FXのインジケーターって何を入れたらいいのだろうって悩まれたことはないでしょうか。初めてFXをされる方はインジケーターという言葉に馴染みもなく、どのようなものかわからない方も多いのではないでしょうか。
実は、インジケーターとはFXのテクニカル分析を行なう上で欠かせないツールです。
この記事では、以下について解説していきます。
- インジケータとは何か
- インジケーターにはどんな種類があるのか
- 主なトレンド系インジケーターの使い方
- 主なオシレーター系インジケーターの使い方
- 初心者が入れるべきインジケーターは何がいいのか
- インジケーターはどうやって探せばいいのか
- インジケーターを使う時に注意すべき3つのこと
この記事を読めば、インジケーターとは何か、どのような組み合わせで利用すれば勝てるようになるかがわかるので、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもインジケーターって何?
『インジケーター』とは、為替レートのデータをさまざまな計算で加工し、売り時・買い時を判断するためのテクニカル指標です。インジケーターを使うと視覚的にトレードポイントがわかりやすくなるというメリットがあります。チャートやローソク足だけを見ているだけではわからないことも、インジケーターを使えばトレードの根拠を見つけやすくなるのです。
インジケーター = 売り時・買い時を判断するためのテクニカル指標
過去の為替レートの動きをもとに、今後の動きを予測ために使うツールで、主要なもので十種類存在します。また、取引ツールによって使えるインジケーターにも違いがあります。
インジケーターの種類
主要なインジケーターのほかにも、世界中のユーザーが自作したカスタムインジケーターが無数に存在します。それらは大きく分けると、「トレンド系」と「オシレーター系」の2種類に分類されます。
FXを行なう上では、テクニカル分析は欠かせません。
それは、多くのトレーダーがチャートの節目を意識してトレードしているからです。そのため、チャートの節目を知っておかなければ損をすることになります。
最低限メジャーなテクニカルのインジケーター分析をするために、どんな種類のインジケーターがあるかを詳しく解説します。
トレンド系インジケーター
トレンド系インジケーターは、トレンドを確認したり、トレンドの発生を予測するために使われます。現在の相場が上昇トレンドなのか、下降トレンドなのか、トレンドの勢いはどうかなどを判断することができます。トレンドを追いかける順張りを基本とするFXの投資戦略には欠かせないツールです。
順張り(トレンドフォロー)とは
トレンドは一度発生すると継続しやすい特徴があります。この波に乗って取引することはFXの王道戦略であり、トレンドの勢いが強ければ強いほど大きな利益を狙うことが可能です。
オシレーター系インジケーター
オシレーター系インジケーターは、今の相場が買われすぎているのか、売られすぎているのかを判断するのに使います。相場が上がったり下がったりを繰り返すレンジ相場では、上限・下限付近での反転を狙った逆張りが有効です。そのため、オシレーター系インジケーターは逆張りに向いたインジケーターです。
逆張りとは
一定の値幅で上下するレンジ相場では、相場が上がっている時に売り、下がっている時に買うことで利益を上げることができます。ただ、トレンドとは反対方向への取引を行うので、初心者には少し難易度の高い戦略です。
トレンド系の主要なインジケーター3つ
トレンド系のインジケーターの中で、よく使われるものには次の3つがあります。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- 一目均衡表
それぞれについて、解説していきます。
移動平均線
テクニカル分析の中で最も代表的なインジケーターが『移動平均線』です。一定期間の価格の平均値をグラフ化したもので、単純に平均したものから直近の価格を重視したものまでさまざまあります。価格変動が平均化されるため、トレンドの方向性が確認しやすくなる特徴があります。
ローソク足チャートと移動平均を組み合わせることで大まかなトレンドを知ることができ、各トレンドにおいて移動平均線はサポートやレジスタンスのラインにもなります。
また、ゴールデンクロスやデッドクロス、グランビルの法則など、価格と移動平均線の交差が売買のサインになりやすいのも特徴です。
ゴールデンクロスとデットクロス
『ゴールデンクロス』とは、下降局面を経て低迷する長期移動平均線を、短期移動平均線が下から上へ突き抜けることをいいます。これは、大勢が下値指向から上昇指向へと転換したことをあらわすので、買いサインとなります。
『デッドクロス』とは、上昇後の短期移動平均線が長期移動平均線を下向きに突破することです。これは、上昇基調から下降基調への転換をあらわすので、売りサインとなります。
なお、中期移動平均線が上向く前のゴールデンクロスや、中期移動平均線が下向く前のデッドクロスは、一時的な値動きでトレンド転換にはならないことが多いので注意が必要です。
グランビルの法則
『グランビルの法則』とは、移動平均線の傾きと価格の位置関係から買いポイントと売りポイントを見つける手法です。買いと売りのポイントは、様々あります。
グランビルの法則 = 移動平均線から買・売ポイントを見つける手法
「買い」と「売り」それぞれのポイントをまとめましたので参考にしてください。
- 移動平均線が横ばい~上向き始め、終値が移動平均線を上抜いた時
- 移動平均線が上昇時、終値が移動平均線を下回り、再度上抜く時
- 終値が上昇している移動平均線より上、移動平均線に近くまで下落したが、タッチせず再び上昇に転じた時
- 終値が下降し始めた移動平均線を下回って大きく乖離した時
- 移動平均線が横ばい~下向き始め、終値が移動平均線を下抜いた時
- 移動平均線が下降時、終値が移動平均線を上回り、再度下抜く時
- 終値が下降している移動平均線より下、移動平均線に近くまで上昇したが、タッチせず再び下降に転じた時
- 終値が上昇し始めた移動平均線を上回って大きく乖離した時
ボリンジャーバンド
『ボリンジャーバンド』とは、移動平均線に変動率(ボラティリティ)の概念を組み入れた指標です。中心線の上下に1標準偏差(1σ)、2標準偏差(2σ)のバンドを描くチャートです。統計的に価格は±2σまでのバンドの中に収まる確率が95.4%とされているので、バンドとの乖離が売買のタイミングの参考にされます。
ボリンジャーバンド=移動平均線にボラティリティの概念を組み入れた指標
トレンドが発生している時はバンドは広くなり、レンジだと狭くなります。また、バンドの幅が狭くなって収束に向かうと、次に強いトレンドが発生する可能性が高いので注意が必要です。
一目均衡表
『一目均衡表』は、基準線・先行スパン1と2・遅行スパンで構成されています。
基準線が相場の方向性をあらわし、転換線が基準線を下から上に抜ければ強気相場への「好転」、上から下に抜ければ弱気相場への「逆転」になります。
先行スパン1と2の間に挟まれた「雲」と呼ばれる領域は価格の支持帯や抵抗帯となります。そのため、相場が雲を抜けた時は相場の転換点となりやすいので注意が必要です。また、遅行スパンと26本前のローソク足がクロスした場合には強いトレンドが発生することが多いので、順張りでの売買ポイントになります。
オシレーター系の主要なインジケーター3つ
オシレーター系のインジケーターの中で、よく使われるものには次の3つがあります。
- MACD
- ストキャスティクス
- RSI
それぞれについて、解説していきます。
MACD(マックディー)
『MACD』は、短期と中期の指数平滑移動平均線(EMA)を使ったMACDとシグナルからトレンドの方向性と転換を判断します。EMAとは直近の数値をより重視した移動平均線で、一般的にはシグナルに9、短期EMAに12、中期EMAに26がよく使われます。
MACDは「短期EMA-中期EMA」で算出され、MACDとシグナルのゴールデンクロス・デッドクロスが売買の判断基準となります。
また、MACDのゼロ付近はレジスタンスにもサポートにもなり、プラス圏では強気相場、マイナス圏では弱気相場となり、0ラインから離れた位置にあるほどトレンドの勢いが強いといえます。
ストキャスティクス(Stochastics)
『ストキャスティクス』は、過去の高値・安値に対して、当日の終値がどのような位置にあるかを数値化した指標です。
短期線である%Kと、中期線である%Dの2本を使って相場の強弱を判断し、逆張り的に売買のタイミングを計るのに利用します。
一般的には、20%以下のエリアで%Kが%Dを下から上抜いた時に買い、80%以上のエリアで%Kが%Dを上から下抜いた時が売りのサインとされています。
RSI(Relative Strength Index)
『RSI』は相対力指数といわれるもので、値動きの強弱を%で数値化し、「買われすぎ」や「売られすぎ」など相場の過熱感を判断するための指標です。
70%以上が買われすぎ、30%以下で売られすぎとされています。つまり、30%以下で価格が反転した時に買い、70%以上で反転した時に売りと判断することができるのです。
また、チャートの価格が高値や安値を更新しているにも関わらず、RSIの数値が価格の動きと逆行(ダイバージェンス)している場合には、比較的強いトレンド転換のサインとなります。
そのほかのインジケーターの種類
トレンド系やオシレーター系以外にも、MT4には「ボリューム」「ビル・ウィリアム」「カスタム」などがあります。「ボリューム」には出来高関連、「ビル・ウィリアム」には著名トレーダーのビル・ウィリアム博士の著作で紹介されている指標、「カスタム」にはFX会社特有の指標が格納されています。
初心者はどのインジケーターを入れるべきか
テクニカル指標はさまざまありますが、初心者は移動平均線やボリンジャーバンドなど多くのトレーダーは利用しているテクニカル指標を使うべきです。
ほかのトレーダーがテクニカル指標をどのように活用しているかを学びつつ、自分なりの活用方法を見つけるためです。同様に、パラメーターの設定もポピュラーな数値がオススメです。
インジケーターの探し方
MT4の中には標準でさまざまなインジケーターが入っています。挿入方法は、メニューバーの「挿入」→「インディケーター」から、挿入したいものを選択することでチャートに反映することができます。さらに、カスタムインジケーターもFX系のフォーラムやインジケーターのまとめサイトなどからダウンロードすることも可能です。
また、TradingView(トレーディングビュー)では、公開ライブラリに世界中のFXトレーダーが作成したインジケーターがあり、自由に使うことができます。
インジケーターを使う時の注意点3つ
インジケーターを使う際には注意しなければいけないこともあります。以下に、インジケーターを使う時の3つの注意点について詳しく解説します。
- 複数のインジケーターを組み合わせて使う
- インジケーターは完璧ではない
- インジケーターを使うのは人である
複数のインジケーターを組み合わせて使う
これまで見てきたように、インジケーターはトレンド局面に強いタイプ、レンジ局面に強いタイプがあり、相場の状況によってはうまく機能しない場合もあります。そこで、それぞれの局面を補完するために、トレンド系とオシレーター系をそれぞれ最低1つずつは入れるようにしましょう。ただし、いろいろなインジケーターを試すよりも、数を絞って自分に合ったインジケーターを見つけてマスターするほうが勝率も上がるはずです。
インジケーターは完璧ではない
FXはインジケーターのサインにしたがってトレードすれば儲けられるというものではありません。あくまでテクニカル分析は過去の値動きを分析して未来の価格を予測するものなので、必ずしも予測通りになるとは限らないのです。
インジケーターを使うのは、あくまでも人である
たとえば、ものすごく性能の良いインジケーターを使ったとしても、勝てない人は勝てません。その原因は、インジケーターを使う人の考え方やチャート分析の方法に起因するからです。インジケーターを使うのは人ですから、利益が出ないのは必ずしもインジケーターやパラメーターが悪いとは限りません。あくまでも使う人の問題ということです。
インジケーターを使いこなして利益を上げられるようになろう
ここまで、インジケーターの種類や使い方について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- インジケーターとは、テクニカル分析に欠かせないツールである
- インジケーターには、トレンド系とオシレーター系の2つがある
- トレンド系インジケーター→トレンド相場に○
- オシレーター系インジケーター→レンジ相場に○
- インジケーターにはそれぞれ特徴があり、使い方を覚えることが大切
- 初心者は多くのトレーダーが利用するテクニカル指標を使うべき
- 複数のインジケーターを組み合わせて使うことで、トレードの精度UP
テクニカル分析にはダマシも多く、いくつものインジケーターを表示させながらロウソク足を見るのは、覚えることも多くて大変です。最初は面倒なことも多いですが、自分の中にしっくりくるものを見つけて使い続けることで、癖を見極めることができ安定的に利益を上げることができるようになります。
ぜひ自分に合ったインジケーターを見つけ、正しい使い方を身につけて、効率的に利益を上げられるように勉強してください。