FXの収益をメインで生計を立てている人を『専業トレーダー』と呼びます。
専業トレーダーとしてみなされるのは、
どれくらいの基準となるのでしょうか。
この記事では、
FXの専業トレーダーとして生計を立てていくことの実情について解説をします。
専業トレーダーとしての基準とは?
専業トレーダーとは、
言葉の通り「FXの収入をメインに生計を立てている人」のことを言います。
専業トレーダーとは?
FXの収入をメインに生計を立てている人のこと
明確な基準はないが、FXで相当な収入をあげて生計を立てられる人
専業トレーダーになるための基準というものはあるのでしょうか。
FXの専業トレーダーという職業自体はありませんので、
専業トレーダーになるための基準というものが明確に定められているというわけではありません。
ただ、FXの収入で生計を立てている状態が専業トレーダーなので、
相応の収入をあげていないと基準を満たしているとは言えません。
どれくらいの収入を獲得すれば
専業トレーダーの基準を満たしていることになるでしょうか。
これからFXの専業トレーダーを目指す方も、
副業としてFXを行っている方もぜひ参考にしてみてください。
FXトレードでコンスタントに利益をあげていること
FXの専業トレーダーと言える基準として、
FXトレードにおいてコンスタントに利益を上げていることが最低条件と言えます。
会社員としての生活に嫌気がさして、退職をしてFXに専念しようといっても、
そこから安定してFXトレードによる利益をあげ、
生計を立てていけるかどうかが専業トレーダーの基準を満たしているかどうかを考えるポイントになります。
近年は、youtubeなど動画サービスでFXに関する情報を発信して
広告収入を得るという収入獲得方法もあり、
多くの専業トレーダーの収入源となっています。
人気のコンテンツを作るは難しいため、
FXを専業にしたいと安易に取り組んだ場合
安定した収入を上げるまでには至らないケースが多い
FX専業トレーダーには、思い立ったらすぐになれるというものではなく、
一定の実績を上げて利益を安定して得られる程度にまで勝ちを積み上げられるかが重要になります。
専業としての収益の目安は?
では、専業トレーダーとして生計を立てるための
収益金額の目安とはどれくらいでしょうか。
明確な専業トレーダーとしての基準はないため、
考え方は人それぞれではありますが、
一般的な会社員の収入を獲得することを考え、平均年収を基準に考えてみます。
30歳代の会社員男性の平均年収は、およそ500万円とされています。
この水準をFXトレードで目指すことを考えると、
月に平均して42万円程度の収益を安定して獲得していかないといけません。
月平均42万円程度の収益を安定して獲得
この数値は、少なくとも一朝一夕で達成できるものではありません。
しかもコンスタントに安定して毎月42万円程度の収益を獲得するとなると、
相当高いハードルであることがわかります。
専業トレーダーの生活にあこがれる方は、まずこの現実を理解して、
本当に生活していけるのかをよく考えてみましょう。
運用資金はどれくらい必要か
FXの専業トレーダーになるために、
運用資金はどれくらい必要にあるのでしょうか。
こちらも、特に基準が定められているわけではありませんが、
目指すべき収入の水準を考えると、多めに用意しておいた方が良いです。
FXは、レバレッジを生かして少額資金からでも高い利益を上げることができる点が魅力ですので、
初期運用資金はそれほどいらないのではないかと考える方も多いかもしれません。
しかし専業トレーダーとしてコンスタントに毎月収益を上げるためには、
勝ちと負けを繰り返しながら数多くのトレードをこなしていかないといけません。
毎月42万円の収益を上げるために・・・
月平均で5%の運用成績を目指す
→逆算して800万円以上の運用資金が必要
これとは別に生活費が必要と考えると、
ある程度の潤沢な資金があった方が安定して専業トレーダーを目指せるということになります。
専業トレーダーになるメリット
専業トレーダーとして生計を立てることはかなりハードルが高いことを紹介しましたが、
それでも目指したいと考える方が多いほど人気があります。
専業トレーダーになるメリットとはどんなところにあるのでしょうか。
専業トレーダーに求めるものは人によって異なりますが、
一般的にメリットといわれているポイントを紹介します。
- 自由時間が増える
- 場所を選ばない
- 利益に上限がない
これから専業トレーダーを目指す方は、
デメリットと合わせて総合的に考えてみることをおすすめします。
自由時間が増える
専業トレーダーになるメリットの1つ目は、
圧倒的に自由時間が増えることです。
専業トレーダーになれば、
もちろん会社員のように定時に出社するといった動きは必要なく、
ずっと自宅で過ごすことができます。
自分の自由に時間を使うことができ、縛られることがなくなります。
場所を選ばない
専業トレーダーになるメリットの2つ目は、
活動の場所を選ばないことです。
FXトレードは
インターネット環境があればどこでも活動ができるという点も魅力です。
自宅をメインに活動をしつつ、
パソコンを持ち出して喫茶店などでトレードをすることもできます。
その日の気分に合わせて活動場所を変えるという自由な活動ができるのも大きな魅力です。
利益に上限がない
専業トレーダーになるメリットの3つ目は、
獲得する利益に上限がないことです。
会社員などの職業では、年収がある程度決まっていて、
それ以上の収入を望むのは難しいですが、FXで得られる利益には際限がありません。
億単位の収益を上げるいわゆる「億トレーダー」も存在するほどです。
しかし、FXで高額の収入を、
しかもコンスタントに上げることはそれこそ一朝一夕にできるものではありません。
FXで専業になれるほど成果を出すには、
- 相場の研究
- 経済指標の分析
- 分析手法の検証・研究
など、相当な努力と時間をかけて
自身のスキルと知識を伸ばしていかないと達成は難しいです。
しかし、FXにかける努力と時間を惜しまず全力で向き合える方なら、
専業トレーダーになってどこまでも高い利益を目指すことができるのは大きな魅力です。
専業トレーダーになるデメリット
専業トレーダーになることには、
以上のようなメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。
むしろデメリットの方が多いと考える方が多く、
本当に専業トレーダーを目指したいと考える方は、
このデメリットの部分をよく考えて受け入れられるかどうかを検討しましょう。
- 収入が不安定になる
- 相場が気になり逆に自由がなくなる
- メンタル面での負担
- 税制面での負担
- 社会的地位の低下
専業トレーダーになれば、
まさに自身の裁量だけで生計を立てていかないといけなくなり、
守ってくれるものがなくなってしまうという覚悟を持って臨む必要があります。
収入が不安定になる
専業トレーダーになるデメリットの1つ目は、
収入が不安定になることです。
会社員のように、毎月安定した給料が支給されるということはなく、
FXトレードによって収入を確保していかないといけません。
毎月平均して目指す収入額を定めるものの、
その金額を確実に獲得できるかといえばそうではありません。
勝つ月もあれば負けが多くなる月もあります。
また、副業としてFXを利用して一定の利益を得ていた方が、
専業にするとうまくいかなくなるケースも多い
副業のレベルでFXをするのと、
専業としてすべての収入をトレードで稼ぐというのでは、
同じトレードスタイルを継続するわけにはいかず、
その違いに対応できない方が多いという背景があります。
相場が気になり逆に自由がなくなる
専業トレーダーになるデメリットの2つ目は、
相場が気になって逆に自由がなくなるという点があります。
専業トレーダーは自由に自分の時間を使えるのがメリットであったはずが、
逆に相場が常に気になってしまいいつでも相場をチェックしていないと安心できず、
結果的に自由な時間が全くなくなってしまうという状況に陥ってしまうケースが少なくありません。
土日は相場が動かないため、休養日とすることができます。
しかし、相場のことが頭から離れず、
休んだ気にならないという方も少なくありません。
精神的な自由が得られないケースが多いです。
メンタル面での負担
専業トレーダーになるデメリットの3つ目は、
メンタル面での負担感です。
FXトレードは、パソコンに向かって少しの操作で高額の利益を得られるという点で、
肉体的な負担はほとんどありませんが、
精神面では相当な重圧と闘いながらトレードをしないといけません。
しかも生活がかかったトレードをするストレスは尋常ではないといわれています。
FXトレードに、絶対に勝てるという状況はありません。
過去に大勝ちしたチャートパターンが再び現れたとしても、
同じような相場の動きをするとは限らず、
場合によっては全く違う動きを見せることももちろんあります。
これまで蓄積してきた利益が、
一度の間違ったトレードで一気に失ってしまうというリスクもあります。
そのような中でトレードを続けるのは、
相当なメンタル面での負担がのしかかることを覚悟する必要があります。
税制面での負担
専業トレーダーになるデメリットの4つ目は、税制面での負担です。
FXトレードで稼いだ利益に対しては、
一律で所得税と住民税が課せられます。
(海外FX利用の場合は税率が異なる)
利益に対しておよそ30%程度は税金として納める必要がある
さらに国民健康保険や国民年金などの負担も考えると、
手取り収入はかなり減ってしまいます。
その中で生活をしていく資金を確保していかないといけないので、
安定して高い利益を確保していかないと生計を立てること自体が難しいということになります。
社会的地位の低下
専業トレーダーになるデメリットの5つ目は、社会的地位が低下することです。
会社員という職業に就いていることは、
勤務する会社にもよりますが、社会的に見れば安定した地位があるとみなされ、
信用が必要な手続きをとることができます。
クレジットカードや住宅ローンの契約などは、
会社員として安定した地位がないと不可能であるケースが多い
専業トレーダーの社会的な地位は低く、
人によってはニートと変わらないとみられることも少なくありません。
社会的な地位がなくても、
現金さえあればたいていのことはクリアできるので、
FXトレードで高額の収益をあげられるなら問題はありません。
ただし、そう簡単に達成できるものではないという事もまた事実です。
専業トレーダーに必要な条件
専業トレーダーのメリットとデメリットをそれぞれ紹介してきましたが、
専業トレーダーとして活躍するために必要な条件や能力とはどんなものでしょうか。
傍目から見ると楽な仕事だと見られがちな専業トレーダーですが、
生計を立てていき、かつ利益を積み上げていくためには並大抵の努力では成り立ちません。
専業トレーダーに必要な条件として、下記の3つが挙げられます。
決めたルールを守る意思
自身のトレードの検証
専業トレーダーに転身することを目指そうとする方は、
必要となる能力や条件を理解し、
自身に適性があるかどうかを今一度考えてみることをおすすめします。
資金管理能力
専業トレーダーに必要な条件の1つ目は、資金管理能力です。
どれほどのポジションを持つことができるのか
どれくらいの相場変動が起こったらロスカットが迫るのか
これらを把握しておくことは必須です。
保有する資産とポジションとのバランスから、
どれくらいの余力があってトレードに活かすことができるのか、
常に理解をしながらトレードに臨み、
チャンスとあればいつでもトレードに臨めるように、資金管理と把握を怠らないことはとても重要です。
決めたルールを守る意思
専業トレーダーに必要な条件の2つ目は、
最初に決めたルールを最後まで守る強い意思です。
ルールとは、資金面・取引面どちらにも当てはまります。
資金面:保有する証拠金に対してのポジション数の把握・遵守
取引面:一回ごとのトレードで、損切・決済ポイントを変更しない
など
負けが続いて、何とか損失を取り戻そうと無理なトレードをしたり、
最初に設定した損切りラインを感覚に基づいて変えたりすることはおすすめできません。
最初に決めたルールは必ず守り、
トレードの後に検証するといった流れが専業トレーダーとしての一般的な姿勢といえます。
自身のトレードの検証
専業トレーダーに必要な条件の3つ目は、
自身のトレードの検証を納得いくまで行うことです。
FXトレードを行なった後、
勝った・負けたと一喜一憂するだけでは今後に生かすことができません。
自身が最初に立てた想定が果たして正しかったのか
使用している分析手法は適切なのか
→納得いくまで細部に至る検証することが重要
トレードごとにメモを取ると、
エントリーから決済までの考え方をまとめておくと後で検証がしやすいのでおすすめです。
まとめ
以上、FXの専業トレーダーになることについて紹介をしました。
専業トレーダーは、職業としては公認されているものではないため、
明確な基準があるわけではありませんが、余裕のあるトレードを展開するためにはある程度豊富に資金を用意しておいた方が良いです。
また、専業トレーダーとしての心構えや必要な能力などをよく考え、
自分に合っているかどうかをよく考えてから転身することをおすすめします。
想像するよりも過酷な生活となることが多く、
本当にトレードが好きでないと継続することは難しいです。