FXスタートガイド

海外FXにおける期待値って初心者は何に注目すればいいの?リスクリワードを生かす方法を紹介!

FXトレードを進めるうえで、期待値を考えることは重要です。

長期的な視点で実績を予想する際に、非常に有効な考え方です。

この記事では、
FXにおける期待値の重要性、算出する方法、期待値を高めるための方法などを紹介していきます。

FXにおける期待値とは?

FXにおいて、期待値とはどんな考え方でしょうか。

FXでの期待値とは、1回当たりのトレードで獲得できる利益の平均値を指します。
期待値は、一般的には円の金額あるいはPips数で表現されます。

FXでの期待値とは?
1回当たりのトレードで獲得できる利益の平均値。
一般的には円もしくはPips数で表現される。

仮に、期待値が1Pipsの方の場合で、
1回当たり10Lotでの取引を10回繰り返したとしたら、
期待値から予想される利益の金額は、
10×10×1=100Pipsということになります。

期待値を算出してあらかじめ利益の規模や数値を算出しておくことで、
トレードの目安としたり目指すべき利益の規模や金額の目標設定に活用することができます。

ただやみくもにトレードを繰り返すだけで目標設定をしないというのは、
FXトレードを行なう上でおすすめできることではありません。

FXにおける期待値は、1回当たりの利益平均を表す指標として活用できる

期待値はなぜ重要なのか

期待値をベースにFXトレードを進めていくトレーダーはかなり多いですが、
期待値が重要な理由とはなんでしょうか。

期待値を算出して目安とすることで、

  • 普段使用しているトレードの手法
  • トレードに対する分析の考え方

を見直し、改善していく指標とすることができる点です。

あらかじめ定めた目標としての期待値に到達しているか、
定めたルールは適切に稼働しているか、チェックする指標として活用することができます

期待値以外にも、自身のトレード結果をチェックする方法はありますが、
単純にどれくらい儲かったのか、その金額だけを見ても、
トレード手法の詳細の評価につなげるのは難しいです。

期待値は、あらかじめトレードの目標を数値面で定めるのと同時に、
利用したトレード分析手法の通信簿のような感覚で、
評価をする際の指標とすることができる重要な数値といえます。

FXとギャンブルが違う理由の一つ

FXはギャンブルと同じようなものと考えている方も少なくありませんが、
FXにおいては様々な要因からギャンブルとは大きく違うものということができます。

期待値の面も、FXとギャンブルが大きく違う理由の一つです

ギャンブルにおける期待値は非常に小さく、
かつ自身の努力や工夫で期待値を上昇させることはほとんどできません。

一方で、FXの場合は

  • 用いるトレード手法を変更
  • 過去の取引データの検証や分析
  • エントリー手法の改善

をしたりすることで期待値を上昇させるように努力することができます。

さらに、ギャンブルの場合は100かゼロかのやり取りになるのに対し、
FXでは損切りや利確のポイントを設定してリスクヘッジや利益の上昇を期待するなどの判断のポイントがたくさんあります

確かに外国為替相場は予想外の動きをすることもあり、
ギャンブル的な要素がないとは言えませんが、
期待値をコントロールできる点から、
純粋なギャンブルとは違う性質を持っているといえます。

FXにおける期待値の計算方法・計算例

FXにおける期待値の計算方法を紹介します。
FXにおける期待値は、以下の計算式で算出することができます。

(勝率×勝ちトレードの平均利益)-(負率×負けトレードの平均利益)

期待値を算出するためには、

一定期間における勝率
勝ったトレードで得た利益
負けたトレードで負った損失

をそれぞれ算出する必要があります。

例)
100回のトレード中、60回勝ち/40回負け
勝った時の利益累計:600Pips
負けた時の損失累計:200Pips

期待値
(60%×10Pips)-(40%×5Pips)=4Pips

できれば、1年など長い期間のデータを取り、
集計する方が平準化されたデータとすることができるのでおすすめです。

期待値の使い方

期待値の算出方法を理解したうえで、
どんな場面で期待値を利用すればよいのでしょうか。

現状までの期待値を算出して、自身のこれまでの期待値を把握したうえで、
今後のFXによる利益の獲得の度合いをどれくらいに設定するのかを設定するのかを考える指標として活用していきましょう。

獲得したい利益額が決まっていたとして、
その利益を達成するために設定するべきトレードごとの損切り、
利確のポイントにまで落とし込んで活用することができます。

やみくもにトレードをするのではなく、自分の中で目標を持っておいた方が、
目指すべきポイントが見出しやすくなるので、おすすめです。

目標を立てる

まずは、期待値を決める前にFXを行なう上での目標設定をすることから始めましょう

期間
金額
運用資金

を考慮し、どのくらいで達成するのかを決めます。

目標とするべき期待値を算出するうえで必要となる情報となります。

あくまで目標なので、
あまり詳細に設定する必要はありませんので大枠を決めてみましょう。

あまりに無理な目標設定をしても、無謀な目標になってしまいます

これまでの自身のFXにおける実績も踏まえて、
実現可能なレベルでの目標設定を心掛けるようにしましょう。

過去の実績を踏まえ、実現可能なレベルでの目標を設定しよう

自分のこれまでの期待値を計算

目標とするべき利益金額と達成までの期間を決めたら、
自身のこれまでのFXトレードにおける期待値を算出して、
目標に達するための指標の数値を求めます。

これまでの自身のトレードにおける期待値を算出し、
目標となる利益金額に達するためには
設定期間の中で何回のトレードをすればいいのかを算出する基礎の情報とします

過去の自身の期待値の計算をする際には、
これから利益を達成するために設定した期間と同じ過去の期間を用いる
ことをおすすめします。

期間を合わせることで、
指標とするべき期待値も正確な数値となり、
実際に沿った予想数値を算出することができます。

期間を合わせると、期待値の正確性が上げ精度の高い予想数値を算出できる

逆算してレバレッジとトレード回数を算出

目標とする利益、これまでの自身の期待値を算出した後は、
その期待値通りに今後トレードをすると仮定して、
逆算してどれだけのレバレッジとトレード回数を設定します。

仮に、期待値が1Pipsの場合で、
設定期間内に50回のトレードをすると仮定します。

目標の利益額が50万円と設定している場合は、
1回のトレードで1万円の利益を獲得しないといけない計算になるので、
1回当たりのロット数は10Lotと算出できます。

10Lotの規模のトレードができるほどの資金があるのかを考慮し、
十分であればこれまでのレバレッジ設定で問題ないと判断できますが、
資金が足らないと判断される場合は、
レバレッジの倍率をあげるか、
取引回数の想定を増やす必要があります。

用意できる資金量を考慮し、危険なレバレッジ設定となってしまうなら、
取引回数を増やすか、そもそも最初に立てた目標額が厳しかったため見直しをするなどの対応をすることになります。

期待値を高めるためのポイント

期待値は、もちろん高い方が利益を獲得する効率が高くなるので良いのは間違いありません。

では、期待値を高めていくためにするべきこととは何でしょうか。

当然のことながら、勝てる見込みが高い分析手法を用いて、
損切りを早くし勝てるときに大きな利益を得られればおのずと期待値は上昇していきます。

しかし、言葉にするのは簡単ですが
外国為替相場の世界でそうやすやすと勝ちを伸ばしていけるものではありません。

期待値を高めるためのポイントとして以下の3つが挙げられます。

期待値を高めるためのポイント
  1. 1以上の期待値を目指す
  2. トレードルールを作って継続する
  3. 期待値を達成できるエントリー・決済ポイントを目安にする

期待値を高めていくための考え方、
一般的な期待値の目標とはどれくらいなのかについて解説をします。

1以上の期待値を目指す

期待値は、最低でも1以上、可能なら2の水準を目指しましょう

1未満でトレードを継続するなら、なかなか利益額が累積されていかず、
トレードの回数を増やさないと目標達成が難しくなります。

トレードの回数を増やすということは、
それだけプレッシャーも高まりますし、
判断を求められるケースも多くなるので、効率の良い運用をすることはできません。

検証を繰り返して利益を伸ばしやすくしたり、
勝率を高められる分析手法を取り入れて期待値を向上させる努力は必ず必要になります。

期待値を向上させるにはトレード回数より検証を繰り返す方が◎

トレードルールを作って継続する

期待値の試算をする際には、トレードのルールを決めてそれを継続して使用し、
結果を検証することが重要です。

期待値を正しく算出するためには、
同じトレード手法を用いて継続したうえで、その結果を見ることが大事です。

トレードの都度に異なる考え方・分析手法でトレードしてしまうと
結果として算出される期待値が正しいものでなくなる

例えば、移動平均線においてゴールデンクロス・デッドクロスが現出したらエントリーするといったトレードのルールを決めて
それを徹底して継続した結果の期待値を後で振り返り、
期待通りの数値になっているかどうかを確認するという考え方が理想的です。

最初に決めたトレードルールを継続してトレードをしよう

期待値を達成できるエントリー・決済ポイントを目安にする

期待値を設定しておけば、
トレード一回ごとに目標とするべきエントリーポイント、
決済ポイントの判断の目安にすることができます。

例)
期待値を2Pipsとしている場合

エントリー後、
利確:3Pipsの相場
損切:1Pipsの相場

にするといった風に決済する相場の目安とできます。

期待値を超える利益を獲得できるPips数を
確保できるような利確ポイントを探るなどの活用方法が考えられます。

期待値をあらかじめ決めていない場合、
決済相場の目安を決めるのが難しく、
都度感覚的に相場を決めてしまい失敗に繋がりやすい

期待値を決めておけば、
エントリーと決済の相場の目安とすることができるので非常に有効です。

期待値は一定ではない

期待値を生かしたトレードをする際に気を付けるべきことはいくつかありますが、
特に注意するべきことといえば、期待値は常に一定で推移しないということが挙げられます。

同じトレード手法を継続していれば、
その結果として算出される期待値の結果も一定であると思われがちですが、
そうならないことが多いです。

外国為替相場は、トレンドの転換が頻繁に起こりますし、
相場の傾向は時間が経つとガラリと変わることも往々にしてあります。

同じ分析手法を継続したとしても、ある時期は勝率が非常に高いこともあれば、
逆に勝率が極端に悪くなることもあります。

トレード結果を定期的に検証する

期待値は常に一定ではありません。

期待値を目標とする際には、

定期的に過去のトレード結果を検証する
目標設定の数値が適正かどうかをチェック

する必要があります。

期待値が1Pipsあると思っていたトレード手法が、
実は0.5Pipsしか期待値がなかったとすれば、
算出される結果にも大きな影響が及んでしまいます。

期待値は、例えば1年に一回など決めたタイミングでトレード結果をもとに期待値を検証して、同じトレード手法を継続しても問題ないかどうかをしっかりと把握しながらトレードに臨むようにしましょう。

裁量トレードだけでなくシステムトレードでも重要な指標となる

FXを利用した投資といえば、
自身でエントリーポイントや決済ポイントを決めて注文を出していく手法が一般的ですが、
システムが自動的に相場を判断して売買注文を繰り返してくれるツールがあります。

前者を裁量トレード、
後者をシステムトレードと呼んで区別します。

裁量トレードとは?
自身でエントリーポイントや決済ポイントを決めて注文を出していく手法

システムトレードとは?
システムが自動的に相場を判断して
売買注文を繰り返してくれるツールを用いた手法

裁量トレードでも期待値は重要な指標となりますが、
実はシステムトレードにおける期待値は、
それがすべてともいえるほど非常に大事な要素になります

システムトレードでは、利用するシステムを選択して自動でトレードをさせますが、
システム選択においてどれほどの期待値があるのかをシステムごとに見極めることが大事になります。

日本国内のFX業者も様々なシステムトレードツールを提供していますが、
海外FX会社でもMT4を始めとした数々のシステムトレードツールを提供してくれているので、選択肢の一つとして考えてみるのもおすすめです。

まとめ

以上、期待値の重要性や活用方法、
計算の基本的な方法などについて紹介してきました。

期待値は、トレードにおいて目標や指標として活躍させることができます。
計画的なFXトレードを進めていくためには期待値は非常に頼りになる数値であるため、
ぜひトレードを開始する前に期待値を設定してから望むようにしてみてください。