FXと株式投資は、資産運用商品の中でも有名ですが、
どんなところに違いがあるのでしょうか。
この記事では、それぞれの資産運用商品の特徴や魅力を紹介し、
お互いの特有のメリットについて解説をします。
どちらの商品を選択するかの参考にしてください。
株式投資の特徴
資産運用商品といえば、
FXと株式投資を代表例として連想する方も多いのではないでしょうか。
どちらも資産運用方法として魅力的なツールですが、
両者の違いはどこにあるのでしょうか。
それでは、FXと株式投資の特徴を紹介していきます。
株式投資とは?
まずは株式投資について解説します。
株式投資とは、
証券市場に上場している企業が発行する株式を取り扱う投資商品です。
株式投資とは?
証券市場に上場している企業が発行する株式を取り扱う投資商品
昔から投資の代名詞とも言えるものとして認識されています。
以前は富裕層しか取り扱いをしていなかった側面がありますが、
近年は一般的な生活層の方でも積極的に取引をするようになりました。
株式投資の特徴について、主要な内容を紹介していきます。
多数の銘柄から選択
株式投資の特徴として、
多数の銘柄から購入する株式を選択できるという点が挙げられます。
多数の銘柄から購入する株式を選択可能
証券市場に上場している企業の数は、
2021年1月現在で3,800社以上もあるとされています。
株式投資を実行する投資家は、
要するにこの3,800社もの銘柄から購入する株式を選択することができるということになります。
FXだと、通貨の数は限られているので、
株式投資のほうが選択肢が広いといえます。
→東証一部に上場している企業を選択
→マザーズやジャスダックのような新興企業が多く上場している市場の銘柄を選択
など、投資のスタイルに応じた銘柄選択がしやすい環境になっています。
たくさんの銘柄を比較して、
将来値上がりしそうな銘柄を選択していく難しさと楽しみが株式投資にはあります。
株式投資における利益の獲得の方法
株式投資における利益の獲得の方法には大きく分けて2つあります。
- 株式価値の上昇による売買差益
- 配当金収入
それぞれについて解説していきます。
株式価値の上昇による売買差益
第一に、株式の価値が上昇することによる売買差益が挙げられます。
特に新興企業など将来的に成長が予想されるベンチャー系の企業の株式を、
価値が低いころに購入して、長期的に保有をして値上がりを期待する手法です。
株式価値の上昇による売買差益とは?
価値が低いころに購入して、長期的に保有をして値上がりを期待するもの
FXの為替相場は、あらゆる要因が合わさって変動しますが、
株式の場合は当該企業の業績や活動内容によって値動きが起こる割合が多い為、
しっかりと企業分析をして将来的に成長していく企業を予想する楽しさがあります。
特に注目されるのが、新規で証券市場に上場するIPO株と呼ばれる銘柄です。
証券市場に上場した直後は、急激に価値が上がるケースが多い為、
非常に人気があります。
証券会社の多くがIPO株の購入は抽選制にしているほど人気が高いです。
配当金収入
株式投資で利益を上げるもう一つの要素は、配当金収入です。
株式は、もともと発行する企業への出資を意味する証券で、
出資を受けた企業は獲得した利益を年度単位で集計して株主に分配する必要があります。
配当金収入とは?
企業から株主に分配される配当金を収入とするもの
配当金は、出資している金額に対して数パーセント程度ですが、
企業によっては毎年安定して配当が行われるので、安定した収入源となります。
配当金収入をメインに投資をする場合は、
東証一部上場企業など大企業の株式を購入して長期間保有するケースが多くなっています。
また、サービスが好きな企業や、普段使用している商品を製造販売している企業など、
応援したいと思っている企業の株式を購入して配当を得ている方も多くいます。
高額資金が必要になることが多い
FXの場合は小額からでも投資を始められるツールが用意されていますが、
株式投資を実践する際には、高額の資金が一括で必要になるケースが多いです。
これは、企業が発行する株式を購入する際には、
100株単位などある程度まとまった単位で購入することが求められるケースが多い為です。
有名な東証一部上場企業などでは
十数万円単位の資金を用意しないと最低の購入単位の株式を購入できないことが多くなっています。
資金の最低金額が高いことは、株式投資の敷居を高くしている要素といえます。
ただ、近年は以前と比較すると最低単元数を少なくしている企業が増えてきており、
比較的取り組みやすくなってきている傾向があります。
また、銘柄によっては数万円程度の資金でも購入できるものもあるので、
探してみる価値はあるでしょう。
ミニ株の制度がある証券会社も
株式を購入する際には、企業が定める最低単元数単位でしか購入できないのが原則ですが、証券会社によってはミニ株の制度など、
単元数以下の単位でも株式を購入できる制度を用意しているところも少なくありません。
ミニ株という名称を用いている業者が多いですが、
業者によって制度の名称は異なることがあるので注意しましょう。
単元数以下の株式を少しずつ購入していき単元数に達したらちゃんと株主としての権利を取得できるので、
とても便利で利用しやすい制度になっています。
また、ミニ株制度とともに少額単位での積立による購入方法を選択できる証券会社も多いので、少額資金からでも株式投資を実践できるツールとして注目されています。
FXの特徴
続いて、FXの特徴を紹介します。
株と比較して、どちらの投資が優れているかというのは、
お互いにメリットとデメリットがあるので一概に評価することは難しいので、
総合的にそれぞれの特徴を比べて、
自分に合っている投資手法を採用するようにしましょう。
FXとは?
FXとは、外国為替証拠金取引と呼ばれる投資商品です。
異なる2つの通貨の間で常に変動する為替相場の動きを予想して売買を行ない、
その差額決済により為替差益を獲得することを目的とする投資商品です。
FXとは?
異なる2つの通貨間での為替相場を予想して売買を行ない、
決済時の差額で利益を狙うを投資商品
株式投資は、
例えば日本の証券市場がクローズしている時間帯に限定した取引となりますが、
FXの場合は全世界で通貨の取引がされている点が影響し、
株式投資にはない特徴を持っています。
証拠金取引によるレバレッジ活用
FXの最大の特徴としては証拠金取引という仕組みを採用している点が挙げられます。
株式投資の場合は銘柄を購入するのに必要な資金総額を用意する必要がありますが、
FXの場合は最初に投資資金である証拠金を投入し、
その証拠金をベースに売買を行ないます。
実際に取引する規模の通貨数に見合う資金がなくても、
証拠金に対して一定の倍率を乗じて得られた金額の取引をすることができます。
これを『レバレッジ』と呼び、
少額資金でも高額の取引をすることができるので、
相場の変動次第では非常に大きな利回りを獲得できるチャンスがあることになります。
レバレッジとは?
実際の資金より大きな額としての取引を可能とする仕組み。
倍率は数倍〜数百倍以上など幅広い。
ただ、逆に相場の予想が外れると
投資資金の規模に対して相当大きな損失を被る危険もあります。
ハイリスクハイリターンと呼ばれる所以で、
しっかりと仕組みを理解して臨まないと思わぬ損失を被ってしまう危険性のある要素です。
24時間取引可能
株式投資の場合は、例えば日本企業の株式による取引の場合は、
日本の証券市場がオープンしている午前9時から午後3時までの間でしかトレードをすることができません。
一方、外国為替市場は、日本以外でも世界中で取引が行われており、
世界のどこかの市場がオープンしていれば、FXを利用してトレードをすることができます。
土曜と日曜は世界中の外為市場がクローズするのでトレードをすることはできませんが、
平日であれば実質24時間いつでも取引をすることができます。
会社員など本業があって日中は投資に時間を割くことが出ない方でも、
帰宅後にトレードに臨むことができるので、
非常に便利で利用者が増加傾向にある所以となっています。
上昇・下降どちらの相場でも利益を狙える
株式投資においては、値上がりする銘柄を予想して購入し、
価値が上昇することを期待する考え方が一般的です。
一方で、FXの場合は相場が下降傾向となることを予想して、
その相場に合わせた取引をすることで、
下降傾向の相場でも利益を獲得することができます。
ある通貨ペアを売りでエントリーして、
相場が下がってから買い戻すというトレードをした場合は、
為替差益を獲得することができます。
FXの場合は、相場が上昇傾向でも下降傾向でも利益を獲得できるチャンスがあるということになります。
株式投資にしかないメリット
株式投資とFXは、投資商品の中でも最も有名で利用者が多いものの代表格ですが、
これまで紹介したようにトレードを展開するうえでかなりの違いがあります。『
どちらが良いかは利用する投資家の目標設定や知識によって変わってきます。
お互いのメリットをしっかりと理解し、利用する手法を決めるようにしましょう。
続いて、株式投資にしかないメリットをまとめて紹介するので、
利用する投資商品を選択する際の参考にしてみてください。
株主優待制度
株式投資では、株主優待制度といって、
株主になっている企業が提供するサービスや商品をお得に利用できる優待券が発行されるなどの優遇が受けられるサービスがあります。
上場をしている企業すべてが株主優待制度を導入しているというわけではないので、
注意する必要があります。
自分が応援している企業や好きな企業の株主になれば、
その企業のサービスをお得に利用できる優待制度が適用されるので、とてもお得です。
優待の内容は様々あるので、購入する銘柄選択をする際には、
あらかじめ株主優待制度の内容をチェックしておきましょう。
NISA活用による税制面での優遇
FXも株式投資も、得た利益に対しては一定の定まった率により所得税が課せられる仕組みになっていますが、
株式投資の場合はNISAと呼ばれる制度を利用して条件を満たせば、
非課税で利益を獲得することができます。
NISAとは?
毎年120万円以内の投資の場合、
そこから得られた利益に対して非課税とされる制度
NISAとは2014年に始まった制度で、
毎年120万円以内の投資であれば、
そこから得られた利益に対しては所得税がかからず非課税とされる制度です。
株式投資で得た利益は、本来一定率の税負担が発生し、負担感が大きいのですが、
NISAを活用することで全額を利益として獲得することができるので、
非常に効率よく投資を展開することができます。
FXにしかないメリット
続いて、FXにしかないメリットを紹介します。
FXは証拠金取引という性質を生かしたトレードをすることができるので、
少額資金でもトレードを開始出来てなおかつ大きな利益を狙えるチャンスがあることはすでに紹介をしました。
それ以外にも、FXにしかないメリットはあります。
- どんな場面でも利益を狙える
- 高レバレッジのトレードが可能
- 指値注文など機動的なトレードが可能
こういったメリットがあることにより
FXは世界的に人気になっていて、
トレードに参加する方がとても多い要因となっています。
どんな場面でも利益を狙える
FXにおいては、売りエントリーが可能になっていることから、
相場が下降する局面でも利益を獲得できるチャンスがあります。
株式投資においては上昇を見込むトレードをする必要がありますが、
FXの場合はどんな局面でも利益を積み上げていけるので、
相場予想判断の正確性が高くできる方にはおすすめです。
また、『スワップポイント』と呼ばれる
通貨ペアの金利差を調整するポイントが付与される制度もあります。
金利が低い通貨で金利が高い通貨を保有していれば、
自動的に銀行預金の利息を獲得する要領でポイントが加算されていきます。
上昇、下降相場の両方で利益を獲得できるチャンスがあり、
なおかつ長期的なスタンスでポジションを保有しスワップポイントを獲得するという手法も活用できるので、あらゆる場面で利益を獲得できる投資手法です。
高レバレッジのトレードが可能
特に海外FX会社の場合は、
日本国内FX会社よりも非常に高いレバレッジをかけてトレードをすることができます。
日本の場合は25倍のレバレッジ設定が限度ですが、
海外にはそのような決まりはなく、業者が独自に上限レバレッジ数を設定しています。
高いレバレッジをかければ、例えば余剰資金で少額の資金を投入し、
最大限にレバレッジをかけてトレードを行ない、非常に大きな利回りを狙いに行き、
仮に相場予想が外れたとしてももともと少額の余剰資金なのでそれほど負担感なく損失を受け入れられるという考え方でトレードに臨むことができます。
指値注文など機動的なトレードが可能
FXでは、あらゆる注文方法が用意されています。
相場を見ながらその場でエントリーをする成行注文が基本ですが、
事前に相場を指定しておき、
その相場に達した時に自動的にエントリー及び決済が実行される指値注文・ストップ注文をすることもできます。
また、指値注文やストップ注文を組み合わせた便利な注文方法もあります。
エントリーと決済を合わせて事前注文することもできるので、
投資に時間をかける必要がないというのは大きなメリット
早朝の時間帯に指値注文と決済注文をあらかじめ出しておき、
日中は本業を行なってから帰宅後に相場の動きをチェックしてトレードの結果を確認するという活用方法ができます。
機動的なトレード注文方法を生かすことで、
とても便利で効率の良い投資活動を展開することが可能です。
まとめ
以上、株式投資とFXとの違いについて紹介をしてきました。
どちらの投資手法の方が優れているのかというのは一概に判断することはできません。
それぞれのメリットとデメリットを比べながら、
自分に合った方の投資手法を選択して活用してください。