バイナリーオプションとFXは、
為替相場の値動きを予想して、為替差益を狙う投資手法です。
「バイナリーオプションとFXは同じもの?」
「具体的に何が違うの?」
と疑問に感じる方も多いでしょう。
そこで今回は、
それぞれの具体的な違いやメリット・デメリットをまとめて解説します。
バイナリーオプションとは
まずは、バイナリーオプションの特徴を解説します。
これから外貨投資を検討している方は、
自分の性格や資金の面などを考慮して、適切な投資手法を選択しましょう。
- 上がるor下がるの2択で選択
- 取引時間:2時間毎に1回(業者による)
- 取引期間中、ポジションの解消可能
- その他規制
上がるor下がるの2択で選択
バイナリーオプションとは、
将来の決められた時間において、
為替レートが「指定したレートよりも上がっているのか、下がっているのか」を予想するオプション取引のことです。
バイナリーオプションとは
将来の決められた時間において
為替レートが指定レートより上or下を予想するオプション取引
オプションの権利を「チケット」という形式で購入し、
予想通りに相場が動いた場合は報酬が得られます。
「得られた報酬」-「購入したチケットの金額」=利益です。
一方で、予想が外れた場合は、
「購入したチケットの金額分だけ」が損失になります。
=バイナリーオプション取引の流れ=
オプションの権利を「チケット」という形式で購入
(「得られた報酬」-「購入チケット額」=利益)
予想が外れた場合:購入チケット額分のみ損失
取引時間:2時間毎に1回(業者による)
バイナリーオプションは、1日の取引時間が決まっています。
業者にもよりますが、2時間ごとに1回分の取引ができ、
1日に10回ほどのケースが多いです。
以前は、5分・10分後を予想する「短時間の注文」が多くありましたが、
時間が短いほどギャンブル性が高いという観点から、
2020年10月現在では2時間という規制が設定されています。
取引期間中、ポジションの解消可能
バイナリーオプションは、
「上がるか・下がるかを予想した後」でも、途中でポジションを解消できます。
相場が思わしくないと判断した場合は、既定の時間を迎える前に決済可能です。
逆に、予想通りの方向に相場が動いたとき、早めに利益確定することも可能です。
その他規制
業者側が「取引できない価格帯」を設定できなくなった
第一に、業者側が「取引できない価格帯」を設定できなくなりました。
以前は、設定したレンジに為替レートが収まらなかった場合は、
業者側が「オプション額を総取り」することになっていましたが、これが禁止されました。
業者側に「売買両方の金額」の提示義務が発生
第二に、業者側は「売りと買いの両方の金額」を提示する義務が発生しました。
これを2WAY方式と呼びます。
業者側のチケット提示価格は、常に変動制
第三に、業者側が提示するチケット価格は、
常に変動制で提示するようになりました。
注文を出す時間や設定レートによって、随時変動させる必要があります。
これらの規制は、
「投資家の立場を守るための規制」であり、不利益を被らないための対策です。
このことから、以前よりも安全性の高い取引として人気が集まっています。
バイナリーオプションのメリット
外貨系の投資は、ハイリスク・ハイリターンといわれますが、
バイナリーオプションは比較的に損失リスクが限定されており、
初心者でも取り組みやすい投資手法です。
ルールが単純でわかりやすい
取引時間が限られている
少額から取引可能
わずかでも予想のレートを上(下)回っていれば、満額利益を獲得
損失が限定される
バイナリーオプションは、損失を限定できる点がメリットです。
株式投資やFXの場合は、売買決済をしない限り、
相場の動向によっては「どんどん損失が拡大する」ことがあります。
一方で、バイナリーオプションの場合は、
「チケットの購入金額以上の損失」を被ることがありません。
余剰資金を考慮して、その範囲内でチケットを購入すれば、
想定外の損失にはならないため、初心者でも安心して取引できます。
ルールが単純でわかりやすい
バイナリーオプションは、ルールが単純でわかりやすいことがメリットです。
損益が決まるルールは、
「決まった時点での為替レートが上がっているか、下がっているか」
という2択になります。
他の投資の場合は、
相場の変動を見ながら適切なタイミングで売買します。
場合によっては、相場の動向を何時間もチェックすることがあるでしょう。
その点、バイナリーオプションの場合は、
相場の変動自体を追いかける必要がなく、判断するポイントも少ない
ので、比較的に初心者でも取り組みやすい投資商品といえます。
取引時間が限られている
取引時間を限定しているため、
常に相場状況を確認する手間がかかりません。
バイナリーオプションの取引時間・取引回数は、業者によって決められています。
注文する際に相場の動きを予想し、
注文を出してチケットを購入すれば、後は設定された時間にチェックするだけです。
他の投資商品のように、自分で売買のタイミングを考え、
最適なタイミングで決済する必要がないため、気軽に取引できます。
その他
バイナリーオプションは、
少額からでも取引できるため、余剰資金を活用してすぐに取り組めることもメリットです。
また、相場の変動が少ない場合でも、
「わずかでも予想のレートを上(下)回っていれば、満額の利益を獲得できる」点も挙げられます。
バイナリーオプションのデメリット
ここからは、バイナリーオプションのデメリットを紹介します。
判定時間の一瞬で全てが決まる
取引時間が限られている
利益額が決まっている
50%の確率のため、博打感覚になりがち
バイナリーオプションのメリット・デメリットの双方を把握して、
自分に合っている投資手法なのかを検討しましょう。
予想が外れるとゼロになる
バイナリーオプションは、
予想が外れると「投資につぎ込んだ資金がゼロ」になります。
チケット購入金額以上の損失は発生しませんが、
購入金額がすべてなくなる点はデメリットです。
取引期間中にポジション解消すれば、資金すべてを失うことはありませんが、
通常取引の場合は、購入金額はゼロになることを覚えておきましょう。
判定時間の一瞬で全てが決まる
判定時間の相場状況により、
「一瞬で損益の有無が決まってしまう」点が挙げられます。
例えば、判定時間の数分前までは利益が出る相場だったとしても、
一瞬で相場が大きく反対に動いてしまえば、結果的に損失になってしまいます。
相場状況によっては、一瞬で大きく変動することがあり、
とくに自然災害や要人発言、為替介入などがあるときは注意しましょう。
取引時間が限られている
バイナリーオプションの取引時間が限られている点はデメリットでもあります。
同じ項目をメリットとして紹介しましたが、
メリットにもデメリットにもなりえます。
為替相場のレートは常に変動していますが、
ロンドン市場・NY市場OPEN後など、取引量が増加すると値幅が大きくなります。
他の投資手法では、値幅が大きいほどチャンスですが、
バイナリーオプションの場合は取引時間が決まっているため、
目の前にチャンスがあっても取引できないことがあるのです。
その他
バイナリーオプションは、損失額が限定されている反面、利益の金額もあらかじめ決まっている点がデメリットです。
そのため、大きな利益を一度に上げるチャンスはありません。
また、上がるか下がるかの2択という性質上、
50%の確率で当たり・外れが決まるため、
博打と同じ感覚で取り組んでしまう方が多くいます。
しかし、実際はきちんとした相場の読解力、分析を重ねた研究結果が反映される、
れっきとした投資商品です。
博打感覚だと、すぐに資金を失ってしまうので注意しましょう。
FXの特徴
ここからは、FXの特徴について紹介します。
バイナリーオプションと同様、FXも外国為替により利益を目指す投資手法です。
一攫千金を狙って成功した事例などが紹介されるのも、逆に失敗して大きな損失を被ってしまったという失敗例が紹介されるのも、どちらもFXを利用した例が多いです。
そのため、ハイリスク・ハイリターンの象徴としての印象が強い面があります。
しかし、きちんとリスク管理をして取引をすることで、リスクを最小限に抑えられ、安全に取引できる投資手法です。以下でFXの代表的な特徴を紹介します。
- 証拠金取引とレバレッジ
- 24時間取引が可能
- スワップポイント
- 買い売りどちらでも取引開始可能
- 通貨ペアが豊富
証拠金取引とレバレッジ
FXの特徴の1つ目は、
証拠金取引を活用し、レバレッジを生かした取引ができる点です。
証拠金取引とは?
一定の資金を証拠金として置き、
資金額以上の売買を自由に行うことができる手法
レバレッジとは、「てこ」と訳すことができる言葉で、
証拠金を生かして、証拠金金額以上の取引ができることを言います。
FXの最大の魅力ともいわれ、
点が特徴です。
ただし、
逆に予想する相場と逆の相場観になった時に、
証拠金がすぐに失われてしまうリスクもあります。
24時間取引が可能
FXの特徴の2つ目は、24時間いつでも取引が可能である点が挙げられます。
相場が動いている間は、自分の好きなタイミングで売買注文を出すことが可能です。
したがって、相場が大きく動いてきたタイミングを見計らって売買注文を出し、
大きな利益が見込めるタイミングで決済注文を出して
利益を確定する取引を実施することができます。
思い通りに相場が動かないことももちろん多いですが、
相場の動くタイミングを過去の履歴から研究したり、
過去のパターンから将来の相場を予想したりして、
利益を追求する余地がたくさんあり、利益獲得のチャンスも多く、やりがいがあるのではないでしょうか。
スワップポイント
FXの特徴の3つ目は、『スワップポイント』という制度が挙げられます。
スワップポイントとは、銀行預金で言うところの利息と感覚的には近いです。
金利が高い通貨を安い通貨で買うポジションを保有していることで、自然に利息相当のスワップポイントをためていくことができます。
この特徴は、長期的な視点で投資をする方に向いた特徴です。
ただ、逆に金利が低い通貨を高い通貨で買うポジションを保有する場合は、
マイナスのスワップポイントがたまっていき、含み損となっていってしまうので注意しましょう。
その他
FXの特徴は、他にもあります。
例えば、どんな相場局面でも利益を追求できるように、
買いからでも売りからでも取引を開始することができる点が挙げられます。
相場が下がっていく予想をしている際には、
売りから取引を開始して相場が下がってから買い戻すという取引をして利益を獲得できます。
また、扱われている通貨ペアが非常に多いことも特徴の1つです。
FX業者によっても通貨ペアの数は異なりますが、
近年では扱う通貨ペアを増やしている業者も多くなっており、
様々な投資スタイルが試せる投資商品といえます。
バイナリーオプションとFXとの違いとは
最後に、バイナリーオプションとFXとの違いについて紹介をします。
バイナリーオプションもFXも、それぞれがメリットとデメリットを持っていて、
どちらが優れているかを簡単に判断することはできません。
利用する投資家ごとに適性や性格などがあり、
向いている手法があるので、
どちらがおすすめできるか、一概に決めることはできません。
両方の投資商品の特徴を理解し、自分に合った方を選択して挑戦してみましょう。
- 自由度の違い
- 損失の限度
- 取引時間
- その他(リスクリターンなど)
自由度の違い
バイナリーオプションとFXとの違いの1つ目は、
自由度が大きく異なる点が挙げられます。
バイナリーオプションは、取引時間も取引の相場も業者側が決定し、
投資家はそれにのっとって上がるか下がるかを選択します。
そのため、選択肢が狭くて簡単な反面、自由度はあまりありません。
一方、FXの場合は自分で売買のタイミングを決めることができ、
決済のタイミングも相場を見て自由に行うことができます。
考えるべきポイントが多くて難しい反面、
自由に取引をしたいと考える方に向いているでしょう。
損失の限度
バイナリーオプションとFXとの違いの2つ目は、
損失の限度額が挙げられます。
バイナリーオプションの場合は
購入したチケットの金額以上の損失が発生することはありません。
一方、FXの場合は相場が予想と反対に動いている中で、
そのまま放置しておくとどんどん含み損が拡大していき、いずれはロスカットといって証拠金をすべて失ってしまうという大きなリスクがあります。
損切注文などを活用して損失を拡大させない工夫をしないと、
FXは非常に危険な投資になってしまい、注意が必要です。
取引時間
バイナリーオプションとFXとの違いの3つ目は、取引時間の差が挙げられます。
バイナリーオプションの場合は1日に10回の相場設定回数が決まっているなど、
業者側が決めるルールにのっとって取引時間が制限されています。
一方、FXでは、
相場が動いている時間帯なら24時間いつでも売買注文を出すことができ、
時間の制限を受けることがありません。
初心者の場合は、自分で売買注文を出すタイミングが分からず難しいと感じる方も多いです。
外国為替の雰囲気に慣れるまではバイナリーオプションで実践をかさね、
その後FXに挑戦するという考え方が好まれているので、
試してみてはいかがでしょうか。
その他(リスクリターンなど)
バイナリーオプションとFXとの違いはほかにもあります。
FXが証拠金取引を生かしたレバレッジを効かせた取引が可能である一方、
バイナリーオプションは
決められた金額のチケットを実際の投資資金で購入するという点は大きな違いです。
バイナリーオプション:リスクもリターンも一定
どちらが自分に向いた投資手法なのか、よく考えて取引を行なってみましょう。
バイナリーオプションとFXの違いを理解して自分に合った運用を選ぼう
ここまでバイナリーオプションとFXとの違いついて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- バイナリーオプションの特徴
- バイナリーオプションのメリット
- バイナリーオプションのデメリット
- 取引時間が限られている事は、メリット・デメリットどちらにもなる
- FXの特徴
- バイナリーオプションとFXの違い
バイナリーオプションとFXには、それぞれ特徴があり、メリット・デメリットがあります。
違いを比較することで、自分に合った投資手法を選んでください。
近年では、バイナリーオプションとFXのデモ取引が用意されています。実際の相場を使って取引シミュレーションができるため、試しに使ってみましょう。