FXでは、損切りよりも利確で悩む人が多いといわれます。
その対策の一つである「待てるFX」と「決済できるFX」を行う方法として、
N値とE値の値幅決済があります。
N値とE値を手法に入れるメリットや計算法、
FXでの活用法について解説をします。
FXのN値・E値とは?
N値を含むFXにおける値幅計算は、
過去のチャートの値幅から未来の値動きを予測することで計算します。
FXのインジケーターなどのツールは、
過去の平均値から算出されるもので、
決して未来を予測することはできません。
相場には、絶対もなければ、
テクニカル分析をしてもその通りに動くとは限らないからです。
しかし、値幅計算は、比較的先を読むことができる手法といえます。
値幅計算には、
サポ・レジライン
などを利用します。
N値幅とは?
FXチャートにおける推進波と調整波のうち、
推進波の値幅を基準に将来の波(レート)が、
どこまで動くのかを判断するレートの目標値のこと
つまり、
前回の推進波の値幅を基準にして、
一時的に調整する波が再び同方向にどれだけ値幅が伸びるのかを
予測・判断できる値のことです。
N値とE値のどちらも過去のチャートにより計測するために、
容易に利確の判断に活用できるといえます。
N値幅はAB=CD
N値幅を簡単に説明すると?
上昇あるいは下降の1波目(AB)と3波目(CD)が
同じ値幅で上昇するという意味
主に、トレンドフォローの手法に活用され、
押し目買いや売り戻しで、
第1波目を基準に第2波後のエントリーの際、
利確ポイント(D)の目安として利用できます。
つまり、
最初の第1波目の値幅と、
押し目(戻り目)などの調整波(第2波)後の推進波(第3波)の値幅が
同じかそれ以上であるという傾向を捉えたもの
です。
エリオット波動の理論でいえば、
第3波と第5波の可能性が若干ありますが、
大多数のケースでは、
第5波は小さくなるため第1波と第3波のケースがN値幅を求めるのに最適です。
手法として、
押し目買い・戻り売りを採り入れているトレーダーであれば、
必須の理論といえます。
N値理論は、「AB=CD」という名称で、説明されることも多いです。
世界のトレーダーの90%がトレンドフォローといわれているために、
N値理論が反応する可能性が高いといえるでしょう。
世界中の9割がトレンドフォローといわれているだけあり、
N値理論は効果的に反応します。
E値幅はAB(CD)=DE
E値幅は、
前回の推進波(AB)の長さを基準として、
調整波(第2波もしくは第4波)の起点を水平に横に引き、
次の推進波(第3波が多い)と交差している点(D)から、
この推進波の終点(E)までが同じ値幅
になります。
つまり、
直近の推進波の終点(調整波の始点)のレートから、
直近の推進波と同じ値幅分上昇した点→E値
その値幅=E値幅
直近の下降推進波の終点(調整波の起点)のレートから、
直近の下降推進波と同じ値幅分下降した点→E値
その値幅=E値幅
となります。
また、E値理論はAB(CD)=DEともいいます。
N値幅の計算方法
N値の計算方法は、
一般的なMT4のツールで、
- 図形の四角形を使う方法
- フィボナッチで計測する方法
があります。
チャートの変動は機械的に動くものではありませんので、
必ずしも計ったように反発されるものではなく、
あくまでも目安として使用するのがいいでしょう。
N値計算の第の方法として、
図形の四角形を活用する方法です。
値幅を合わせるときは、
図3の通り、
①四角形で直近推進波の起点Aと終点Bを計測
②BとCの調整波を待つ
③調整波終点Cと判断できたら、
①で計測した値幅を調整波の起点からトレンド方向に合わせる
その終点を決済ポイントとして、エントリーとする
この場合、Dがレジスタンスラインとして意識されやすいといえるでしょう。
同様に四角形の上下のレートをフィボナッチエキスパンションで
簡単に計測する方法もあります。
この場合はエキスパンションの100%ラインが、
図中のDと同じポイントとなり「N値の100%」になります。
E値幅の計算方法
E値の計算方法は、
ダブルトップ・ダブルボトムやボックスなどの
転換パターンが出現したときによく使われます。
N値計算と同じく、
MT4の図の四角形で計測します。
図4の通り、
①でAとBを計測
②調整波BとCを経過し、
③レジスタンスに達する場面で、
ABの四角をコピーしてDEを設定する
④レジスタンスラインをブレークしたところでエントリーし、
Eを決済ポイントとする
到達目標が決まってることで、無駄なエントリーは著しく減少するでしょう。
また、フィボナッチで計測するときは、
図4のABをフィボナッチで計測し、
200%地点を決済ポイントとします。
N値計算とE値計算ともに相場の基本的な値幅計算になります。
N値・E値の使い方は?
N値・E値の使い方はトレンドフォローやレンジ相場からのブレークなどがあります。
使う目的は、利確のタイミングの判断の目安をつけるためです。
トレード経験が浅く、
裁量が不得手でも簡単に利益目標とタイミングを決めることでできます。
ポジションを取ろうとする際に利確のタイミングがわからない
トレーダーの方は参考にしてチャレンジしてください。
トレンドとレンジからのブレークの例を挙げて説明します。
トレンド相場で使う場合
トレンド相場でのN値・E値の使い方は、
上昇または下降トレンド中の調整波後のブレークでの順張り、
N値・E値計算で利確の目標を決めるという手法が一般的です。
N値の計算のAB=CDやE値の計算のAB(CD)=DEという
値幅と明確なルールがあるため、
エントリーから決済までの手法としておすすめです。
推進波で上昇(下降)して、
調整波を形成し、推進波で再上昇するときに順張りでエントリー
します。
高確率でN値・E値を目指すことが多いのです。
ルールは、シンプルで再現性と優位性は高い手法です。
利確ポイントがはっきりしており、
値幅を活用するエントリーと利確ポイントの決定で、
機械のようにエントリーすることができ、メンタル面でのブレも少なくなります。
レンジ相場で使う場合
レンジ相場でのN値・E値の使い方は、
未来の反発点を予測することで、
逆張りエントリーする際の目安とする
ことです。
例えば、
上昇の第5波終了後にチャートに勢いがなくなり、
値幅は小さなレンジを作っている場合は、
目線を切り替え逆張りの準備に入ります。
このとき、ダブルトップやヘッドアンドショルダーの出現、
ヒゲ付きの陰線などの転換サインが出た図5のように、
下降第1波を基準として、
調整波の後のブレークでE値を決済ポイントとしてショートエントリーすることができます。
図6のように、結果としてE点まで下降しました。
このように、上昇後にレンジ相場を作り、
下降の兆候などが現れたときにE値幅を計った上で、
E点の決済ポイントを目指すことができます。
利確のタイミングを決める場合
FXトレーダーが、
取引をしていて一番気になり注意を払うのは、
損切と利確のタイミングです。
値幅を計算して、
取引に挑むことでその点の大部分を解消できるのではないでしょうか。
値幅を計算すること=明確な利確目標を立てること
値幅を計算することは、明確な利確目標を立てることにつながります。
損切の場合は、自分が想定したシナリオと逆に動いた場合は、
一定の値幅の損切を設定すればいいのですが、
利確はそれほど単純ではありません。
上級者の方でさえ、利確は重要なテーマの一つです。
その解消方法として、
N値幅・E値幅を活用して、
利確する目標値として設定することができます。
また、多くのトレーダーが、
値幅を計算し、利確決済のタイミングを決める手段として採り入れています。
値幅の設定方法は、
N値幅・E値幅の計算をするのにMT4の図のツールか、
フィボナッチを活用しています。
FXでは勝率も重要ですが、
リスクリワードの設定が重要で、
負けないトレードにつながります。
上級者の多くがトータルで勝つという考えを持っており、
リスクリワードの設定も利確の目安と共通しています。
N値・E値と水平線の関係とは?
水平線を引く目的は何でしょうか。
- 反転するポイント(レジ・サポライン)を見定めるため
- 相場はどの価格帯で上下動しているのかを一目でわかるようにする
この2つが水平線を引く主な目的です。
では、N値・E値を求めるのは何が目的でしょうか。
- N値はトレンド相場の利確ポイントをみつける
- E値はレンジ相場でブレークした後の利確ポイントをみつける
この2点が主な目的です。
それでは、実際にN値・E値と水平線の関係性
はどのようになっているのかについて、次の項目で具体的に述べます。
N値・E値と水平線は別物
前段で述べたように結論からいうと、
N値・E値は水平線の同意義ではありません。
水平線は、相場がどのように動いているか、
トレンドが終わったのか、今はレンジなのかなどの動きをつかむための目安であり、
環境認識のためのテクニカルツールです。
N値・E値は、ポイント(点)であり、
N値幅・E値幅は、利確のための計測範囲を示しています。
両者の関係性で重要なことは、
水平線の優先度が高く、
水平線があってこそ初めてN値・E値が効いてきます。
N値・E値はラインではなく、
点なので水平線がうまく引けてこそ、
N値・E値が活用できるという関係性であるため別物であるといえるのです。
水平線を使った決済方法
相場全体の環境認識のために水平線は、
重要なラインとして、世界中のトレーダーが注目します。
特に上位時間足で引かれる水平線は、
短期・中期・長期トレードでも皆が注目しているためそこで反発することが多いし、
レジ・サポラインを突破したときは、大きくチャートが動きます。
サポート・レジスタンスのどちらが優先するではなく、
この水平線によって、相場を俯瞰的にみることが重要
例えば、N値を手法にしている場合を考えてみましょう。
決済の目標値つまり、N値の点がレジスタンスを超えているときは、
第一決済でポジションの一部をチェックアウトします。
残りのポジションは、N値のポイントDで全額決済します。
このようにすることで、確実に利益の確保ができます。
一方、目標値(N値)がサポ・レジの手前にある場合は、
サポ・レジラインを目指している可能性があります。
一部をN値で決済して、
サポ・レジラインに到達したら全額決済するという方法で利益を確実のものにします。
N値・E値のメリット
FXでN値・E値の値幅を計算することは、
利確のポイントと利確の幅(PIPS)の計算ができます。
利確と損切は、FXトレーダーの重大なテーマの一つです。
N値・E値のメリットは、
利確ポイントが明確になると同時に精神的に楽になります。
トレーダーが自身の感覚でエントリー決済を続けていると
精神状態などによって、その感覚は変わってしまうからです。
安定したエントリーをするには、精神状態は大事な要素となります。
N値・E値は、
「利確ポイントの明確化による手法の安定」
「精神状態の不安定要素を軽減する」
を与えてくれるのが、大きなメリットだといえるでしょう。
また、トレーダーの悩みの一つは、
エントリーポイントや損切・利確のタイミングを待てないことです。
待てないトレードから脱却できるメリットもあります。
「待つことができない」俗語でいうポチポチ病を防ぐことができ、
自ずと損が減り、利益が増えるという
FXの本来の目的である「利益を出す」につながるは、最大のメリットです。
トレードの優先度が整理されて、シンプルになります。
この点についても次の項で説明します。
待てるトレードができる
N値・E値を手法にすることで、前段で少し触れた通り、
「待てるトレード」ができるようになります。
勝てないトレーダーの悩みの一つ、自分で決めたルールを守れないことです。
ルール通りのタイミングが来るまで待つことができないのは
初心者トレーダーが必ず通る道です。
感覚や衝動でエントリーしたりすることで、
自身が考えた方向といつも逆になることは、ままあることです。
ルール以外のところでエントリーするので、
負けが続き利益は出にくいのです。
とは言うものの待つ習慣をつけるのは、中々難しいものです。
その解決方法になるのが、N値・E値の値幅を採り入れた手法です。
N値・E値で各々場面が違いますが、
値幅を計算してラインを引きそこまで待つ、
これを習慣とする意識をもつことでトレードが著しく好転することでしょう。
価値計算で優先度がわかる
Xトレードを行う場合に何を優先すべきかで、
トレードそのものの方向性が変わってしまいます。
優先順位が定まっていないと正しい状況判断はできません。
優先順位が決まっていないことで、
時間足チャート、期間別の移動平均線、インジケーターなどに
いつも振り回されて、
適切なエントリーができない人が多い
相場の環境認識でトレンドの把握するために、
それぞれの手法で短期SMAと長期SMAでゴールデンクロスの上昇下降、
高値切り下げ、トレンドの方向感、
上昇・下降・レンジの判断などすべきことがたくさんあります。
しかし、実際のところチャートは動き、
多くの人は常に目の前のことばかりに気を取られがちになるでしょう。
結局、何を優先したらいいのか迷いが始まります。
FX相場は俯瞰的にみることが重要です。
そのためには、
現在の相場が全体的におよそどんな感じなのかを知ること
が大切です。
そこで推進波・調整波・推進波・調整波・推進波→レンジで停滞を俯瞰的にみて、
そこに値幅計算することで、チャートの読みがシンプル化されます。
さらに、損切・利確のタイミングが明確になります。
ここで優先度は、
全体を俯瞰的に読む→値幅を計算するというシンプルでわかりやすいものになります。
価値計算で残高が増える
価値計算を取り入れると、
決済ポイントが明確になることで迷いがなくなり、
残高は着実に以前よりも増えていきます。
多くのトレーダーが決済を迷っている間に素早く決済することで先手を打てるのです。
FXでは、よく「他のトレーダーの少し先を行け」といわれます。
チャートは、世界中のトレーダーの意識集合体です。
皆がその方向に行っているときは、
その少し先で決済することが重要です。
勝つトレードをしている人には迷いはありません。
価値計算では、利確が決まっていますから迷いがなく、
むしろ感情を入れずに機械のように決済できるトレーダーとなり勝率も上がるでしょう。
つまり、価値計算は意外と知っているが、
他のインジケーターに固守する余り本来あるべき決済をおろそかにしてしまうのです。
そうならないために、
残高を増やす価値計算を採り入れた手法をおすすめします。
まとめ
N値とE値を採用することで取引上のメリットがあります。
特に決済タイミングがわかるので精神的に安定しながら
「エントリーや決済を待てる」メリットは、
トレーダーが最も求めているものではないでしょうか。
今までのような感覚で行う取引から脱皮して、
シンプルでロジカルな手法であるN値・E値の計算による明確な利確設定と
「待てるトレード、ルールを守るトレード」を実践していきましょう。