FXトレードを行なっていく中で、
テクニカル分析手法などをマスターすることは重要ですが、
同時にメンタル面のトレーニングも必要です。
長期間FX投資を楽しむために、
FXトレードに適したメンタルを持つべきです。
この記事では、
鍛え方のポイントを含め解説をします。
FXにメンタルトレーニングが必要なのはなぜか
FXトレードにおいては、
メンタルのトレーニングが重要だとされていますが、
なぜメンタルが重要なのでしょうか。
FX初心者の方の中には、テクニカル手法をきちんと理解すれば、
それでFXトレードがスムーズにこなせると考えている方が多いですが、
実際のFXトレードにおいては、メンタルを鍛えることはとても重要です。
外国為替相場は、あらゆる市場参加者の売買の結果で動いています。
つまり人の意思により売買が行われる以上、
完全にパターンを読み切ることは不可能と考えるべきで、
様々な想定外の事象が発生します。
どんな想定外のことがあっても
冷静にトレードを続けていけるメンタルを鍛えておくことは、
FX取引において大変重要です。
FXでメンタルが弱くなる要因
FX取引において、メンタルが弱い要因にはどんなことが考えられるでしょうか。
誰しも損失を発生させることは避けたいところですので、
損失が発生すると嫌な気分になるのはしょうがないことです。
発生する損失に対して、どのようなメンタルの状態で臨めるのか、
初心者に多く見られるメンタルの弱い人の要因について解説します。
- 自分の中で基準が明確でない
- 経験が少ない
- デモトレードでは本当の経験にならない
自分の中で基準が明確でない
FXトレードをする上での取引の基準が自分の中で明確にできていない人は、
メンタルの弱いトレードを行なってしまいます。
自分の中で明確な取引基準ができていれば
周囲にあふれている情報に惑わされることもありませんし、
トレードで損失を発生させてしまっても
ためらいなく早めの損切に踏み切ることができます。
例)
FX関連の情報誌に、おすすめのトレード手法が紹介されていた
→なんとなくよさそうと感じる
しっかりと内容の精査せず、実際のFXトレードで試してみてしまう
周囲の情報に惑わされて、すぐトレード手法を変える
= 明確な基準が自分の中で確立されていない
自分の基準を持っていないと周囲の情報に過敏になってしまう
FX取引をするにあたっての自分なりの基準を持てるようにすれば、メンタル面でも強くなれます。
経験が少ない
FX取引においては、トレードの経験が少ないとメンタルを強く保てなくなります。
FXのテクニカル分析やトレンドラインの読み取り方をしっかりと学習したうえで
トレードに臨んだとしても、
学習した通りの相場になることはそれほど多くありません。
また、学習したシグナルが発生して、
シグナルに従って売買を行なったとしても、うまくいかないこともあります。
想定と異なることが往々にして起こるのが外国為替ですので、
経験が少ないとトレードがうまくいかなかったときに
メンタルを強く保てなくなってしまうことがよくあります。
デモトレードでは本当の経験にならない
FX会社のサービスで、
無料でトレードを経験できるデモトレードを活用して
経験を積んだつもりになる初心者の方も多いです。
デモトレードは、実際の相場の中で売買を行っていくので、
実践的な経験になると考えられそうです。
しかし、
「自分の資金」を使ってトレードをしないと本当の意味での「経験」にはなりません。
自分の資金の増減がかかっている緊張状態で売買エントリーをして、損得の結果をウォッチする経験は、デモトレードでは味わうことができません。
デモトレードでは、売買注文の出し方や決済の処理方法などを経験することはできても、トレードの本質まで経験をすることはできません。
FX初心者が陥りやすいメンタルが崩れる例
FX初心者は、トレードを行なう中で冷静なメンタルが保てなくなり、
危険なトレードをしてしまうことがよくあります。
FXトレードは、
常に冷静な状態で最初に定めた目標やトレード手法を維持することが重要です。
これに反して
逆にトレードができない心理状態に陥ってしまう
ことが往々にしてあります。
これから初心者が陥りやすい、メンタルが崩れている状態を解説していきます。
- ギャンブル感覚のトレード
- 常にポジションを持ちたくなる(別名:ポジポジ病)
- 早めの利確をしたくなる
- 損切りをためらう
- 負けが続き、トレードが怖くなる
- 自信過剰になりリスクのおきなトレードをしてしまう
それではそれぞれ説明していきます。
ギャンブル感覚のトレード
FX初心者の中には、FXはギャンブルだと捉え、
勘でトレードをしてしまう方がいます。
FXに始まり、投資商品は一か八かのギャンブルではありません。
想定していた相場の動きにならないことも多いですが、
テクニカル分析など最大限の研究と知識を持って、
最も確率が高そうなトレードをして、トータルで利益を狙う
これが基本的な考え方です。
FXをギャンブルだと思ってしまっている時点で、前提となる考え方が誤っています。
FXをギャンブルと考えている方は、
FXを長期間運用することは難しいでしょう。
常にポジションを持ちたくなる(別名:ポジポジ病)
FXトレードに慣れてきた初心者が次に陥りやすい状態が、
いわゆる「ポジポジ病」です。
ポジポジ病とは
常にポジションを持っていないと、もったいないと思ってしまう状態
自分がポジションを持っていないときに相場が動くと、
「せっかくのチャンスを逃してしまった」と考えてしまう
ポジポジ病は、FX初心者に起こりがちな、
早く利益を獲得したいという焦りの気持ちから陥ってしまう状態です。
ポジポジ病になると、利益を獲得できそうなチャンスを見いだせたわけでもなく、
根拠なくエントリーをしてしまいます。
そのまま損失を生んでしまって、
結局損失を積み上げてしまうという悪循環に陥ってしまうことも多々あります。
早めの利確をしたくなる
FXにおいて、損をする時の心理状態が注目されがちですが、
実は利益が生まれた時にも心理的なストレスになります。
人間の本性には、
手に入る利益は早く手に入れたいと考えるというものがあります。
一度利益が生まれたことを確認すると、
早く確定させてしまいたいというのは人間の本能的なところです。
しかし、
FXでは逆に損失を小さく抑え、利益を大きく獲得するというのが基本の考えです。
利益が少し出たからといってすぐに確定するのではなく、
可能性があるならもっと大きな利益を狙うというのがFXにおける基本の考え方です。
損切りをためらう
損切りをためらってしまうのは、FX初心者の多くが差し掛かる壁です。
誰でも損失を確定させることは嫌なものです。
含み損が発生しても、
もしかしたら反転して利益になるかもしれないと、
根拠のない希望を持ち、損切りができないというケースはとても多いです。
例)
含み損を抱えるポジションを持ち続けると・・・
→さらに相場が悪くなり損失が拡大してしまい、
最終的にロスカットになる危険があります。
ポジションを持ち続ける
=新しい売買注文が出せず、機会の損失につながってしまうリスクも
損切りは嫌なものですが、
予想と違った相場の動きになった時には早めの損切りがおすすめです。
負けが続き、トレードが怖くなる
学習した分析手法を用いてトレードをしたはずなのに
自信をなくし、エントリーが怖くなってしまう
ことも非常に多いケースです。
先ほど紹介した「ポジポジ病」の反対で、
利益が生まれそうな相場になった時でも、
「やっぱりだめなんじゃないか」とエントリーを思いとどまってしまう心理状態になってしまうことがあります。
チャンスを待つことはいいことですが、
自分が信じたエントリーポイントが発見されたときには、
損失の発生を恐れずトレードを開始する勇気が必要です。
自信過剰になりリスクの大きなトレードをしてしまう
予想したとおりに相場が動き、
連続で利益を獲得することができたとき、
自信過剰になってしまって高額のトレードに踏み切ってしまうケースもFX初心者には多く見受けられるケースです。
自分の資金力を考慮し、その範囲内でコツコツとトレードをこなしていくのが、
長期間FXを楽しむための秘訣です。
連続で利益を獲得できたことに自信をもって、
もっと一気に利益を増やしたいと考えるのは人間の本性かもしれませんが、
FXにおいては常に冷静になり、
トレードを開始したときのルールを破るようなトレードは行うべきではありません。
FXに適したメンタルの鍛え方
FX取引を行なううえで理想的なメンタルを持つための鍛え方は様々考えられます。
人それぞれに適した鍛え方がありますが、
FXにおいて一般的に推奨されているトレーニングの方法を紹介します。
特にFX初心者の方は、今回紹介した方法を一通り試してみて、
自分に合ったトレーニング方法を確立することをおすすめします。
- 決めたルールに従ったトレードを継続する
- うまくいかないときは、思い切ってトレードを一旦やめる
- トレード日記をつけて振り返りをする
決めたルールに従ったトレードを継続する
FX取引をするにあたり、
自分なりのルールを最初に決めてルールに従ってトレードを継続することは、
基本的なことでもありメンタルを冷静に保つために有効な手段です。
自分ルールとは?
例)
含み損が3000円に達したら無条件に損切りをする、
保証金率が100%を下回る場合はトレードをストップする、など
エントリーのポイントを決めておくことも有効です。
トレンドラインのレンジを使ったエントリーのみにこだわるなど、初心者の場合は特にパターンを決めておくことで冷静にトレードを続けられます。
取引額の上限を定める
自分なりのルールを決める際に特に考慮するべきこととして、取引額の上限を決めておくことがあげられます。
FXは証拠金取引であるため、レバレッジの倍率を高くしてトレードをすれば高額の取引が手軽に行なえます。
しかし、その分リスクが増すことになり、証拠金の金額によってはロスカットの危険も発生します。
最初に、一度に注文できる取引額を定めておき、これを超過するような取引は絶対にしないと決めておくのは、リスクの発生を制限できる有効な考え方です。
取引額を決めるメリット=リスク発生を制限できる
トレードごとに損切り注文を確実に行なう
トレードをしてポジションを持った場合、確実に損切り注文を入れておくことは、特に初心者の方におすすめです。
一定の相場に達した時に自動的に決済が実行される
指値・ストップ注文は、人間の心理的な欠点を補ってくれるとても有効な決済手段です。
仮に損切りする水準を決めていたとしても、
いざその相場に達した時に、
やはり損失を確定するのがためらわれてしまうというケースがあります。
自動損切りのメリット=損切りの際のメンタルの負荷が軽い
しかし、あらかじめ自動で決済される注文を行なっておけば、
ためらいを感じる前に自動で損切りを実行できます。
ストップ注文による損切りは、確実に行なっておきましょう。
うまくいかないときは思い切ってトレードを一旦やめる
ルールを決めてトレードをするといっても、
どうしても冷静になれず、うまくいかないこともあります。
特に損失確定が連続で起こると、
感情的になってしまうことは誰しも起こりえることです。
そんな時には一度トレードをストップし、
相場のことを頭から除外してしまうことも、
FX取引を継続して行うために有効なことです。
相場を一切見ずに過ごしてみると・・・
冷静な気持ちが戻ってきて、
心機一転トレードに客観的に向き合うことができることもあります
一般の投資家はプロのトレーダーではないので、
トレードを休むというのも選択肢の一つとして
考えられることを忘れないようにしましょう。
トレード日記をつけて振り返りをする
FXトレードについての記録をする
トレード日記はメンタルトレーニングに非常に有効です。
プロの投資家の多くの方が実践している手法で、
自分のトレードの記録を冷静に振り返ることができる、建設的な手法になります。
トレード日記に記録する内容に決まりはありませんが、
細かく記録した方が振り返るときに
より冷静にトレード実施時の状況を思い出すことができるのでおすすめです。
トレード日記とは?
→エントリー時の仮説と、そのトレードがどうなったのかの結果を記録
例)
自分がエントリーした時の想定を記録、
トレードの結果の記録、
仮説や決済の検証など
振り返る時のために、より細かい記録の方が◎
エントリー時の仮説と実際の結果の検証をする
トレード日記には、エントリーをした時の仮説と、
そのトレードがどうなったのか、結果を詳細に記録しましょう。
エントリーする際には何となくではなくきちんとした根拠を持つべきです。
日記に記録する際に、
エントリーした時の想定をきちんと文章で記録することで、
当初の予想が明確になります。
そのトレードの結果も併せて記録しておくことで、
想定した仮説がどのように決済されたのかを検証することで、
次回以降のトレードの参考にすることができます。
繰り返し仮説と結果の検証をすることは、
FXトレードを行なううえでの貴重な財産となります。
まとめ
FXを継続して行っていくためには、メンタルのトレーニングは絶対に欠かせません。
最初に決めたルールを最後まで貫き通す意志の強さが求められます。
トレードを行なう金額にもメンタルは影響を大いに受けるので、
生活が左右されてしまうような資金の投入の仕方は絶対に避けて、余剰資金を活用して冷静に臨める範囲の金額にとどめることも重要なことです。
メンタルとうまく付き合いながら、この記事を参考によりよりトレードができるように頑張ってくださいね。