FXスタートガイド

海外FXのロンドン時間とは?概要や注意点、利益をあげるコツを紹介

FXの
ロンドン市場・NY市場・東京市場は「世界三大市場」と呼ばれており、
各市場が開いているタイムゾーンのロンドン時間・NY時間・東京時間は
それぞれ値動きに大きな特徴があります。

今回は、世界最大の為替市場であるロンドン時間帯について解説します。

FXのロンドン時間とは?

外国為替市場は、
トレーダーに対して流動性と任意の時間に取引する機会を保証するために、
基本的に24時間いつでも取引できます。

ロンドン時間の取引量はFX市場全体の35%を占めているとされ、
その取引金額は1日あたり推定2.1兆ポンド(2.9兆ドル/320兆円)
とも言われています。

それでは、以下でロンドン市場の概要や値動きのパターン、注
意点などを詳しく解説していきます。

https://www.cmcmarkets.com/en-gb/learn-forex/forex-market-hours

ロンドン市場のOPEN時間帯

ロンドン市場が開く前の時間帯は、
フランクフルト、チューリッヒ、パリなどのEU諸国の市場が開かれています。

ロンドン市場は

ロンドン時間8:00(東京時間16:00)に開始
ロンドン時間16:00(東京時間24:00)に終了

します。

また、ロンドン時間帯は
アジア・中東・米国・EU市場が開かれている時間と重なるため、
ロンドン市場への参加人数が増えることで取引量も増加傾向にあります。

値動きのパターン

ロンドン時間は、
東京市場の終値とNY市場の始値と重なります。

そのため、ロンドン時間の取引は、市場全体を理解するためにも有益です。

例えば、東京時間で上昇・下降したときに、
ロンドン時間では上昇するか・下降するかのデータを蓄積することで、
東京市場とロンドン市場における値動きのパターンを判断できます。

また、東京時間で上昇した場合は
ロンドン時間で下降するなど、値動きが逆行しやすい傾向です。

そのため、過去のチャートパターンとして
上昇・下降する確率が60%を超える場合は有効な判断材料となります。

ロンドン時間帯の注意点

ロンドン時間は取引量が多くなり、
ボラティリティが高く上下動が激しいGBPJPY、GBPUSD、GBPAUDなどは、
時間帯と通貨ペアの性質からダマシが発生しやすい傾向です。

そのため、
東京時間とロンドン時間が重なるタイミング(東京時間16:00頃)や、
NY時間とロンドン時間が重なるタイミング(東京時間21:00頃)
は注意すべき時間帯です。

一方で、FXではチャンスとリスクは表裏一体なので、
注意すべき時間帯であるとともに、
逆にこの時間帯のパターンを上手く使えば大きな取引チャンスになります。

ロンドン夏時間と冬時間の変更時期

FXには夏時間・冬時間があるので、
ロンドン市場の開場・閉場の時間も1時間ずれます。

ロンドン市場は、

【夏時間】東京時間16:00~24:00
【冬時間】東京時間17:00~25:00

です。

また、夏時間・冬時間が変更されるタイミングは、

【夏時間の開始】3月の最終日曜
【夏時間の終了】10月の最終日曜日

となっています。

EU(欧州連合)の会議において
サマータイムを廃止する見通しがあり、
コロナ禍で先延ばしになって手続き等が止まっている状況です。

そのため、
2021年以降はロンドン時間の夏時間・冬時間は廃止される可能性があります。

ロンドン時間に注目すべきことは?

ロンドン時間帯でのトレードは、
ハイリスクハイリターンと考えることができます。

特に月末には、
ファンドマネージャー機関投資家が
FX投資の運用ポートフォリオを再構築するために
1旦全額決済を行う可能性があり、
その結果として、市場が急落する可能性があります。

月末は市場が急落する可能性あり

ロンドン市場が開場すると、
各国の個人投資家や機関投資家は世界経済の流れによって、
為替相場の憶測に応じ為替レートが一気に変動し、
ロンドン金融機関も外国為替の売買を行っているため、
市場の動きが活発になります。

ロンドン市場が開場すると、市場の動きが活発に

英ポンドに関連する通貨ペアだけでなく、
ユーロ・米ドル・日本円などの主要通貨ペアも活発になり、
さらにこれらを見越して、
多くの個人投資家が短期間で利益をあげようとレバレッジを高くするために、
大量の売買が発生し、市場価格の変動が大きくなるのです。

ロンドン市場の時間帯では、
この状況に着目することでトレードでの方向性を間違えなければ、
全体としてボラティリティが高いので利益をあげるチャンスが広がります。

なぜポンド(GBP)は非常に不安定なのか?

ロンドン市場の注目通貨である英ポンドは、
各通貨とのペアでもボラティリティが大きいのでリスクはあるものの、
ポンド通貨ペアの取引を好むトレーダーも多く、
外国為替では人気のある通貨です。

また、価格変動が激しいために投機的なトレードが行われることが多く、
価格変動はさらに激しくなります。

そのため、米ドルや日本円と異なり、
実際の需要取引の調整力が働きにくく、
ポンド価格変動の激動の要因になっていることが不安定要因の1番の理由です。

また、
通貨間の関係でポンドとの通貨ペアで取引するときに、
米ドルが「GBP→USD→JPY」の形で挟まれています

つまり、

ポンド>米ドル、米ドル>日本円の場合
日本円は弱く、ポンド円が強くなる
ポンド<米ドル、米ドル<日本円の場合
日本円は上昇し、ポンドが弱くなる

米ドルが間に入ることで、
ポンドと他の通貨ペアとの価格変動を読み取るのに複雑化して、
ポンドが不安定となる2つ目の要因となります。

英国・欧州の経済指標・要人発言

経済指標は多くのトレーダーがチェックしているので、
指標発表の前後は取引する・しないは、トレーダー個々のFX手法により違います。

しかし、総じて、
指標発表の前後30分から1時間前後は様子をみるトレーダーが多いのが現状です。

では、ロンドン時間での取引での指標や要人発言については、
注目すべき点や注意すべき点は、どんなことでしょうか?

ロンドン時間において、
トレーダーが注目あるいは注意すべき重要な指標は以下のとおりです。

ポンドの場合


四半期のインフレレポート
CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)
失業率/失業保険申請件数
CIPS製造PMI(英国マークイット/CIPS工業購買担当者景気指数)
四半期GDP
小売売上高など

 

ユーロの場合


ECBの政策金利発表
四半期GDP
消費者物価指数
購買マネージャーインデックス
景況感指数
失業率
小売売上高など

なお、ドイツの経済指標がユーロに影響を与えることも珍しくありません。

ECBとBOEの金融政策

ECBとは、欧州中央銀行で、
BOEとは、イングランド銀行のことです。

ECB= 欧州中央銀行
BOE= イングランド銀行

ECBは、ユーロ通貨圏(ユーロ圏)である19カ国の統一的な金融政策を担っています。

そのため、
総裁の発言などによりポンドやユーロ相場に影響を及ぼします。

特に年8回開催される公定歩合の引き上げ・下げなどの政策金利や
量的緩和策などの金融政策委員会の発表は注目されており、
その内容によってはポンド絡みのポンド通貨ペアに大きな影響を与えます。

一方、BOE(イングランド銀行)は、
リーマンショック以後量的緩和策を取り続けてきましたが、
EU離脱発表によりポンド安が発生したこともありました。

このようにECBやBOEの大きな政策発表は、
ポンド・ユーロと米ドルとの関係性で指標発表時に大きく上下する可能性があります。

ECBとBOEの金融政策とファンダメンタル指標

ファンダメンタル分析の取引を主体としているトレーダーであれば、
指標発表を予測して、大きな利益をあげることもあります。

テクニカル分析で特に単中期取引を主体とするトレーダーは、
指標発表や要人発言時には取引を避ける傾向にあります。

初心者のうちは、
ロンドン市場での大怪我を避ける意味でも

指標発表、あるいは要人発言の前後30分~1時間は取引をしない

という選択をした方がいいでしょう。

FX経験が長く、中級・上級のトレーダーであれば、
その指標発表の内容によって利益を伸ばすトレーダーもいます。

FXはいかにリスクを回避して損切りを少なくできるかがトータルでの勝利につながります。

NY市場と被る時間帯

ロンドン時間のスタート時間は、東京時間の終値と被ります。

一方、
ロンドン時間内の12:00(冬時間は13:00時)にNY市場がスタートします

つまり、

ロンドン時間の13:00〜16:00まで
NY時間と被っている=取引が活発化

します。

また、
金の価格を決めるロンドンフィキシング(London Fixing)は、
ロンドン時間の16:00(東京時間の24:00、冬時間では25:00)に行われます。

つまり、金の当日価格が決定されます。

金の価格は世界中で取引される金の価格の基準です。

その取引価格が為替レートに大きな影響を与えており、
金の取引価格はオイル取引とともに為替レートとの関連性が強く、
ロンドンフィキシングでの価格の結果によっては、
為替レートが大きく動く可能性があります。

ロンドンフィキシングによって大きなトレンドが発生する可能性もあるので、
ロンドンフィキシング前後の取引では相場の乱高下に備えておいた方がいいでしょう。

ロンドン市場は取引チャンスになる?

ロンドン時間だけでなく、ロンドン市場は世界市場の中心といえる市場です。

アジアから1日が始まり、
中近東市場 EU市場 NY市場で1日の取引が終わり、
また翌日の市場オープンにつながっています。

時間と金融市場の中間的位置にあるロンドン市場は大きな取引のチャンスがあります。

これらの点について、次の事項で詳しく説明します。

ロンドン時間帯の主役通貨

ユーロは、EU統合に際し1999年に誕生し比較的新しい通貨であり、
紙幣が実際に発行された2002年以降から徐々に増え続け、
2013年には米ドルの流通量を超えました

実は、
ロンドン時間で1番多く取引されている通貨は
英国通貨のポンドではなく、ユーロです。

ポンドもロンドン時間では確かに活発に取引されます。

全市場での通貨ペアの比率で、
取引の多い順番ベスト5は、

  1. EUR/USD 24%
  2. USD/JPY 13.2%
  3. USD/GBP 9.6%
  4. USD/AUD 5.4%
  5. USD/CAD 4.4%

となります。

もちろん、英ポンドもロンドン時間には活発に取引されています。
例えば、GBPUSDはロンドン時間に非常によく取引されている通貨ペアですが、
この時間に1番取引されているのはユーロ/ドルです。

ロンドン市場の経済指標と時間帯について

ロンドン時間は、アジア時間の取引の結果に反応し、ポジションを取ります。

そのため、ロンドン時間8:00の市場オープン時は、
世界市場の中で最もアクティブな時間となります。

ロンドンのセッションが開かれる8:00(東京時間16:00)から
しばらくは、強いトレンドが生まれるため、
トレンドフォローが有益になる可能性があります。

チャートが時間通りに正確に動くことはありませんが、
ロンドン時間10:00以降は市場オープンの動きに対してトレンドが逆転し、
このチャンスを狙うトレーダーもいます。

ロンドン時間では、
EURUSDの取引とEUR絡みの通貨ペアの取引が圧倒的に大きくなるため、
トレーダーはユーロに影響を与える経済指標に注目しておくべきです。

特にECB理事会による発表には注視しておくことが重要です。

 

【夏時間】東京時間20時45分
【冬時間】東京時間21時45分

に政策金利が発表されます。

その後、ECB総裁の記者会見が行われます。

発表を予測して予め取引をするトレーダーもいれば、
発表後を受けて、その結果でトレードするトレーダーもいます。

トレードのコツとしては、
指標発表時の前後はできる限りトレードを避けたほうが確度は高くなるでしょう。

FX取引量は世界1!ユーロ/米ドルの特徴

EURUSDは流通量が最も多く、
初心者のFXトレーダーに向いているといえます。

なぜ初心者に向いているのか、それぞれの特徴について詳しく解説します。

流通量が多いための特徴

1日のFX取引量は、1日500兆円ともいわれています。

アナリストや発表時期によっても多少前後しますが、
24%~30%の取引シェアがありますので、
単純に計算しても1日あたり120~150兆円の資金が動いていることになります。

したがって、株式のように偏りがちなチャートの動きではなく、
限定的なボラティリティで推移する特徴があります。

取引が活発になる時間帯の特徴

取引が活発に動いている時間は、
8:00~17:00(東京時間16:00~25:00)のオープンしている時間中、
比較的に満遍なく取引されています。

特徴として、ロンドンとNYが両方オープンしている時間帯において
値動きが大きくなります。

ロンドン時間帯で利益をあげるコツ

ロンドン時間で利益をあげるためのコツとして箇条書きで整理してみましょう。

ここにボックスタイトルを入力

  1. 市場開始時間に注視
  2. ポンド絡みの通貨
  3. リスクオン相場リスクオフ相場の理解

 

市場開始時間に注視

ロンドン時間の9:00以降は、
市場の開始時とは反対に動くことが多いです。

そのため

市場開始時と反対のポジションを取るトレードをする

と良い場合が多くあります。

 

ポンド絡みの通貨

ポンド円はボラティリティが高く、
収益をあげるための時間は通常より50%の時間で利益を出すことができます。

高リスク高リターンの相場は、忍耐が重要です。

ボラティリティが大きく発生するまで如何に待てるか

がキーポイントになります。

また、東京時間のあとに継続される順張りで
ボラティリティが一挙に伸びるときがあります。

リスクオン相場リスクオフ相場の理解

ポンド円取引のコツとして、

市場がリスクにさらされているとき(リスクオン)に上昇し、
市場のリスクが後退するとき(リスクオフ)に下落します。

市場リスクオン=上昇
市場リスクオフ=下落

リスクオンのときには、トレーダーは将来的に値が上がることを期待するので、
株式市場の上昇がみられます。

ロンドン時間とNY時間の違いは?

ロンドン時間はとNY時間は取引時間が被っており、
もっとも取引が多くチャンスの多い時間帯です。

それらの違いについて、各項目別で説明します。

ロンドンセッションを理解する

FXでのセッションとは、始まる時間から終了の時間のことであり、
ロンドンセッションは、朝8:00から夕方16:00(東京時間16:00から24:00)です。

ロンドンセッション=8:00〜16:00(東京時間16:00〜24:00)

ロンドンセッションタイムは、
世界が動き出す時間であり
トレーダーにとっては決して無視することができない重要な時間帯です。

また、NYセッションとの時間の被りがあり、
NY金融市場の動きと相まって、取引のチャンスが広がります

NYセッションが、市場取引の最終市場となり、
NY時間の終焉間際に調整の上下の動きがあります。

ロンドンセッションの特徴

ロンドンセッションの特徴として、
実需筋・投機筋・各中央銀行など大量な資金移動により
生まれる取引量の増大と流動性から、相場が大きな流れを生みだします。

つまり、トレンドの発生が起こるということです。

例えば東京セッションでいうと、
クロス円の通貨ペアのみの動きでしたが、
ロンドンセッションでは、クロスユーロの通貨ペアだけでなく、
他通貨ペアも大きく変動します。

したがって、東京セッションで取引をしていた流れが、
ロンドン時間8:00(東京時間16:00)を機に逆に大きく作用したり、
何事もなかったように上下動が発生したりします

そのため、ロンドンセッションは、
他のセッションに比べ圧倒的なパワーがあるといえます。

ロンドンセッションは、他セッションより圧倒的なパワーがある

さまざまなFX市場のボラティリティの比較

ボラティリティは、
トレーダーのエントリーが超短期・短期/中期/長期によりその捉え方は変わります

短期トレードを例にすると

東京時間では、
トレンドの分析ができれば、
トレンドそのものは緩やかでボラティリティがさほど大きくなく、
素直なので比較的勝ちやすい時間帯といえます。

東京時間を経たロンドン時間では、
ブレイクする値動きとなり、
東京時間で形成した値幅を大きく突き破る値動きが発生することが多くみられます。

東京時間と同様なトレンド方向に進む日もあれば、
逆方向にブレイクすることもあります。

しかし、そのボラティリティは
東京時間に比べて大きな値動きが発生するのがロンドン時間の特徴です。

ロンドン時間は24時間中で最も大きな値動きをみせる時間帯

ロンドン時間からNY時間へ

金融市場全般では、NY市場が中心ですが、
FXに限ると現在でもロンドンがその中心的な市場であり、
ロンドンの取引時間帯は為替市場で最も重要な値動きをみせます。

NY時間では、ロンドン時間に比べると自由にチャートが動く時間といえます。

世界最大の金融市場である米国でのNY時間は、
ロンドン市場と同じくもしくはさらに大きな値動きをみせることもあり、
東京、ロンドン、NYとブレイクを続ける場合もあれば、
まったくブレイクせずに当日値幅を逆行する動きもあり、
1言では説明できません

特にNYでは株式市場が大きく動く東京時間22~23時あたりから
大きく動きはじめてクローズまで続くこともあります。

ボラティリティの観点からみると、
ロンドン市場が最も大きいといえますが、
NY市場もときには、
ロンドン市場と同様またはそれ以上のボラティリティの大きな動きを示すことがあります。

ロンドンの休日にFXトレードをすべきではない理由

結論から述べますと休日が含まれる市場があるときは、取引を避けるべきといえます。

どこかの市場が休みであれば、
トレーダーは少なくなり、市場の動き方が大きく異なる可能性があります。

特にテクニカル分析のトレードは、
チャートが不安定な動きとなり、トレードそのものを行うことが困難

休日を含むFX市場では通常の日とは異なるため、
通常のトレード戦略が利益をあげる可能性は極めて低くなります。

一部のトレーダーや兼業とレーダは、
休日にトレードするように戦略を変更して、
休日を利用したい衝動に駆られトレードをしますが、難しいと考えるべきでしょう。

FX市場が休日のときは、それまでの最近のトレードを振り返り、
トレード成績を整理するなど、準備時間等に充てた方が、
次のトレードに良い効果を生みだすことにつながるでしょう。

まとめ

今回は、ロンドン時間について多角度で説明しました。

取引時間と取引量ともに
世界市場の中心的なポジションにあるロンドン時間では、
東京時間からのつなぎの傾向だけでなく、
アジア各市場の動向を受けての取引が続きます。

さらにロンドン時間がNY時間と被っているために、
株式市場や先物市場などを含めた金融市場として、
世界市場の中で最も大規模なNY市場との兼ね合いもあります。

FXトレーダーやこれから始める初心者の方は、
ロンドン時間の特徴などを把握して利益につなげてください。