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FX相場の転換を掴め!日足十字線のトレード手法を徹底解説!

為替相場の値動きを表すローソク足ですが、
その形状自体もテクニカルサインとして機能しています。

今回の記事では、
その中でも、相場転換の判断に役立つ「日足十字線」を利用したテクニカル分析の手法について解説します。

ローソク足の仕組み

FXトレーダーから広く愛用されているローソク足は、
為替相場の値動きを視覚的に捉えることができる上に、
カギ足やバーチャートに比べて分析がしやすいです。

そのため、ローソク足は初心者にもおすすめできるチャート形式です。

ここではまずローソク足を効果的に利用するために、
形成される仕組みを見ていきましょう。

ローソク足は値動きで形成される

ローソク足は以下の値から形成されており、
その形状から市場のトレンドや売買の強弱を判断することに役立ちます。

  • 始値→ローソク足が新規で形成された際の最初の価格
  • 高値→期間中で最も高い価格
  • 安値→期間中で最も安い価格
  • 終値→ローソク足が終了する時点の価格

ローソク足はこれらを可視化したものです。

始値より現在の価格が高い=陽線
始値より現在の価格が安い=陰線

となります。

また、一度高値(安値)をつけて再び始値の方に価格が戻れば、
その高値(安値)と現在価格の差が上ヒゲ(下ヒゲ)として
ローソク足に表示されることとなります。

そしてローソク足が確定した際の始値と終値の差が実体と呼ばれる部分です。

形状から売買の傾向を読み解く

値動きを基に形成されるローソク足を分析することで、
市場全体の売買傾向を判断することが可能です。

例えば、
上ヒゲを大きくつけたローソク足の場合は
高値をつけたところで強烈に売りが入ったことを示しており、
下ヒゲの場合は買い圧力が働いたことを示しています。

連続して陽線がでていれば
その相場は上昇トレンドが発生しているという判断ができます。

 

上ヒゲを大きくつけたローソク足
高値をつけたところで強烈に売りが入っている

下ヒゲを大きくつけたローソク足
買い圧力が働いている

連続した陽線
相場で上昇トレンドが発生中

一方、ローソク足分析で気をつけたいのは
時間足によって信憑性が変わってくるポイントです。

細かい値動きが反映される下位足よりも、
1時間や日足以上といった上位足の方が高い確度で大局の傾向を掴むことができます。

下位足より上位足の方が大局の傾向を掴みやすい◎

十字線とは

先ほど解説した通り、ローソク足は値動きによって形成されるもので、
始値と終値の差が実体として表示されます。

一方、ある条件が重なることで
以下のような実体が殆どない十字で形成されることがあります。

この十時線は、その背景にあるトレーダーの動向を知ることで、
その後のトレンドを予測することにも役立つのです。

始値と終値に注目する

十字線は、
高値と安値をつけた上で
始値と終値が殆ど同じ価格でローソク足が確定している状態となり、
上下にヒゲを残して実体は横線となります。

したがって、この背景には

買いと売り注文によって価格が揺さぶられたにも関わらず、
下落と上昇を狙うトレーダー同士の思惑が拮抗した

ことによって
結果的に始値まで価格を戻してきたという事実があります。

十字線が転換サインになる理由

先ほど解説した通り、十字線は売りと買いの拮抗を示唆しています。

したがって、それまでトレンドが発生していた場面での出現は
勢いの弱まりと判断することができるのです。

例えば、
売りよりも買い注文が強い地合いで
上昇トレンドが発生時に、高値付近で十字線が形成された場合は
「それまでの買いの勢いが弱まって売り注文との偏りがなくなってきている」
ということになりますので、
相場の転換サインとして利用することができます。

綺麗な十字でなくても機能する

チャートに現れる十字線で大切なのは形が綺麗かどうかではなく、
その裏でどのような思惑が交錯しているかです。

したがって、
十字線の中に多少実体があったとしてもサインとして有効であり、
ヒゲのバランスが偏っていても問題ありません

単純なローソク足の形状ではなく、
それを形成している背景を考察するようにしましょう。

ローソク足の形状よりその背景がポイント!

十字線の種類

相場の転換を表す十字線には形状によっていくつかの種類があります。

十字足の種類

  1. 基本形
  2. トウバ
  3. トンボ
  4. 一本線

それぞれが偶然出現するものではなく
相場状況に合わせた特徴を持っていますので、一つずつ詳しく見ていきましょう。

基本形

参考画像のような縦横に線が伸びた形となり、
先ほどの解説と同様、トレンド相場の終局サインとして利用出来ます。

また、方向感に乏しい持合い相場でも発生確率が高く、
いずれかの方向にブレイクする前兆としても活用できるでしょう。

ちなみにこの基本形ですが、
上ヒゲの方が長い場合や逆もありますので、
その形状と相場に応じて意味合いは多少変わってきます。

トウバ

長い上ヒゲをつけて逆Tの字となっている形状をトウバと呼びます。
これは日本の墓所に立っている塔婆に由来しています。

トウバとは?
長い上ヒゲをつけて逆Tの字となっている形状
買い圧力の高値が売り圧力で押し返された状態

買い圧力によって一度高値をつけたところ、
同じく強い売り圧力によって押し返された結果この形になります。

上昇トレンド中に発生・・・
売り圧力が強くなっているため要注意

下降トレンド中に発生・・・
一定の買いが出始めた警戒サイン

という判断に利用できます。

トンボ

トウバの反対にTの字を描くのがトンボです。

トンボとは?
長い下ヒゲをつけてTの字となっている形状
売り圧力に対して買いが入った状態

これは売り圧力に対して買いが入った状態となります。

トウバとは反対に、

上昇トレンド中に発生・・・
売りが入り始めた観測

下降トレンド中に発生・・・
買い圧力の増加による終局

という判断に役立ちます。

一本線

高値と安値をつけることもなく値動きがなかった場合に発生する形となり、
日本時間明け方等の薄商いの時間帯には見ることもあるでしょう。

基本的にこのチャートがでる際は
トレード自体をしていないことの方が多いので殆ど考慮する必要はありません。

一本線の場合、基本的にほぼ考慮する必要はない

一方、メインの稼働時間にこれが出現した場合は
システムトラブルといった何かしらのアクシデントが起こっている可能性があります。

いずれにしても、
トレードに活かす類のものではないと認識しておきましょう。

日足十字線を利用したトレード手法

ここからは、日足で発生する十字線のトレード手法を解説していきます。

日足は下位足よりも確度が高く、
週や月足よりも確定が早いことから
デイトレやスイング両方で相性のいい時間軸といえるでしょう。

一方、スキャルピング等の短期トレードに利用する際は、
日足十字線を観測したら
4時間から1時間といった具合に段階的に分析を落とし込んで下さい。

トレードの主軸になる時間足分析が重要となりますので、
大局を把握してから自身の土俵に活かすようにしましょう。

トレンド転換後の押し目と戻りを狙う

トレンド発生中に十字線がでた場合、
トレンド転換に合わせて押し目買いか戻り売りを狙います。

具体的には、

上昇トレンド中に十字線が発生し、
一旦の下落後再度高値付近まで戻してきたタイミング

で売りエントリーを仕掛けましょう。

FXの値動きは、
一度ブレイクした後に再度ブレイクした価格まで戻ってくることが多いので、
一度高値付近までの戻りを待って冷静にトレンド転換を確認するのが肝心です。

また、下落トレンドの転換はこの反対の作業となります。

ボリンジャーバンドとの組み合わせ

相場のボラティリティを分析するボリンジャーバンドと日足十字線を組み合わせれば、
調整段階での押し目、
戻りで順張りエントリーを仕掛けることができます。

ボリンジャーバンドのスクイーズ(縮小)後に
出現する日足十字線を目安に、
ミッドバンド(中心線)方向にトレンドが強まる傾向を利用したもの。
→エクスパンションし始める初動を狙うのがセオリー

一方、更に安全性を高めるには初動の上昇とエクスパンションを観察して、

±2シグマにタッチした後のミッドバンドへの調整時に順張り

すると良いでしょう。

トレーダーの売買需要が拮抗する十字線と、
ボラティリティの規模を計るボリンジャーバンドを合わせた有効な手法です。

フィボナッチとの組み合わせ

チャートの反発ポイントを可視化するフィボナッチも
日足十字線と相性が良いでしょう。

これはフィボナッチライン付近に日足十字線が発生した場合、
反発の根拠が二つ合わさることで確度が高まることを利用したもので、
押し目、あるいは戻りを狙った順張りはもちろん逆張りにも使えます。

実際のところ、フィボナッチ単体ではダマシにあう可能性も捨てきれませんので、
二つを合わせることで相乗効果が期待できます。

三尊やダブルトップ(ボトム)との相性が良い

トレンドの終局サインとなる
三尊やダブルトップ(ボトム)と日足十字線は特に相性が良く、
上手く利用すれば大きく利益が見込める右肩を掴むこともできるでしょう

具体的には、

天井高値付近で十字線が出現した後、
調整してネックラインで反発回帰したタイミング

を狙います。

二つのサインは同じ相場転換時に現れる性質を持っていますので、
根拠としては強くなり、
高い確度を持ってエントリーすることができるでしょう。

十字線トレードの注意点

ここまでご紹介した通り十字線は相場の転換サインとして利用することができ、
トレンドを把握しつつ大きな利幅を狙うことも可能です。

一方、分析してエントリーするためにはいくつかの注意点もありますので、
より効果を高めるために詳しく見ていきましょう。

ダマシに注意する

日足十字線は売買のバランスが拮抗した結果発生するサインであり、
それまでのトレンドが弱まって転換する前兆として利用することができます。

一方、十字線が一旦発生したとしても、
その後トレンド方向への圧力が継続して
十字線がサインとして機能しなくなるダマシも起こり得ます

したがって、
分析の際は「ダマシの可能性もある」という
もう一つの選択肢を念頭に入れておくようにしましょう。

すぐに飛び乗るのは危険

十字線ができそうだからといって、
ローソク足確定前にエントリーするのは少々危険といえます。

急な値動きが起こった際は当然十字線の形成は崩れてしまうためです。

急な値動きで十字線形成は崩れるので確定前のエントリーは危険!

十時線ができそうな時、
ローソク足が確定前にすぐにエントリーする

ロウソク足が確定した後に様子を観察してエントリーする方が良いです。

ローソク足が確定
最低でも一本、

あるいは二本分のローソク足が確定するまでは観察

焦って飛び乗ると大きな損失をだしてしまう可能性もありますので、
常に冷静なメンタルでトレードに打ち込むことが大切です。

下位足の十字線は根拠が弱い

テクニカル分析の基本は上位足での分析となりますが、
これには1分や5分等の下位足では細かい値動きやトレンド転換が頻繁に起こり、
根拠としては弱くなってしまうためです。

下位足で十字線が発生したからといってエントリーしてしまうと、
上位足の大きな流れに飲まれて損失が拡大する可能性があります。

下位足での十字線は、上位足の流れに飲まれ損失に繋がることも

大切なのは大きな目線の中で起こっている売買のバランスとなりますので、
分析の際は注意するようにしましょう。

1つだけの十字線で判断を固めない

十字線をトレードに取り入れる際は、
一つ出現したからといってトレードの強い根拠にしない方がいいでしょう。

二つ、三つと出現するほど根拠としては強くなります

そこに加えてテクニカルチャートも組み合わせて分析すると良いですね。

 

ローソク足からトレーダーの思惑を分析する

十字線はチャート上に表示されるサインとして利用しやすく、
比較的見つけやすいものとなっています。

一方、大切なのはその背景にある市場全体の売買動向です。

例えば多少十字線の形が汚かったり、
十字線になっていない場合であっても、
その裏側では売買の拮抗やバランスが変わり始めているというパターンが頻繁にあります。

したがって、
ローソク足から読み取るべきなのは表面的な形だけではありません
その裏側にある売買のバランスやトレーダー達の思惑であることを理解しましょう。

まとめ

今回はローソク足の仕組みや十字線ができる背景、
トレード手法について解説してきました。

売りと買いが拮抗することで発生する十字線は、
日足で分析することにより更に確度が高く、
デイトレやスイングベースでも活用しやすくなります。

三尊、フィボナッチ等のテクニカルチャートと組み合わせることで
更に根拠は強くなりますので、
積極的に分析に採用していきましょう。

一方、十字線を利用する際にはいくつかの注意点もあり、
それらが抜けてしまうことで損失が大きくなってしまうこともあります。

順調に利益を伸ばすためにも、ダマシや本質を理解して有効活用しましょう。