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海外FXと経済指標は関連が強い?注目の経済指標をおさえよう!

FXは外国為替の変動を利用した投資商品ですので、
相場に影響を及ぼす経済指標と強い関連があるといわれています。

この記事では、
ファンダメンタル分析において大変重要な要素と言える経済指標と相場の関連、
注目すべき経済指標について解説をします。

ファンダメンタル分析で注目すべき事項

FXトレードを行なう上で相場予想をする際に、
活用する分析手法は大きく分けて2つに分類できます

  1. テクニカル分析
  2. ファンダメンタル分析

と言います。

テクニカル分析は、
過去の有名なトレーダーが開発した相場予想用のツールです。

トレンド志向のツールから相場転換を読み取るツールまで、
あるいは短期トレードに向いたものから長期的な視点で取り組めるものまで、
様々な種類が用意されています。

テクニカル分析は、様々な種類がある分析方法

一方、ファンダメンタル分析とは、
世界各国で発表される経済指標や景気動向、通貨の価値の変動や要人発言などをベースにして、中長期的な視点で外国為替相場の予想を行なっていく分析手法のことです。

ファンダメンタル分析は、中長期的な視点で予想する分析方法

外国為替が変動するのは、
市場参加者の売買実行によりますが、
市場参加者の売買判断に際し、様々な要因が考えられます。

ファンダメンタル分析を考えるうえでも様々な要素を考慮する必要がありますが、
その中でも特に重要な要素を3つ紹介します。

通貨間の金利差

外国為替相場に影響を及ぼす事項の中でも、通貨間の金利差は影響が大きな要素です。

政策金利をベースに、各通貨はそれぞれの金利設定がされています。

例えば低金利通貨を借り入れしいて、
その資金で高金利通貨を購入してそのまま保有しただけで、
借入金利よりも受取利息の方が上回るため、難しい資産運用をすることなく安定して利益を積み上げていくことができます。

そのため、FXにおいては通貨間の金利差の変化や金利の上下動が起こった時に大きく相場に影響が及ぶケースが多くなります

通貨間の金利差は、相場に与える影響はとても大きいです。

市場介入

市場介入とは、
為替相場市場に政府や国家などの公の機関が介入して市場相場を意図的に動かそうとする対応のことです。

市場介入とは?
為替相場市場に政府や国家などの公の機関が介入して
市場相場を意図的に動かそうとする対応のこと

市場介入といっても
単純に相場を高めたい通貨を公的機関が市場で購入するという内容で、
特段の処理をするわけではありません。

しかし、その資金規模は非常に大きく、
外国為替相場に与える影響は非常に大きくなります。

一気に相場が反転してしまうインパクトの大きな処置となります。

市場介入を行なうタイミングは、一般的には公開されずにいきなり実行されるので、
予想するのが難しく影響度が非常に大きな事項となります。

経済指標

経済指標は、
公的機関や民間の経済関連各社が発表する経済に関する統計資料のことです。

経済指標とは?
公的機関や民間の経済関連各社が発表する経済に関する統計資料のこと

経済指標を発表する目的は様々考えられます。

例えば、

  • 今後の課題や改善ポイントを検討するための根拠とする
  • 現状の経済情勢を表現する際の裏付けとする

などの目的があります。

経済指標と一言で言っても、様々なものが含まれます。

各国がそれぞれ定期的に発表するものが多く、
特に有名で影響が大きいと考えている指標が発表された直後は、
外国為替相場が大きく動くケースが多くなります

経済指標は発表されるタイミングが決まっていて、
あらかじめ内容の予測も出されるので、
FXトレードで生かす際にも活用しやすいといえます。

アメリカの指標が重要

経済指標は各国の政府などが発表するもので、非常に多くの種類があります。

その中で特に注目度が高いのは、
やはりアメリカの経済指標であることは間違いありません。

アメリカの経済指標は特に注目が高い!

外国為替相場への影響度で考えると、
アメリカドルが資金規模も群を抜いて大きく、
他の通貨に相対的に与える影響度も非常に大きいです。

まさに基軸通貨となっているアメリカドルを扱っているアメリカが発表する経済指標は、
世界からの注目度が高く、相場に与える影響も大きくなります。

アメリカが発表する経済指標のうち、
例えば雇用統計など特に注目度の高い経済指標が発表される前後は、
外国為替相場は非常にセンシティブでダイナミックな動きを見せることが多いので注意する必要があります。

経済指標発表とトレードへの姿勢

経済指標の発表は、外国為替相場に大きな影響を与えることを解説しましたが、
実際のFXトレードに臨むにあたり、経済指標とどのように向き合えばいいのでしょうか。

特に影響の大きな経済指標が発表され、
かつその内容がサプライズを含むものであれば、非常に急激な相場変動が起こります。

これを生かしたトレードを展開するのが良いのか、
逆に避ける方がいいのか、考え方は人それぞれです。

ファンダメンタルズ分析は基本的に中長期のスタンスで臨む考え方ですので、
経済指標の発表直後におけるトレードに臨むかどうかは判断が分かれるところです。

重要な指標発表前後はトレードを避ける

一般的には、重要で影響力が大きい経済指標が発表される前後は、
トレードを控えるトレーダーが多いのが実際のところです。

予想できない相場の変動に臨むのは、危険であると判断するのが一般的です。

もし仮に経済指標発表直後にトレードに臨むときには、
損切りのストップ注文をあらかじめ行っておくことをおすすめします。

経済指標の内容次第では、非常に大きな値動きが発生し、
損切りをしていないと思いもよらぬ含み損を抱えてしまう危険があります。

特に中長期的なスタンスでFXトレードに臨んでいる場合は、
経済指標の発表前後の急激な相場変動は危険と判断し、避けるのが一般的です。

急激な相場変動についていく

逆に、あえて経済指標の発表のタイミングで
積極的なトレードをする方も少なくありません。

特にスキャルピングなど短時間でポジションを売買するスタンスをとっているトレーダーの方は、積極的に経済指標発表前後を狙ってトレードを行います。

影響の大きな経済指標で想定外の結果が発表された場合、
一方向に急激な相場変動が起こるケースが多い

発表直後に動いた方向と同じ向きのポジションを持ち、
瞬時に大きく値動きを見せて利益を獲得するという方法も魅力的な手法です。

やはり損切り注文を同時にすることを忘れず、
指標発表を狙ってトレードをするのも一つの戦略として考えられます。

注目すべき経済指標とは

注目するべき経済指標を紹介していきます。

経済指標は月に一回や年に数回などある程度決まったタイミングで発表されるものが多いため、心の準備がしやすいというメリットもあります。

インターネットや各種関連書籍などでは、
有名で影響が大きな経済指標の発表カレンダーなどが公開されていますし、
FX会社のホームページやトレード画面などでも情報提供がされていることもあります。

参考にして、FXトレードに活用していきましょう。

米国雇用統計

米国雇用統計は、世界的に注目を集めている、最も有名な経済指標の一つです。
アメリカの雇用情勢に関する情報が網羅された指標です。

米国雇用統計とは?
アメリカの雇用情勢に関する情報が網羅された指標

特に注目されるのが、
「非農業部門雇用者数」と「失業率」です。

世界中のFX市場参加者が注目し、発表直後には相場が大きく動くことが多いです。

事前に予想が発表され、その段階である程度トレーダーはポジションを織り込んでいきます。

そのため、予想発表のタイミングと実際の発表のタイミングで
相場が動くケースが多くなっています。

FOMC声明/議事録

FOMCとは、連邦公開市場委員会のことで、
FRBの理事7名と地区連銀総裁5名で構成されます。

FOMCとは?
連邦公開市場委員会のこと。
実施後の会議議事録や決定事項の声明が相場に影響しやすい。

日本でいうところの日銀に当てはまります。
FOMCは定期的に開催され、実施後に会議の議事録や決定事項の声明が発表されます。

その内容が、これまでの経済動向とどれほど乖離しているのかが注目されます

これまで経済は不況であったものの、
FOMC声明で回復の兆しが見えたような内容が発表されると、
為替相場はドル高に好転することが多くなります。

一般的な指標のように数値で示されるものではありませんが、
非常に影響が大きい事項の一つです。

フェデラル・ファンド金利(FF金利)

フェデラル・ファンド金利とはFF金利と略して表現されることが多いです。

連邦準備理事会(FRB)が発表する誘導目標金利のことで、
アメリカの政策金利と直結します。

フェデラル・ファンド金利とは?
連邦準備理事会(FRB)が発表する誘導目標金利のこと。
アメリカの政府金利と直結しているため相場に与える影響が大きい。

そのため、各国の市場関係者が非常に注目している指標で、
金利の上昇を発表した場合は大きくドル高に相場が動くケースが多いなど、
外国為替相場に与える影響は非常に大きいです。

アメリカドルの金利の変動は、
他の通貨の価値にも相対的に影響を与えるため注目度が高い指標です。

国内総生産(GDP)

GDPと呼ばれる国内総生産は、各国それぞれ発表するものですが、
特にアメリカのGDPは注目度が高く、
相場に与える影響も大きい指標となります。

GDPとは?
国内総生産のこと。
該当国で発生する経済的付加価値を表す指標。

国内総生産とは、該当国で発生する経済的付加価値を表す指標で、
数値が高いほど経済的な成長が見込める目安となります。

本来は、
例えば日本のGDPの数値が良ければ日本円の価値が高まると考えるのが一般的ですが、
近年はグローバル化が進み、
むしろアメリカのGDPの良しあしで他の通貨に及ぶ影響が非常に強くなっています

アメリカのGDPが世界的に常に注目される時代になっている

ISM製造業景気指数

ISM製造業景気指数は、
アメリカの企業の購買担当者に対して実施されるアンケートの結果をもとにまとめられた指標です。

ISM製造業景気指数とは?
製造業の景況感を示す指標。
アメリカの企業の購買担当者のアンケート結果を元にまとめられている。

受注状況や在庫、雇用状況や生産実績などを集計して結果として発表するもので、
製造業の景況感を推し量ることができる指標となっています。

0から100の数値で景況感を示し、
境目の50を上回るか下回るかが大きな判断の分岐点となります。

明瞭な指標で、数値で判断できるわかりやすい指標で、
こちらも世界各国からの注目度が高い指標といわれています。

消費者物価指数(CPI)

消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入するモノやサービスの価格を示す指標です。

インフレの度合いを探るうえで大変重要な指標とされています。

消費者物価指数(CPI)とは?
消費者が購入するモノやサービスの価格を示す指標。
金利の動向と関連が強い指数と言える。

CPIは、金利の動向と関連が強い指数といわれています。

物価上昇の傾向・・・金利の利上げ期待
物価下落の傾向・・・金利の利下げ期待

となります。

前年同月比あるいは前月比で比較をするケースが多く、
景気の動向を探るうえで重要な指標とされています。

ECB政策金利発表

ECB政策金利発表とは、
ヨーロッパの共通通貨であるユーロの政策金利に関する発表のことです。

ECB政策金利発表とは?
ユーロの政策金利に関する発表。
金利動向を示す政策金利の発表として、ドルに次いで非常に注目度が高い。

ECBとは、欧州中央銀行のことを指し、
EUの経済に直接的に関連する金融機関です。

ECB・・・欧州中央銀行
EUの経済に直接的に関連する金融機関

ユーロは、アメリカドルに次いで最も国際的な影響力が強い通貨ですので、
その金利動向を示す政策金利の発表は、非常に注目度が高いです。

ユーロに与える影響が非常に大きい指標となっているので、
特にユーロをメインにFXトレードをしている方にとっては必ずチェックしておくべき指標といえます。

予想に反して政策金利が上昇する方向の発表がされれば、
急速にユーロ高の相場動向が発生する可能性もあるので、
発表されるタイミングは常につかんでおきましょう。

IFO景況感指数

IFO景況感指数も、ユーロに与える影響が大きい指標で注目度が高いです。

これは、ドイツのIFO研究所という団体が調査及び発表をしている指標で、
ドイツ国内の約7,000の企業を対象にして
半年後の景況感を調査した結果をまとめたものです。

ドイツは、EUを構成する国家の中でも最も経済的に影響力が大きい国なので、
その景況感を示す指標はユーロに与える影響が非常に大きくなります。

ECB政策金利の発表と合わせて、
ユーロをメインにFXトレードをしている方にとっては欠かすことのできない経済指標といえます。

まとめ

今回は、経済指標とFXトレードとの関係を中心に解説してきました。
今回紹介した経済指標は代表的なもので、他にも注目するべき経済指標はたくさんあります。

いくらテクニカル分析のみでトレードをしているという方でも、
経済指標が相場に与える影響は無視できないほどのインパクトがあるので、
重要な指標が発表される時期は常にチェックして頭に入れておきましょう。

中でも米国雇用統計は毎月世界中の市場参加者が注目する大事な指標ですので、
いつ発表されるのか確実につかんでおき、
そのタイミングではトレードを避けるか逆に積極的に参加するのか、
方針を決めながら活用していきましょう。

https://min-fx.jp/market/usa-indicators/
https://navi-fx.com/fx-keizai-sihyou-791/#st-toc-h-9