「MACDとは?」「FXはMACDで勝てる?」「MACDで勝つ方法は?」
と考えている方は多いのではないでしょうか。
FXでのMACDは、王道ともいえるインジケーターの1つです。
多くのトレーダーが注目しているため、
徹底すれば利益が出せるようになります。
本記事では、MACDの見方から勝ち方までを紹介します。
FXのテクニカル分析とファンダメンタル分析
FX取引の利益の出し方には「テクニカル分析」と「ファンダメンタル分析」があります。「ファンダメンタル分析」は、世の中の動きを敏感に捉える方法です。
FX初心者には難しく感じることが多く、慣れるまでに時間が必要になる分析方法です。
ファンダメンタル分析とは?
世の中の動きを敏感に捉える分析方法
「テクニカル分析」は、本記事で紹介するMACDを始めとする多くのインジケーターを利用した分析方法です。
初心者からプロまで、多くの人に採用されている分析方法です。
テクニカル分析とは?
多くのインジケーターを利用した分析方法
以下では、「テクニカル分析」のメリットとデメリットを紹介し、その中でMACDを紹介していきます。
テクニカル分析とは
そもそもテクニカル分析とは、
過去の研究者やトレーダーが「チャートを徹底研究」した結果、取引の目安になるものを見やすくしたものです。
例)
テクニカル分析で最も多くの人に使用されている
標準移動平均線 (=ローソク足の終値の平均をラインにしたもの)
ローソク足だけが表示されているチャートと比べると、
平均値を見るだけで上昇or下降しているか区別しやすくなります。
通常、ローソク足のみで表示されているチャートは以下のようなものです。
(※MT4のチャートです)
上級者になれば、ローソク足だけで分析する人もいます。
しかし、ほとんどの人はローソク足だけを見ても、上昇するか下降するかわかりづらいのではないでしょうか。
そのため、テクニカル分析としてインジケーターを挿入します。
上記のローソク足に移動平均線を挿入すると、以下のようになります。
先ほどのチャートに、赤い線が入りました。
この線は『14日移動平均線』です。
つまり、この図ではローソク足14本分の平均値を赤い線で表示していることになります。
個人の裁量により日数を調整できるようになっているため、
20日や25日、100日や200日などの日数を用いて平均値を確認しているトレーダーも多く存在しています。
このように、移動平均線だけでなく多くのインジケーターがある中で、取引しやすいものを選んでチャートを分析する手法のことを、テクニカル分析と言います。
MACDとは?
テクニカル分析の中で、最も有名なのは「単純移動平均線」です。
しかし、移動平均線を利用した取引では「利益を最大化」しにくいと言われています。
取引の方法により利益率は異なりますが、上昇トレンドが始まったり下降トレンドが始まった「瞬間」を狙うには適していないと言われています。
そのため、取引自体が後手に回る場合が多く、「利益が出せない」「利益が少ない」と感じる人も多いようです。
では、MACDとはどんなものでしょうか。
チャートにMACDを挿入すると、以下のようになります。
MACDは、移動平均線とは違いローソク足チャートの下に表示されています。
MT4では棒グラフとラインが表示されたMACDが使用できますが、
他のFX会社のMACDでは2本のラインが使用されている場合があります。
MACDを使用した取引方法は、後ほど紹介しますが、
どのラインが何を表しているかを知っておくようにしましょう。
テクニカル分析の王道MACD
MACDは「Moving Average Convergence Divergence」の略で、頭文字だけを取ってMACDと呼ばれています。
ちなみに、移動平均線は「Moving Average」ですので、MACDが移動平均線を利用したインジケーターであるのがわかるはずです。
実際、MACDは2本の移動平均線を利用して「買い」と「売り」のタイミングをわかりやすくしたテクニカル分析手法であると理解していただければよいでしょう。
また、移動平均線を利用しているため、「トレンド」を把握することもできます。
これらを把握するには、MACDに使用されている2本の線を知っておく必要があるでしょう。
それでは、それぞれの線について解説していきます。
短期EMA(棒グラフの部分)
EMAとは、指数平滑移動平均線というもので、単純移動平均線をより精度を高くしたものです。MACDには、短期EMAが使用されています。
EMAとは?
指数平滑移動平均線
=単純移動平均線をより精度を高くしたもの
上記の図で、棒グラフのようになっている部分です。
基本的に、短期EMAは9日平均線で表されることが多く、最も早くチャートの変化に合わせて動きます。
長期EMA(ラインの部分)
指数平滑移動平均線の平均値をとる日数を変化させ、26日程度にしたものが長期EMAです。
長期EMAとは?
EMA(指数平滑移動平均線)の平均値をとる日数を
26日程度にしたもの
上記の図で、ラインで表示されている部分です。
短期EMAと比較すると動きが遅く、ゆったりとした方向性が確認できます。
単純移動平均線と動きが似ていますが、指数平滑移動平均線の方が比較的早くチャートに反応します。
取引タイミングを知るために使用するラインで、FX会社によっては短期EMAや長期EMAを使用したMACD線とシグナル線で示されていることもあります。
MACDを制する者はチャートを制する
MACDと単純移動平均線を合わせて表示させてみましょう。
すると、チャートは以下のようになります。
ローソク足と同じ画面にあるのが「単純移動平均線」
チャート下部が「MACD」
その中で棒グラフで表示されているのが「短期EMA」
ラインで表示されているのが「長期EMA」です。
同時に表示させてみると、同じように見えるかもしれません。
しかし、青い四角MAで囲んだ部分の前と後ろでは明らかに異なる部分があります。
細かな部分を見て取れるようになり、単純移動平均線だけを表示させていた時と比べると、チャートの状況が異なって把握できるようになります。
これらの細かな情報を読み解くためには、MACDをさらに詳しく述べていく必要もあるでしょう。以下では、MACDに特化したインジケーターの見方を紹介していきます。
MACDでわかること
ここまで述べてきたように、MACDはチャートの方向性を知るために有効なインジケーターです。
しかし、単にMACDを表示させて「見ているだけ」では、
実際に取引するタイミングがわからないことがあります。
また、後ほど述べるゴールデンクロスやデッドクロスを把握しただけでも
利益に繋がらないこともあるでしょう。
では、実際にMACDでわかるのは何でしょうか。
具体的には以下の2点が多いです。
- トレンドの方向を知る
- 取引タイミングを確認する
移動平均線の傾きからトレンドを把握することができます。
また、後ほど述べる「0線クロス」も
トレンドの方向性を知る上で重要な役割を果たしています。
取引タイミングは、
主に「ゴールデンクロス」「デッドクロス」と呼ばれるタイミングのことで、
初心者でも見た目でわかりやすい取引方法とされています。
ただし、この2点はMACDの「基本」ですので、
プロトレーダーがそれだけで利益を出せている訳ではありません。
参考程度に確認し、実際に利益を上げる方法には、
独自の工夫を凝らしていることが多いでしょう。
FXはMACDでどうやって勝つの?
プロトレーダーの多くは、MACDだけで取引を行うわけではありません。移動平均線と組み合わせたり、他のインジケーターを組み合わせるなどで利益を上げます。MACDと相性が良いとされるインジケーターは主に以下のものがあります。
- RSI
- ストキャスティクス
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
有名なインジケーターばかりですが、FX初心者とプロトレーダーが使用しているインジケーターには、さほど差が無いのも特徴です。
利益を上げるために必要なのは、テクニカル分析で判断できる材料に「独自の裁量」を加えた人だと理解しておきましょう。
MACDを使った勝ち方を紹介
実際にMACDを使用した取引方法を紹介します。
本記事ではMACDで取引する「基本」を重点的に紹介し、実際に利益が出せる可能性がある取引方法もお伝えします。
利益を出せるか否かの違いは、「ちょっとしたこと」です。FX初心者が利益を出しにくいのは「真面目」であるからかもしれません。
ネット検索や本の内容を鵜呑みにし、「書いてある通り」に取引をしている人は利益を出し続けられないでしょう。
基本を踏まえたうえで、
自分自身で「チャート分析する習慣」が何より大切である
と知っておいてください。
以下では、まずMACDで取引する「基本」をお伝えします。
クロスを狙った取引
既に述べたように、MACDは見た目では2本の線によって作られています。
そのため、2本の線がクロスする部分が取引タイミングとされています。
主にクロスには2種類あり、
短期線が長期線を下から上にクロスする部分を「ゴールデンクロス」と言います。
また、逆に上から下にクロスする部分は「デッドクロス」と呼ばれています。
2つのクロスはMACDで取引するときに最も基本となる考え方ですので、詳しく説明していきましょう。
ゴールデンクロス
短期線が長期線を「下から上に」クロスする部分が「ゴールデンクロス」です。
ゴールデンクロスは、主に「上昇トレンド」が発生するときにあらわれるものです。
トレンドが始まる瞬間に「買い」を入れます。
チャートは上昇方向へ進む可能性が高いタイミングですので、
利益が出やすいとされています。
しかし、ローソク足の時間足が1分足や5分足などを使用している場合、「騙し」が多いのも特徴です。また、トレンドが発生していない時は、連続してクロスを繰り返すことがあります。FX初心者が利益を出せないのは、これらが理由でしょう。
デッドクロス
ゴールデンクロスとは逆に、短期線が長期線を「上から下に」クロスする部分を「デッドクロス」と呼びます。
主に「下降トレンド」が発生するときに現れ、「売り」を入れる人が多いタイミングでしょう。
チャートは下向き方向へ進む可能性が高くなりますが、ゴールデンクロスと同様に1分足や5分足では「騙し」が多く発生します。
ゴールデンクロス・デッドクロスどちらとも
1分足や5分足では、「騙し」が多い
ゴールデンクロスとデッドクロスが連続で何度も発生する場合は
トレンドが無い「レンジ相場」であると判断されます。
0線を使った取引
MACDを表示させると、真ん中に0線が記載されています。
多くのトレーダーが注目しているのは、ラインだけでなく0線も同様です。
通常、0線より情報にラインが位置している場合は「上昇トレンド」、下方に位置している場合は「下降トレンド」と判断します。
そのため、シグナル線(短期線)が0線をクロスするタイミングなどに取引する人が多いようです。
0線クロス
シグナル線(短期線)が下から上に0線を超える場合に「買い」を入れ、MACD線(長期線)が下から上に0線を越えたら手じまいをするなどがあります。
しかし、0線クロスはローソク足を見るだけでも判断できるトレンドの把握方法であるため、プロトレーダーはクロスタイミングを狙わないのが特徴です。
MACDのラインが上方にあるか、下方にあるかだけ判断するようにし、実際の取引タイミングは別のインジケーターで把握している人も多いのではないでしょうか。
トレンドの把握
0線より上方にラインがある場合「上昇トレンド」、下方の場合は「下方トレンド」です。どちらの方向にトレンドがあるかが一目で把握できるため、多くのトレーダーが利用しているMACDの利用方法です。しかし、取引タイミングを明確にするには難しいと感じるため、以下のような取引方法をしている人が多いでしょう。
- 0線より上方でデッドクロスしたときに「売り」
- 0線より下方でゴールデンクロスしたときに「買い」
MACDで取引するときに、最大限の利益を確保しようとした取引方法です。
最も多くのトレーダーが意識しているタイミングとも言え、実際に利益が出る場合もあります。しかし、プロトレーダーも注目しているポイントであるため「騙し」が多いのも特徴です。
MACDと10分足を使った取引手法
FX初心者がMACDを利用して利益を上げ続けるには、「騙し」を回避しなければいけません。
「騙し」の回避方法は無数に存在しますが、「100%回避できる方法」は存在しないと言って良いでしょう。投資において「100%は存在しない」のは常識で、例えるなら「じゃんけんで100%勝てる方法」を探しているようなものです。理論上の勝率を高められる方法は存在していても、実際に100%はほとんど不可能であるのは誰もが理解できるところでしょう。
そのため、利益を上げ続けるには「騙しが少ない」チャートを選ぶようにします。
通常、時間が長い足を使用した場合、「騙し」は少なくなると考えられています。
MACDを利用した取引では、10分足を使用するのがおすすめです。
多くのトレーダーは5分足や15分足を見てトレードをしています。
10分足のチャートでMACDを表示させれば、多くの人より「少し先」か「少し後」に取引できるようになります。
そのため、騙しが現れてもすぐに損切りできたり、騙しが行われた後で取引を始められる長所があります。
まとめ
ここまでMACDについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- MACDは、王道インジケーター
- トレンドの方向や取引タイミングがわかる
- FX初心者は特に「騙し」に注意
- 「騙し」の回避方法も学んでおくこと
- 騙しに遭遇したら「損切り」が重要
MACDは、多くのトレーダーが注目しているインジケーターです。
見た目がわかりやすく、「クロス」のタイミングを意識しているだけで取引できます。
しかし、FX初心者が利益を上げていくには、「騙し」を回避していく必要があります。「騙し」の回避方法を学び、仮に騙しに遭遇しても「損切り」を早く行うことが重要です。逆に言えば、損切りを徹底していけば、利益が出せるようになるのもMACDと言えるでしょう。
MACDは、簡単なインジケーターですが、奥が深いものです。
安直に考えるのではなく、常に自分でチャートをみて分析する習慣を身につけるようにしましょう。