投資を危険だと考える方の中には、
FXはギャンブルと同じだと思っている人も少なくありません。
しかし、FXにはギャンブルとは異なるポイントがいくつもあります。
この記事では
FXをギャンブルにしないための注意点を解説します。
ギャンブルと投資の違いとは
FXは数ある投資商品の中でも人気のある商品ですが、
FXをギャンブルと考えている方も多いです。
そもそもギャンブルと投資とはどのような違いがあるのでしょうか。
FXがギャンブルと決める前に、
まずはギャンブルと投資の違いをよく理解する必要があります。
FXは現在利用者が非常に多い人気の資産運用商品として普及していますが、
危険性も同時によく理解をして運用する必要があります。
ギャンブルにはギャンブルなりの楽しみがありますが、
資産運用とは区別して考えるべきです。
FXがどちらに分類されるのか、
自身で判断して利用するのかどうかを決めましょう。
主催者の存在
ギャンブルと投資との大きな違いの一つ目は、
主催者がいるかどうかという点です。
ギャンブルには、必ず「胴元」などと呼ばれる主催者の存在があります。
ギャンブルの種類によって仕組みは異なりますが、
主催者側は参加者から一定の利益を確保しています。
参加者のギャンブルにおける成果がどのようになっても
利益を確実に得られる仕組みになっています。
一方、投資においては主催者と呼ばれる存在はありません。
FXも、FX会社が各トレーダーから注文を受けるなどの対応をしますが、
大きな外国為替市場とトレーダーをつなぐような役割になっているため、
主催者とは性質が異なります。
ギャンブルでは、主催者の存在があるため、
もともと不利な状態からスタートしているという特徴があります。
娯楽か資産運用か
ギャンブルと投資との違いの二つ目は、
娯楽目的なのか資産運用目的なのかによります。
一般的にはギャンブルを行う人はお金を賭けてスリル感やハラハラ感を楽しむこと、
いわゆる娯楽としての利用が一つの大きな目的になっています。
一方、投資はあくまでお金を稼ぐことが第一義で、
資産運用目的で始めるケースが大半です。
もちろん利用する人によってギャンブルや投資に対する考え方は異なります。
たとえば、一般的にギャンブルと呼ばれる競馬において、
出走馬の過去の遍歴や実績、レースに向けての準備の具合、
当日のパドックでの様子などから
研究に研究を重ねて真剣に臨むという方もいるかもしれません。
逆に、本来資産運用で利用されるFXで、
自身が持てる資金を最大限につぎ込み、
めいっぱいレバレッジをかけて一か八かのトレードに臨むことが楽しいと考える方は、
明らかにFXをギャンブルとして楽しんでいます。
ギャンブルか投資か区別する際には、
その対象が何かという点ではなく
自身の中でどんな目的で臨むのかという点のほうが重要となります。
FXがギャンブルと思われやすい理由
投資に対して否定的な考えを持っている方や、
投資が危険で損失を被ってしまうと考えている方にとって、
FXはギャンブル同然だと思っているケースが多いです。
なぜFXがギャンブルと思われやすいのでしょうか。
それには、FX特有の特徴が影響していると考えられます。
数ある投資商品の中でも、
特にFXがギャンブルと考えられるケースが多くなっています。
株式投資や投資信託などほかの投資商品にはないFXの特徴によってギャンブル性があるとみなされています。
逆に、FXを好んで資産運用に利用している方は、
そのFXの特徴こそが魅力だと感じ、活用しているという側面もあります。
レバレッジによるハイリスクハイリターンの取引
FXがギャンブルと考えられる要因の一つ目は、
レバレッジを利用したハイリスクハイリターンの取引が展開ができる点にあります。
レバレッジとは、「てこの原理」という意味があり、
投入した資金を証拠金として、
その金額の一定倍に当たる規模の金額のトレードが可能となります。
レバレッジ
国内FX:最大25倍
海外FX:最大は数百倍〜
と、非常に高い利回りを狙えるゆえ
FXの大きな魅力の一つとされている
しかし、逆に一気に損失が膨らんでしまう危険性も同時にはらんでおり、
活用方法によってはギャンブル同然の活用もできるという点から、
FXがギャンブルと捉えられやすいポイントの一つとなっています。
外国為替相場の予想の難しさ
FXがギャンブルと考えられる要因の二つ目は、
外国為替相場の予想が非常に難しい点が挙げられます。
外国為替相場は、あらゆる要素が絡み合っています。
世界各国の主要な経済指標の発表前後は相場が大きく変動するケースもありますが、
逆にイベントなどが何もなくても、
いきなり急激に相場が動くことも少なくありません。
プロの投資家でも完璧に予想することは不可能とも言われることが多く、
将来の相場予想は非常に難しいです。
そのため、
外国為替相場を予想して為替差益を狙うのがメインの取引目的であるFXは、
ギャンブルと大して変わらないのではないかと考える方が多いです。
確かに予想が確実にできない点は否定できませんが、
FXでは難しい相場の予想において
少しでも確率を上げるための分析ツールや便利な注文方法がたくさん用意されています。
FXをギャンブルにしないためのポイント
FXは、れっきとした資産運用商品であることは間違いありませんが、
利用の仕方によってはギャンブルと同じような使い方ができてしまうので注意する必要があります。
特に負けが続いたり損失が増えてきたりすると
冷静な判断ができなくなり、
普段では実行しないような無理なトレードを行なってしまうことがあります。
その場合、結果的にギャンブルのような取引になってしまうケースも考えられます。
徐々に金額を大きくしていく
以下にFXをギャンブルにしないためのコツを紹介するので、
特にFX初心者の方はチェックしてみてください。
少額取引から始めて練習する
FXをギャンブルにしないためには、
常に冷静に相場を読んで、
適切なボリュームと判断でトレードに臨むこと
が求められます。
FXを始めたばかりの方は、
トレードのルールや雰囲気がわからずレバレッジを最大限にかけてしまうなど危険なトレードをしてしまうケースがあります。
まずは、
投資資金を少なくして繰り返しトレードを行ない、
FXの取引になれることから始めてみましょう。
いきなり高額の資金で臨むと・・・
損失が大きくなってしまった場合
冷静な気持ちでトレードに臨めなくなってしまう
まずは必要最低限の金額で、
なおかつ失ったとしても生活に支障が及ばない余剰資金で練習に臨むことをおすすめします。
少額で取引できるFX会社を選択する
少額の規模でトレードをするにあたり、
FX会社ごとの最低取引通貨単位が低い会社を選択する
というのも非常に有効な考え方です。
国内FX会社では、
最低通貨単位を1万通貨や1,000通貨に設定しているケースが多いですが、
中には、1通貨単位で取引ができるFX会社も存在します。
1通貨単位が最低単位ということは、
ほんの数百円あれば十分に本番トレードを経験することができます。
もし仮に損失を出したとしても大きな負担感もなく、
初心者でも冷静な気持ちでトレードを継続できる規模といえます。
1通貨単位でトレードができる会社は、
もちろん設定次第で最も大きなボリュームのトレードも可能なので、
最低通貨単位が低い会社を選定して口座開設を行ない、
トレードの経験を蓄積していくのも魅力的な取り組み方です。
徐々に金額を大きくしていく
FXをうまく活用するには、
最初は少額で取引を行ない
慣れてきたら徐々に取扱う通貨の規模を大きくしていく
のが一般的な方法です。
トレードを繰り返し経験していく中で、
リスクヘッジの方法やコツ、資金管理の重要性がつかめてきます。
少額の規模でもきちんと資金管理ができるようになれば、
その規模が大きくなったとしてもやることは同じです。
少額での取引である程度の勝率を確保できるようになってきた
と実感することができるようになってから、
レバレッジを活かしつつ徐々に取引額を増やしていき、
投資効率をどんどん高めていきましょう。
FXを投資として活用する手法
FXを資産運用目的の投資として活用するためには、
当たれば一獲千金、外れればゼロ、といった無謀な取引をするのではなく、
リスクをコントロールしながらトレードを行なっていく必要があります。
FXはそもそも外国為替という不確かで予想が難しい市場を利用しているため、
失敗するケースも必ず起こりえます。
いつも勝てるというわけではなく、
負ける可能性があることを常に意識して、
そのリスクを限定的にしたりリスクの範囲をコントロールするなどの対処をすることで、
一獲千金のギャンブルではない、
安定した資産運用商品としての活用ができるようになります。
ギャンブルにならないためのFXにおける取り組み方について、
以下に4項目を紹介します。
- 資産管理
- スワップポイント運用
- 損切り設定
- レバレッジを高くしすぎない
それではそれぞれについて解説していきます。
資産管理
資産管理と一言で言っても、
様々な視点からの管理方法が考えられます。
あとどれくらいのポジションを持つことができるのか、
ポジション維持率の範囲を決めて順守
現在保有しているポジションにおいて、
あとどれくらい相場が変動すればロスカットとなってしまうのか
を常に意識することなどが資産管理の例となります。
なんとなく思い付きでトレードを展開するのではなく、
自身の中で、
口座の総資産の状況を把握する
など、常に管理の視点を忘れずトレードに臨むことで、
資産運用方法として有効にFXを活用していくことができます。
スワップポイント運用
FXには、相場の変動を利用して為替差益を獲得する方法以外に、
もう一つ収益を獲得できる要素があります。
それが『スワップポイント』です。
スワップポイントとは?
異なる通貨の金利差によって生じるポイントのこと
通貨間の金利差を調整するために導入されている制度で、
金利が低い通貨で金利が高い通貨を購入するポジションを持ち越しすることで、
プラスのスワップポイントが加算されます。
スワップポイントは、少しずつ積み重ねて貯めていくことができるので、
長期的な視点での投資に向いています。
スワップポイントによる資産運用の場合は、
無理なレバレッジを利かせる必要もありませんし、
日々の相場変動を気にしすぎる必要もなく、
ゆったりとした気持ちでFXに取り組むことができます。
コツコツと少しずつ資産を貯めていきたい方におすすめの運用方法で、
明らかにギャンブルとは一線を画す運用方法といえます。
損切り設定
FXには、
指値注文や逆指値注文など便利な注文方法が用意されています。
あらかじめ指定しておいた相場に到達した際に、
自動的に約定が実行される仕組みがあります。
損切り設定とは?
ポジションを保有している決済注文を逆指値で設定しておく
特にポジションを保有している決済注文を逆指値で設定しておく、
いわゆる損切り設定はリスク軽減における効果が非常に高いおすすめの方法です。
損切りを自分の手で行なうのは、
「損失確定」という行為となり抵抗感・・・
あらかじめ損切り設定
→個人の感情に左右されず確実に損切り
を実行できるのでオススメ!
損切りは、想定以上の損失を発生させない目的で実行されます。
FXにおいては非常に重要な手法で、
安全な資産運用を考えるうえで必要不可欠な処理です。
指値注文や逆指値注文を駆使して、FXを資産運用商品として効果的に利用しましょう。
レバレッジを高くしすぎない
FXにおいて最も危険な取引となるのが、
レバレッジを過信しすぎるケースです。
FXの最大の魅力であり、
リスクも大きくなる要因であるレバレッジを上手に利用することが、
FXを安定した資産運用商品として活用するポイントとなります。
証拠金に対して大きすぎるポジションを持たない
といった基本的な注意を怠らなければ、
レバレッジが高くなりすぎることを防げます。
まとめ
以上、FXはギャンブルなのかどうかという点について紹介をしてきました。
FXは外国為替相場を利用しており、
非常に予想が難しくいつもうまくいくとは限りません。
その点でギャンブルと同義だと考える方も多いですが、
損切り設定や資金管理を徹底して行なうことでリスクを限定しながら資産運用をすることができます。
FXをギャンブルとしないように気を付けながら
安全なトレードに取り組んでみてください。