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グランビルの法則って何がわかるの?初心者でもわかる8つのパターンと勝つための投資戦略とは

移動平均線を使ったチャート分析の1つに『グランビルの法則』があります。
価格は移動平均線に収斂していくことに着目して売買ポイントを見つける手法です。
大勢のトレーダーが意識している転換点を把握することができるので、ぜひ覚えておくようにしましょう。

グランビルの法則とは?

『グランビルの法則』とは、1960年代にアメリカの証券アナリストJ.E.グランビルが株価と200日移動平均線の位置関係に着目して導き出した投資手法です。
4つの買いシグナルと4つの売りシグナルからなり、移動平均線を使った売買判定の基本となる重要な分析方法です。

グランビルの法則とは?
4つの買いシグナルと4つの売りシグナルからなる移動平均線を使った分析方法

グランビルの法則の基本的な考え方

価格は移動平均線から大きく乖離すると、その後移動平均線に戻ろうとし、逆にしばらく移動平均線に沿った動きをすると移動平均線から離れようとする習性があります
その特性を利用して売買のポイントを見つける手法がグランビルの法則です。

その際に注目するポイントは下記になります。

移動平均線(上向きor下向きor横ばい):トレンドを判断
移動平均線からの上方乖離:買われすぎと判断
移動平均線からの下方乖離:売られすぎと判断

これらを次の8つのパターンに合わせて投資判断をします。

グランビルの法則:8つの売買シグナル

グランビルの法則を使えば、有利なタイミングでエントリーできるようになるのはもちろん、トレンドの反転を予測して利益を最大限に伸ばすことも可です。
そのためには、売買のポイントとなる8つの売買シグナルをしっかりと押さえておきましょう。

グランビルの法則って何?
https://gforex.asia/media/trade/granville/

4つの買いシグナル

まずは、4つの買いシグナルについて説明します。

4つの買いシグナル

  1. 買いシグナル1(新規の買い)
  2. 買いシグナル2(押し目買い)
  3. 買いシグナル3(買い乗せ)
  4. 買いシグナル4(短期の買い)

買いシグナル1(新規の買い)

長期間下落傾向にあった移動平均線が横ばいから上昇に転じ、価格が移動平均線を下から上に突き抜けた時に買いのサインとなります。
売り注文の圧力が弱まり、買い注文が優勢になって上昇トレンドが発生するときによく見られますが、ダマシもあるので注意が必要です。

買いシグナル2(押し目買い)

移動平均線が上昇している時に、一時的に価格が移動平均線を下回ったあとに再び上抜いた時は押し目買いのチャンスです。
なぜなら、本格的な上昇トレンドの開始のサインとなる場合があるからです。
ただし、必ず下降から上昇に転じたのを確認してからエントリーしないと失敗することがあります。何度か同じパターンを繰り返すうちに買いの勢いが弱まり、上昇トレンドが終焉して下降に転換する転換点となる可能性もあるからです。

買いシグナル3(買い乗せ)

上昇トレンドのとき、価格は移動平均線より上の位置を保ったまま、価格が移動平均線に接近したり離れたりします。
価格が上昇している移動平均線より上にあり、移動平均線に近づいて下降したものの、タッチせずに再度上昇した場合は買い乗せのチャンスです。
つまり、一度上昇力を弱めた相場が再度上昇を開始したことを意味し、上昇トレンド継続を再確認させる動きだからです。
ただし、押し目買いと同様に必ず反発したのを確認してからエントリーしましょう。

買いシグナル4(短期の買い)

下降し始めた移動平均線から価格が大きく乖離して下落した場合、一時的に価格は移動平均線に戻ろうとする性質があり、そのリバウンドを狙えば短期の買いのチャンスとなります。ただし、すでに下降トレンドに入っているので、どのくらいの戻りがあるかには注意が必要です。
なぜなら、「どのくらい離れたら、戻ってくるか」ということが明確になっていないからです。いつでも売り逃げられるようにしておきましょう。

4つの売りシグナル

次に、4つの売りシグナルについて説明します。

4つの売りシグナル

  1. 売りシグナル1(新規の売り)
  2. 売りシグナル2(戻り売り)
  3. 売りシグナル3(売り乗せ)
  4. 売りシグナル4(短期の売り)

売りシグナル1(新規の売り)

長期間上昇傾向にあった移動平均線が横ばいから下降に転じ、価格が移動平均線を上から下に突き抜けた時に売りのサインとなります。
買い注文の圧力が弱まり、売り注文が優勢になって下降トレンドが発生するときによく見られますが、ダマシもあるので注意が必要です。

売りシグナル2(戻り売り)

移動平均線が下降している時に、一時的に価格が移動平均線を上回ったあとに再び下抜いた時は戻り売りのチャンスです。
なぜなら、本格的な下降トレンドの開始のサインとなる場合があるからです。
ただし、必ず上昇から下降に転じたのを確認してからエントリーしないと失敗することがあります。
何度か同じパターンを繰り返すうちに売りの勢いが弱まり、下降トレンドが終焉して上昇に転換する転換点となる可能性もあるからです。

売りシグナル3(売り乗せ)

価格が下降している移動平均線より下にあり、移動平均線に近づいて上昇したものの、タッチせずに再度下降した時に売り乗せのチャンスです。
つまり、一度下降力を弱めた相場が再度下降を開始したことを意味し、下降トレンド継続を再確認させる動きだからです。
ただし、戻り売りと同様に、必ず価格が下降したのを確認してからエントリーしましょう。

売りシグナル4(短期の売り)

上昇し始めた移動平均線から価格が大きく乖離して上昇した場合、一時的に価格は移動平均線に戻ろうとする性質があり、そのリバウンドを狙えば短期の売りのチャンスとなります。ただし、すでに上昇トレンドに入っているので、どのくらいの反落があるかには注意が必要です。
④と同様に、急激な上げに対するリバウンドなので、大きな値幅が期待できるものではありません。いつでも買い戻せるようにしておきましょう。

時間足と移動平均線の設定はどうする?

グランビルは、長期投資家の損益分岐点ともいえる200日移動平均線を使って長期のトレンドをみています。
つまり、グランビルの法則では大勢のトレーダーが意識している目線を重視しているので、最も一般的だと思われる設定を使うことが有効です。

たとえば、スウィング取引であれば1~4時間足で200期間の移動平均線、スキャルピングなら15分足で21期間や50期間の移動平均線を併用するといった具合です。

初心者が見つけやすい売買のポイントは?

新規の買い・新規の売り(買いシグナル1と売りシグナル1)
→ダマシも多く、初心者が見つけるのは難しいかもしれません

押し目買い・戻り売り(買いシグナル2と売りシグナル2)
トレンド発生のサインなので初心者でも見つけやすい

買い乗せ・売り乗せ(買いシグナル3と売りシグナル3)
→ラインとのクロスなどの明確なシグナルがなく慣れていなければ難しい

短期の買い・短期の売り(買いシグナル4と売りシグナル4)
トレンドに逆行してエントリーするので失敗すると大きな損失につながる

初心者は、『押し目買い』と『戻り売り』を探すのが◎

グランビルの法則の実践例

実際のチャートにグランビルの法則を当てはめてみると、どのような局面でどのような投資行動を行うのが、適切かが見えてきます。
移動平均線の傾きと価格との位置関係に注意してみてください。

初心者でもわかる!実践チャート術(グランビルの法則)https://www.gaitameonline.com/academy_chart23.jsp

買いの局面

実際にトレードする場合、
移動平均線がまだ下降している段階で価格が移動平均線を上抜けた①の局面や、
移動平均線から大きく乖離した④の局面で買いを入れるかどうかの判断は難しいのがわかると思います。
そのため、
上昇中の移動平均線を一時的に割り込んだあとに戻した②の局面での押し目買いや、
上昇している移動平均線の手前までいったん調整した③の局面での買い増しが有効です。

売りの局面

買いと同じように、
移動平均線がまだ上昇している段階で価格が移動平均線を下抜けた⑤の局面や、
移動平均線から大きく乖離した⑧の局面で売りを入れるかどうかの判断は難しいのがわかると思います。

そのため、
下降中の移動平均線を一時的に上回って再度割り込んだ⑥の局面での戻り売りや、
下降中の移動平均線の手前までいったん調整した⑦の局面での売り乗せが有効です。

グランビルの法則を使うときの3つの注意点

グランビルの法則は万能ではありません。というのも、そもそも相場は規則的に動くものではありません。一つの波動の中にすべてのポイントが順番通りに出てくるわけではないのです。
つまり、8つのポイントを理解したうえで、チャートを見ながら自分で売買のタイミングを計らなければいけないのです。

そこで、グランビルの法則を使う際に注意すべき3つの点について解説します。

時間足が短ければダマシが多い

本来、グランビルの法則は200日移動平均線を使った長期のトレンドを考慮した手法です。そのため、200時間や800時間などの短期トレードでも有効ですが、長い時間足に比べるとダマシも多くなります。
ダマシに合わないためにはなるべく長い時間足で検証しましょう。

波動は順番通りに現れるわけではない

 

相場の状況によって、必ずしも①~⑧までのポイントは順番には現れません。
場合によっては②~③や⑥~⑦を繰り返したり、④や⑦がなかったりとさまざまです。

そもそも相場は複雑な動きをする

そもそも相場に絶対という法則はありません
グランビルの法則だけにしたがってトレードしても勝てるわけではないのです。
サポートラインやレジスタンスなど、いろいろなテクニカル手法と組み合わせてチャートの動きを多角的に分析することで、その精度を上げていくことが重要です。

「移動平均線」と「現在の価格」の位置関係を読み解き、利益を上げよう!

グランビルの法則は、価格と移動平均線の関係性から、買いと売りの4つ、合計8つのパターンを実践するための法則です。
グランビルの法則を覚えておけば必ず利益が出るというものではありませんが、トレードするにあたっては覚えておくべき知識のひとつです。

グランビルの法則:成功のポイント

上昇中の移動平均線を価格が上抜けたか、下降中の移動平均線を価格が下抜けたかなどのパターンを分析すること

もちろん相場の動きは複雑なので、これだけで必ず勝てるわけではありません。
ほかのテクニカル分析と組み合わせて使うことで、より勝率も上がります。
ぜひグランビルの法則を理解して、勝率を上げていきましょう。