チャートにラインを引けば分析しやすくなると言いますが、初心者の方はどこにどういう風にラインを引けばいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
また、引いてみたけど、
何がどうなればエントリーや決済のタイミングだと判断すればいいのか
迷われる方も多いと思います。
『トレンドライン』はFX相場のトレンドを見極め、
流れに乗って利益を上げていくためには欠かせない方法です。
この記事では、以下について解説していきます。
- トレンドラインはどことどこを結んで引くのか
- トレンドラインの有効的な使い方
- トレンドラインを引く時の注意点
この記事を読めば、トレンドラインとは何か、
どのように活用すれば相場を読み解くことができるようになるのかがわかるので、
ぜひ最後までご覧ください。
相場の状態は3パターン
状況変化によって目まぐるしく値段が動いている為替相場ですが、
大きく分けると次の3つのパターンに分類されます。
- 上昇トレンド(上がり続ける状態)
- 下降トレンド(下がり続ける状態)
- レンジ(方向が定まらない状態)
そして、トレンドは相場全体の2~3割しかなく、残りは『レンジ』です。
レンジが終わるとトレンドが始まるといえます。
なお、トレンドは一度流れができると一定期間継続しやすい特徴があります。
トレンド相場とレンジ相場の見分け方
トレードを有利に進めるためには、
まずトレンドが発生しているかどうかを見極めることが大切です。
トレンド相場は、高値と安値の切り上げ、切り下げで見極めます。
下降トレンド=高値と安値がともに値下り
レンジ相場=一定の値幅間で行き来する
高値と安値がともに値上がりしていれば上昇トレンド、
両方が値下がりしていれば下降トレンドということです。
逆に、一定の値幅の間で行ったり来たりしていればレンジ相場と判断できます。
トレンドを追いかける順張りが基本戦略
売買の戦略には『順張り』と『逆張り』があります。
トレンド相場は一度発生するとしばらく継続する傾向にあることから、トレンドを追いかける形でトレードする順張り、いわゆるトレンドフォローが効果的な戦略です。
初心者の中には、大きな流れの中では下降トレンドが続いているにも関わらず
安いからと値ごろ感だけで買ってしまったり、
逆に上昇トレンドが続いているにも関わらず上がり過ぎているから売りと、
流れに逆らって損をするケースもあるので注意してください。
トレンドを見失わずにトレードすることが大事です。
トレンドを把握するためにはどうしたらいい?
トレンドをフォローする戦略が有効だとすると、
どのような方法でトレンドを見つけたらいいのでしょうか。
トレンドを把握するのに最も有効な方法は、”トレンドラインを引くこと”です。
トレンドラインは、移動平均線などと違って自分で引くことになるので
最初は戸惑うかもしれませんが、要点がわかれば簡単に引けるようになります。
トレンドラインとは何か、またその引き方などについてこれから解説します。
そもそもトレンドラインって何?
まずは、そもそもトレンドラインとは何かについて理解しましょう。
先ほど、トレンド相場とレンジ相場の見分け方のところでも触れていましたが、
トレンドには、
直近の高値と安値を切り上げながら上昇を続ける上昇トレンドと、
高値と安値を切り下げながら下降を続ける下降トレンドがあります。
その高値と高値、安値と安値を結んだ線が『トレンドライン』と呼ばれています。
トレンドラインとは?
上昇・下降トレンドの高値と高値、安値と安値を結んだ線
トレンドラインを引くことで、現在の為替相場の方向性とトレンド転換のポイントを把握しやすくなるメリットがあります。
トレンドラインを引く時にヒゲはどうする?
トレンドラインを引く時は、
値動き全体が収まるように
上ヒゲ同士、下ヒゲ同士を結んで上下にラインを引くことが大事
です。
というのも、多くのトレーダーが高値・安値を含んだ値段を見ているからです。
ヒゲを除外すると、ほかのトレーダーとは違うラインを見ていることになり、
売買チャンスのポイントを見逃しかねません。
トレンドラインの使い方
トレンドラインは、
値動きの中で切り上げた過去の安値2点、
切り下げた過去の高値2点を結ぶことで、
それぞれ上昇トレンドと下降トレンドを見つけることができます。
現状と同じ方向性、同じ角度のトレンドが続き、
トレンドラインの内側で今後も為替レートが推移すると予測できれば売買戦略が立てやすくなります。
上昇トレンド
上昇トレンドでは切り上げた2点の安値同士を結ぶようにラインを引きます。
上昇トレンドの場合、安値が切り上がっている限りはトレンドが継続するので、
2点の安値同士を結んだサポートラインが重要になります。
なぜなら、サポートラインを割り込んで下落した場合、
上昇トレンドが終焉し、トレンド転換が起こる可能性が高まるからです。
また、サポートライン近辺まで値段が下がった場合でも、
上昇トレンドが継続しているのであれば反転上昇する可能性があるので、
押し目買いのチャンスとなります。
下降トレンド
下降トレンドでは切り下げた2点の高値同士を結ぶようにラインを引きます。
下降トレンドの場合、
高値が切り下がっている限りはトレンドが継続するので、
2点の高値同士を結んだレジスタンスラインが重要になります。
なぜなら、レジスタンスラインを突き抜けて上昇した場合、
下降トレンドが終焉し、
トレンド転換が起こる可能性が高まるからです。
また、レジスタンスライン近辺まで値段が上がった場合でも、
下降トレンドが継続しているのであれば反転下落する可能性があるので、
戻り売りのチャンスとなります。
トレンドに合わせて売買戦略を立てる
トレンドが継続していれば為替レートは
サポートラインやレジスタンスラインに沿った値動きをします。
そのため、
その節目となるライン付近に価格が近づいてきたときには、
今後の動きに注意が必要です。
- トレンドが継続するか、
- ラインをブレイクしてトレンドが反転するか
を見極めて売買戦略を立てられるように、
何度もラインを引く練習をして相場観を鍛えましょう。
トレンドラインの正しい引き方
トレンドラインを引く時にもうひとつ気を付けなければいけないのは、
直近高値と直近安値の更新を確認する必要があることです。
つまり、上昇トレンドを例にとると、
安値だけ更新して高値を更新していなければ、
まだラインは引いてはいけないということです。
なぜなら、上昇トレンドは高値と安値の両方の切り上げがあって、
はじめて上昇トレンドとされているからです。
トレンドラインの角度
安値を切り上げる角度や、高値を切り下げる角度にも注意が必要です。
それは、角度が急な時には強いトレンド、
緩やかな時には弱いトレンドというように、
ラインの角度がトレンドの強弱をあらわしているからです。
ただし、角度が急すぎる値動きは急騰・暴落を示しており、
トレンドとしては長くは続かず継続性がありません。
逆に、角度の緩やかなトレンドラインのほうがブレイクされにくく継続性があるため、
長期間にわたってサポートやレジスタンスとして機能します。
トレンドラインと時間足の関係
当然ですが、トレンドラインは短い時間足よりも長い時間足のほうがより意識されます。
たとえば、5分足では下降トレンドだったとしても、
1時間足で見ると長期的な上昇トレンドの中での一時的な下げ局面に過ぎない場合もあるからです。
長い時間足で明確なトレンドが出ている時に、
短い時間足でそれと同じ方向性のトレンドが出たら、
その流れに乗ることで利益を上げる絶好のチャンスになります。
その他のライン
トレンドライン以外にも、チャートに引くことで分析がしやすくなるラインがあります。
チャネルライン
チャネルラインは、トレンドラインの反対側に平行のラインを引きます。価格はトレンドラインとチャネルラインの間で上下に動くことが多く、ライン付近に到達しそうなところで逆張りを仕掛ける手法もあります。
水平線
過去に何度も反転している価格に水平線を引くことで、多くのトレーダーが意識している価格帯を視認しやすくなります。過去の安値はサポートに、過去の高値はレジスタンスになるので、そのラインをブレイクするとトレンドが発生する可能性も高くなります。
トレンドラインは一度引けば終わりではない
トレンドの勢いはずっとそのままというわけではありません。
トレンドは継続中でも、
その勢いが弱まって一時的にラインをブレイクすることがあります。
その後価格は反転しますが、その角度は緩やかになります。
その場合、
新たな高値や安値を終点として
ラインを引き直してトレンドの方向性を更新していかなければいけません。
つまり、トレンドラインをブレイクしたからといって、
即トレンド転換につながるわけではなく、
新たなラインを引き直して検証する必要があるということです。
なお、
同じ起点から引き直したラインにほとんど角度がなくなってくると、
トレンド終了が近いことのサインとなります。
トレンドラインの役割転換
上昇トレンドが終了すると、
それまでサポートラインとして機能していた上昇トレンドラインは、
今度は下降トレンドのレジスタンスラインとして機能
します。
これは水平ラインでも同じことが起こりますが、
サポート・レジスタンスという節目を意識してトレードすることも重要です。
複数のラインを使った検証
上昇トレンドラインと下降トレンドライン、
水平ラインを組み合わせて使うことで、
エントリーポイントを見つけ出すこともできます。
以下に、上昇トレンドにおいて買いのポイントを見つける例を2つ挙げてみます。
上昇トレンドラインと下降トレンドライン
上昇トレンドがトレンドラインに向かって下降したあと、引き直した2本目の上昇トレンドラインを割り込まずに反転し、なおかつ下降トレンドラインをブレイクして上昇したら買いのポイントです。
上昇トレンドラインと水平ライン
上昇トレンドラインの上部で、過去の高値がある水平ラインをブレイクして上昇した場合、上昇の勢いが増す可能性があるため買いのポイントとなります。
トレンドラインを使う時の注意点4つ
トレンドラインを使う時には、次の4つに注意しなければなりません。
- 状況に応じて、トレンドラインを引き直す
- トレンドラインを超えた時、見極めてからエントリー
- 自分のトレンドラインを過信しすぎない
- トレンドラインは自動より手動
状況に応じて、トレンドラインを引き直す
これまで説明してきたように、トレンドは少しずつ緩やかになりいずれは転換点を迎えます。そのため、状況に応じてトレンドラインの引き直しが必要です。
トレンドラインを超えた時、見極めてからエントリー
トレンドラインをブレイクしたからといって、すぐにエントリーするのは危険です。なぜなら、ラインをブレイクしてもトレンド転換せずに戻るダマシの可能性があるからです。単にトレンドの勢いが弱まっただけなのか、トレンドが転換したのかを見極める必要があります。
自分のトレンドラインを過信しすぎない
トレーダーが使っているチャートシステムはさまざまです。
また、FXはトレーダーとFX会社との相対取引であるため、
価格もFX会社によって多少異なります。
そのため、
チャートに引いたラインには多少の誤差が生じるので、
自分の引いたラインを過信しすぎないようにしましょう。
トレンドラインは自動より手動
インジケーターの中には、
自動でトレンドラインを引いてくれるものもありますが、
自分で引いた方がスキルUPなどの意味からでも良いと言えます。
自分でラインを引くことでスキルが身につき、
相場観が養われ、今後の予測をする分析力が上がります。
トレンドスキルを向上させるためにも、ラインは自分で引くようにしましょう。
トレンドラインを極めて利益上昇を目指そう
ここまでトレンドラインについて説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
- トレンドラインは高値と高値、安値と安値を結んで引く
- トレンドラインを上抜け・下抜けするとトレンド転換の可能性がある
- トレンドの勢いはその角度にあらわれる
- トレンドラインは長い時間足のほうが重要である
- トレンドラインは自分で引くことでスキルアップにつながる
トレンドラインは、現在の相場の方向性とトレンド転換のポイントを視覚的に把握しやすくしてくれます。一見ランダムに上がったり下がったりしているように見える為替レートも、トレンドラインを引くことによって今後の値動きの予測ができるのです。
ライン分析で大事なのは、直近の為替レートに近く、今後の値動きに影響がありそうなトレンドラインを引くことです。
そして、自分の引いたラインに対して複数のシナリオを立て、自分なりの相場観を養うことが重要です。
ライン分析は最も多くのトレーダーが実践していて、その節目となる値段を知っておかなければ大きな損失にもつながります。何度もラインを引いて練習し、トレンドを見極めるスキルを磨いて利益を上げられるようにしましょう。