FX初心者は様々な理由で負けてしまいますが、よくあるメジャーなケースがコツコツドカンと呼ばれる現象です。
FXの世界で利益を出したい場合はコツコツドカンに合わないため、現象の内容と原因を知り、回避しなければならないため理解しておきましょう。
この記事では、FXの初心者が陥りがちなコツコツドカンの回避方法について解説していきます。
コツコツドカンとは最後で損失が出てマイナスとなる現象
コツコツドカンとは取引をコツコツ続けて積み上げていき、最後にドカンと大きな損失を出しマイナスで終わってしまう現象です。
コツコツドカンとは?
取引を続けていった結果、
最後に大きな損失を出してマイナスで終わる現象
最後に損失を出す直前の取引までは「コツコツ」と利益を出していたのが、
最後に「ドカン」と大きな損失を出してしまう構成が名称の由来です。
例)
10回の取引でコツコツドカンの場合
【1〜9回目】
5000円の利益
→ここまでは、計45000円のプラス
【10回目】
50000円の損失
→最終的に、計ー5000円のマイナス
FXにおいて勝率は重要ですが、勝率を高く保持したところで得た損益の結果がマイナスになってしまえば何の意味もありません。
最も大事な事は勝率を高さではなく
いかににプラスで終われるかを考えなければならないのが分かるでしょう。
最後の損失を出すまでは利益を出しプラスで終わっていた分、最後にマイナスへ落ちてしまうのは金銭だけでなくトレーダー本人の精神面にも相当なダメージとなります。
特に始めたばかりの初心者にとっては厳しいものです。
後述に説明する原因から特に初心者が陥ってしまいがちですが、コツコツドカンは誰にでも起こる現象であり初心者から脱したと感じたトレーダーも決して油断してはいけません。
コツコツドカンは結果的にマイナスの取引展開です。
コツコツドカンが出てしまう取引を続けてしまえば、
資金が減ってしまい最終的には市場から退場せざるを得なくなります。
FXで取引を続けたいと考えるトレーダーの方は、
初心者問わずコツコツドカンを回避しなければ市場に生き残れないといえるでしょう。
しかしコツコツドカンは最後で負けてマイナスになってしまうといえど、途中までは利益が出ているためトレード方法の全てに間違いが出ているとは限りません。
原因を理解し改善できれば途中の利益を増やし、
最後の損失を回避すると適切な取引ができるようになる可能性が高いです。
コツコツドカンが起きてしまう原因
コツコツドカンが起きてしまう原因は様々ですが、
一言で表すと「適切な取引ができていない」に集約できます。
適切な取引ができていないために利益は上がらず、損失が大きくなってしまうのです。
最後の損失が大きくなってしまう原因としては、
損切りが正しくできていない点が挙げられるでしょう。
コツコツドカンの原因:適切な取引ができていない
最後の損失が大きくなる原因:正しい損切りができていない
FXの相場に絶対はないため取引を行い100%確実の勝率は熟練のトレーダーでも出せない世界であり、取引を続けていれば必ずマイナスで負けてしまう場面は出てきます。
熟練のトレーダーは、マイナスで負ける場面において適切な損切りを行うことで損失が大きくなるのを回避し、総合した結果をプラスにできるようにトレードします。
コツコツドカンに限らずFXの初心者が負けてしまう原因としてよく挙げられるのが損切りができない点であり、損切りができなければ相場が逆へ動いた時にマイナスが膨れ上がってしまい大きな損失となってしまいます。
コツコツドカンにおいては精神面における原因もあり、マイナスの出る取引をする前に利益が出てプラスで終わっている取引が続いてるため、
余計に心理としてはマイナスを受け入れられず損切りができない状態です。
気をつけたいのは損切りができていないだけが原因ではなく『適切な損切り』ができていない点にもあり、例え損切りをしたとしてもするのが遅ければ損失が大きくなるのは変わらないため意味がありません。
そしてコツコツドカンにおける原因として最後のマイナスにあるのは確かですが、実は取引における心持ちという観点から見ると途中の利益が出ている取引にも原因があると見れます。
最後の大きな損失でマイナスになってしまう
→見方を変えれば、途中の取引で相殺できる程の利益を出していない
つまり、途中の取引も小さな利益で終わっているため
最後のドカンに繋がっているといえるでしょう。
利益が小さいのも損切りができないのと同じ原理で、
マイナスを出したくないためにプラスへ動いた時にすぐ決済してしまうのが原因です。
相場の流れ次第ですぐ決済し避難するのは正しいですが、
伸びる可能性がある相場ですぐ決済してしまうのは正しい取引とはいえません。
利益の面を見ればコツコツドカンの起こる原因として適切な取引は相場の分析を行い流れに乗ってこそできる行為なため、相場の分析ができていないと分かるでしょう。
心理的な原因としては、
ナンピンと呼ばれる行為
マイナスが大きくなりロスカット回避のため決済
などのケースが多いです。
枚数が増えることで動く金額も増えるため、
事態は改善に向かうどころか悪化する可能性が高く、ドカンの金額が大きくなる原因となってしまいます。
コツコツドカンにならないための回避方法
コツコツドカンの起こる原因を理解すれば、
回避方法としては以下を考えればいいのが分かるでしょう。
- 適切な損切りをする(ルールの徹底)
- 利益を伸ばす取引をする
- 精神面を考えて取引する
損切りや利益に関しては今すぐできますが、
最後の精神面に関しては本人の心持ちによる問題なためすぐ対処するのは難しい話でもあります。
そのためコツコツドカンの回避をすぐできるかは個人次第となりますが、理解し対処を続けていけばいずれ回避できるでしょう。
適切な損切りをする(ルールの徹底)
FXの初心者で適切な損切りができないのは、
自身で損切りに対するルールを決めていないのが原因と考えられます。
損切りのルールが決まっていないため、取引ごとにすべき損切りの対処が分からず、分からないために精神面、感情における裁量で決めてしまい損切りができずドカンの部分となってしまう可能性が高いと言えます。
適切な損切りをするには、取引を始める前にルールを徹底しましょう。
損切りのルールに関しては初心者の場合は相場の経験が少ないのもあり、
どのように決めればよいか迷ってしまう方も多いでしょう。
ルール自体は個人の運用資金とトレードスタイルにより変わるため、
まずはFXにおける自身の情報をまとめた上で考えた方がいいです。
ルールを決める上でやってしまいがちなのが「この数値まで動いたので損切りする」という行為であり、FXの相場は状況により流れが変わるため、単に数値だけで損切りするポイントを決めてしまうと対応できません。
損切りをするポイントとしては数値だけでなく相場の分析をした上で決めた方がよく、
テクニカル分析を始めとした反発のラインを目安にするのが適切です。
他に気をつけたい点としては、
逆に損切りを徹底するあまり、損切りのポイントをポジションを持った数値から近いところに置いてしまう行為です。
近いところに置くと損切りするポイントが逆に損失を生む原因となってしまいます。
損切りが原因で資金がマイナスになるのを『損切り貧乏』といい、FXで負けてしまうよくある原因の一つです。
損切りをするための注文方法
FXではリアルタイムで取引する成行注文以外にも様々な注文方式があり、実際に損切りのポイントを設置する上では必要不可欠といえる存在です。
FXの取引において最もよく利用するのは成行注文となりますが、
した後に損切りをする取引として役立つのが逆指値注文であり、
現在の流れとは逆のレートを指定して自動で決済をしてくれます。
FX初心者の方はコツコツドカンの回避だけでなく損切りをする上で
「成行注文をした後にすぐ逆指値注文も行う」という行為を徹底した方がよいです。
自然と行えるようになれば取引における損失も自然と抑えられるでしょう。
成行注文以外としては、
指値注文と同時に逆指値注文のできる『IFD注文』も損切りポイントを設定する注文方法、
逆指値だけでなくプラスで決済する注文も同時にできる『IFO注文』があります。
IFD注文とは?
新規の注文と、それに対する決済注文を同時に出すことができる手法
注文時に損失リスクを限定できる
IFO注文とは?
保有しているポジションに対する決済注文の手法
複数の指値注文を同時に出すことができる
利益と損失を同時に限定できる
逆指値だけか決済ポイントも決めたいかを考え使い分けましょう。
損切りに対する注文としては『トレーリングストップ』(もしくは『トレール注文』)と呼ばれる方法もあり、
利用すれば相場の流れに応じて損切りポイントが自動で動いてくれるため、
損切りした場合でもプラスで終われます。
トレーリングストップとは?
自動決済の注文方法の1つ。
現在のレートから所定の幅でストップ決済レートが変動するもの
この方法は、全ての業者で利用できる方法ではないため、
利用したい場合は実装している国内業者を選びましょう。
自分で損切りを決めるのが難しい方は自動売買のツールを利用する方法もあります。
しかし、基本的に自動売買はFXの初心者が利用するには難しいケースが多いです。
コツコツドカンの回避はできる一方で、
別の原因により大きな損失を出してしまう可能性が高いため手を出さない方がいいでしょう。
利益を伸ばす取引をする
コツコツドカンに限らず利益が伸びなければ、損失が出てしまった時にマイナスで終わってしまう可能性が高いです。
利益を伸ばす取引としては、
現在の相場を分析した上で大きな利益を狙える場面で取引するのが一番となり、
相場を分析するのに加え狙うべき場所で取引を行う判断が必要でしょう。
取引しなければ利益は出ませんが、
無闇に取引をしたところでマイナスになってしまえば意味がなありません。
例え取引回数が少なくとも1回の取引で大きな利益を出してしまえば問題はありません。
FXの初心者が利益を伸ばすためにすべき取引としては、
基本は順張りを狙って取引をすることにあります。
初心者はよく逆張りをしようとしてしまいますが、逆張りはリスクが一定以上ある取引なため、損失を出したくないという心理を余計に煽ってしまいます。
コツコツドカンに悩まされている方は初心者に限らず逆張りを封印し順張りのみで取引するのが適切であり、順張りで取引を続けて相場の流れが理解できてきたら解禁をしましょう。
相場の分析に関しては、トレンドかレンジかを見極めるのが基本です。
順張りをする場合はトレンド相場を狙った取引となるため、
今の相場がトレンドかを見極めて流れに乗るのが基本となります。
そして、相場の分析において理解しておきたいのは見るべき時間足です。
一つの時間足だけでなく
複数の様々な長さの時間足を確認して取引の判断をしましょう。
初心者がやってしまいがちな失敗として短期間の時間足だけを確認して判断してしまうことであり、FXの相場において短期間は長期間の影響を受ける関係から長期間も確認しなければなりません。
『時間足』をきちんと見比べよう
初心者の方はまず、
短期間と長期間、複数の時間足を見比べて分析するところから始めましょう。
相場の分析以外としては本人のトレードスタイルも関係があり、
短期間で何度も取引するスキャルピングは瞬間的な判断が必要となるため余計に小さな利益で終わらせてしまいがちです。
コツコツドカンに陥っている方でスキャルピングを行っている場合は、
デイトレードやスイングトレードなどの
ある程度のゆとりがあるトレードスタイルに変えた方がいいでしょう。
通貨ペアと時間帯を考えた取引
FXの相場は通貨ペアと時間帯により流れが変わってくるため、
利益と取引のタイミングは選ぶ通貨ペアと時間帯もポイントとなります。
通貨ペアはあまり激しい種類を選ぶと精神面を煽られて小さな利益で決済してしまいがちとなるため、初心者の方はドル円等のメジャーな通貨を始めとした緩やかな流れをしている種類を選びましょう。
しかしメジャーな通貨を選ぶ方も時間帯を考えず取引してはいけず、基本的に通貨ペアは参入する国の関係で夜に近づくほど相場の流れが激しくなり、夕方辺りからメジャーなドル円も一定の動きを見せ始めます。
動きが激しくなれば流れに振り回されがちですが、メジャーな通貨であれば激しさも手頃なため大きな利益を狙うチャンスとなり、逆に動きがほとんどのない昼に所有すると決済できず、時間帯の変わった流れに巻き込まれ損失を出してしまうケースが多いです。
メジャーな通貨で取引を狙う場合は夕方から夜にかけた時間帯が適切となります。
『経済指標』の出るタイミングは気をつけよう
重要な情報が出ると、今までの流れを無視して大きく動く可能性があるため
しっかりと把握しておきましょう。
最も動くのは真夜中となりますが、動きが大きすぎてリスクの方が高くなり、
真夜中となるためトレーダー側のモチベーションにも問題が出るため控えた方がいいです。
精神面を考えて取引する
損切りを適切にし、利益を伸ばす取引をするには自身の精神面、メンタルを操作できる術も必要です。
精神面に関わる取引として分かりやすいのは取引に利用する資金に関する件であり、
基本的には金額が大きくなる程人間の不安は比例して大きくなり少しの値動きで決済しやすくなります。
自分の精神面に不安が大きくならないよう以下を心がけましょう。
取引枚数と資金 = 失っても大丈夫と判断できる範囲
レバレッジ = 倍率を高くせずに平気な範囲の倍率
しかしFXには損失により資金が一定の金額を下回ると
強制決済、ロスカットが発動してしまいます。
このためあまりにも金額が少なすぎるのは問題となるため、
相応の資金で行った方がよいです。
できない場合は取引前に資金を用意する段階から始めましょう。
精神面としては直接取引するトレーダー本人の状態もあり、FXの取引に向かう姿勢はトレーダーにより違うでしょうができるだけ心落ち着かせて立ち向かえる状態にしましょう。
FXで勝つにおいては「休む」のも重要な行為です。
肉体的、精神的に疲れている場合は取引にも影響が出るため無理にやらず休むのがベストで、長時間チャートに向かって疲れが出てきた時も同様です。
スワップポイントを考えた取引
様々な方面から気をつけたところで取引に向かうと中々精神面で安定しないというトレーダーも初心者であれば珍しくありませんが、該当する場合は直接取引をするのではなくスワップポイントを狙って取引してみるといいでしょう。
『スワップポイント』は、
ポジションを保持していると日を跨いだ時に通貨ペアの金利差を利益としてもらえるシステムであり、
決済せずともポジションを保持しているだけで利益がもらえます。
保持だけでいいため決済に対して考える必要はなく相場を見て取引の判断をする時間も減るため、精神的にも疲労を少なくできるでしょう。
スワップポイントとは?
異なる通貨の金利差によって生じるポイントのこと
差額の利益を狙う通常の取引に比べ入手できる利益は微々たるものですが、
高金利の通貨を選び長期間保持しておけば馬鹿にならない金額となります。
スワップポイントを狙って取引する場合、
所有するポジションによってはマイナスとなってしまいます。
ですので、
- プラスとなるポジションを選んで取引
- 相場の流れを分析する
- ポジションがマイナスになりそうな時は決済し避難
をさせましょう。
国の情勢や相場の流れによりスワップポイントの金額も変わり、プラスだったポジションがマイナスになるケースも珍しくないため、
定期的にスワップポイントは情報は確認した方がいいです。
まとめ
ここまでFXの初心者が陥りがちなコツコツドカンの回避方法について説明してきましたがいかがでしたでしょうか。
コツコツドカンは損切りを適切にし利益を伸ばす取引をすれば回避できる、
という内容から分かるように対策してしまえば自然と勝てる取引ができるようになる問題です。
すぐに改善できるかはトレーダー次第ですが、コツコツドカンで悩んでいる状態というのは見方を変えればもう少しで利益を出せる段階といえるため、ある意味ではよい傾向に向かっているとも考えられます。
コツコツドカンに限らずFXでは精神面に対する向かい方も問題なため、コツコツドカンの悩みをチャンスと考えるのも大事といえる行為です。
ぜひこの記事を参考に解決策に取り組んでみてくださいね。