらず、
損を確定させることに抵抗を感じ、
設定した損切りラインから少し設定レートを変え損切り発生を避けるという手法です。
設定した損切りラインから設定レートを変える
→結果的に、損失拡大につながることも
損を確定させることは、だれしも抵抗があるものです。
しかし、当初の損切りラインを変えると損失が拡大してしまう恐れがあります。
当初エントリー時に設定した想定=冷静な判断の中で行われたもの
最初に立てた想定をもとにトレードを行い、結果を分析
通常の対処方法として、当初の想定から変えないことが重要です。
損を避けたいという一時の感情に基づいて設定を変更するというのはおすすめできません。
損切り変更の例①:ポジションを翌週に持ち越す
損切りラインをむやみに変更することはおすすめできないとするのが一般的ですが、
例外的に損切りラインを変更することが推奨されるケースもあります。
損切りラインの変更が推奨される場面の1つ目は、
金曜日の夜など、
ポジションを翌週に持ち越しするタイミング
です。
特に週末に相場に影響を及ぼしそうなイベントが控えているときには、
週明けに一気に相場が動き、損切りに達してしまうケースがあります。
翌週にポジションを持ち越すときには、
- 想定外の相場変動に備えて、損切りラインを調整する
- ポジションを一部決済して、持ち越すポジションを減らしておく
などの対処をして
リスクを限定しておくことをおすすめします。
損切り変更の例②:トレーリングストップ
損切りラインの変更が推奨される場面の2つ目は、
トレーリングストップを採用している
場合です。
トレーリングストップとは?
相場の変動に合わせて損切りラインも一緒に変更していく手法のこと
エントリーの後、相場が予想通りに動いて含み利益を積み増している状態の中、
損切り幅も相場と同じ方向に変更していく手法です。
決済注文でトレール注文を指定することができるFX会社も近年は多く、
一般的な手法とされています。
利益を伸ばしながら、
相場トレンドの反転が見られたときに早目に決済を行い、
利益を確保するという理にかなった損切りライン変更の事例となります。
損切りライン設定の目安
損切りラインを設定する目安とは、
状況によって異なるので一概に説明することは難しいですが、
やはりテクニカル分析やチャートパターンから判断をするのが一般的です。
ただ、
各種分析から読み取ることができる損切りラインに
ぴったりと損切り設定はお勧めできません。
前述のように、多くのトレーダーが設定するであろう損切りラインは、
大口トレーダーの標的にされやすいというリスクがあります。
分析手法から導き出される損切りポイントから
少し離すというのが常套手段となり推奨されています。
主要なサポート・レジスタンスラインの外側
損切りラインを考えるうえでの目安の1つ目は、
主要なサポートライン及びレジスタンスラインをベースに、
そこから少し離した箇所に設定する方法です。
サポートラインやレジスタンスラインは、
トレンドを生かしたトレードの中ではトレンドの転換点と考えられる要素です。
ライン上は、多くのトレーダーが損切り設定をしているケースが多いため、
そこから少し離して外側に設定するのが効果的です。
大口トレーダーの戦略からも逃れられるメリットがあり、推奨されています。
サポートラインやレジスタンスラインは、
損切りだけでなくエントリーのチャンスともとられトレードが集中しやすい
→相場が変動しやすい
少し外側に損切り設定をしておけば、
急激な相場変動に巻き込まれることなく想定通りのリスクヘッジをすることができます。
オーダーブックを参考にする
損切りラインを考えるうえでの目安の2つ目は、
オーダーブックを参考にする方法です。
オーダーブックとは?
世界のトレーダーが特定の通貨ペアにおいて
どんなレートでポジションを持っており、
どんな指値・損切り注文を行っているかを棒グラフ上の形式で表示しているもの
オーダーブックの損切り注文の状況を確認して、
損切り注文が集中している相場を避けて、
損切り注文を入れるという活用方法があります。
FXにおいては、他のトレーダーの動向を意識することも重要なので、
オーダーブックを参考にすることは非常に効果があります。
オーダーブックは、ほとんどのFX会社が公開している情報なので、
だれでも参考にすることができます。
オプションバリアを参考にする
損切りラインを考えるうえでの目安の3つ目は、
オプションバリアを参考にする方法です。
オプションバリアとは?
オプション取引の集中している価格帯のこと
オプション取引は、
FXのトレーダーとは異なり、
企業の決済目的や機関投資家の運用目的など大規模に取引されていて、
外国為替相場に与える影響も大きいです。
オプション取引とは?
将来の予定を約束した注文方式のこと
オプションバリアの価格帯を抵抗帯と考え、
その外側に損切りラインの目安とすることは、有効な考え方です。
オプションバリアのデータを入手できるのは
一般的に機関投資家に限定されていますが
一部の情報は一般のWEBサイトでも公開されているので、参考にしてみてください。
損切りが連続で起こる場合
資産管理上、損切りが重要であることはすでに説明しましたが、
繰り返し損切りばかりが発生するケースでは、
損切り設定の内容に加えて、
そもそも勝てるトレードを実行できているのか、という点を見直すべきです。
損切りがうまくできているからといって、
FXに勝てるということにはつながりません。
参考にする分析手法の内容や活用方法などを精査する
といった普段のトレード自体の見直しをしてみることも含めて検討してみてください。
海外FX利用時の損切りの意義
FXは、国内業者だけでなく、
海外の業者を利用した取引も可能です。
海外FX業者を利用するときにも、
同様に損切りの重要性は変わりません。
しかし一方で、
海外FX会社特有のメリットを生かして、
あえて損切り注文をせず高額の利益を狙いに行く手法
も考えられます。
海外FX会社のハイレバレッジと、ゼロカット制度を活かす手法です。
失ってもそれほど大きな負担とならない資金を用いて、
最大限にレバレッジをかけてトレードをします。
利益が出たら、利益を確定させて収受。
仮に相場が反対に動いても、
ゼロカット制度により損失は限定され致命的なダメージにならない
海外FX会社でも損切りは重要ですが、
低リスクで一獲千金を狙う取引をすることもできます。
まとめ
以上、損切りについて解説をしてきました。
損切りは、安定してFX取引を継続するために欠かせないリスクヘッジの方法です。
最初こそ抵抗がありますが、とても重要な取引ですので、
ぜひ内容を理解して実践に活かしていきましょう。